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必殺学生人  作者: 神保知己夫
レポート用紙 4冊目
40/42

出してくれ!!

 なんかヤクザどもは、今でも俺を殺そうと狙ってるらしいぜ。いま俺、病院にいるんだけどさ、別に刑罰みたいな感じで拘束されてるわけじゃないんだよ。いわば身を守るために、家族と本人の希望ってことで治療を延ばしてるワケ。入院費は支援団体が負担してる。どっから資金を得てるのかって思ってたら(支援団体ってのは北九州の弁護士事務所。死んだ親父のコネらしいんだけど、ウチの親父は労働組合の幹部かなんかだったらしくてさ、だからその事務所もそっち系の、まあなんとなくわかるでしょ?)、とにかく、事件が忘れられそうになったらそこの弁護士がテレビ局かなんかに売り込みにいくんだよ。で、オンエアーされたら、どっかからカネが集まってくる仕掛けになってる。なんかいまだに俺はヤクザに独りで立ち向かった英雄ってイメージらしいんだよね。でもこのレポートとか読むと、最初の清春殺しは仕方ないとしてその後のは同情の余地なしだぜ、実際。それもこれも最初に出た本の影響なんだろうけど、ただ最近はそのやり方じゃだんだん金も集まらなくなってきたらしくてさ、さっきの民事裁判でもカネがかかるだろうし、俺としてはいいかげんシャバに出してくれって言ってるんだよ。そしたら「殺される」って、だからそれはもういいんだよ。最近思うけどさ、どう考えても俺の人生あそこで終わってるぜ。実はパクられるときに自分の頭撃ったんだよ。それが頭蓋骨のこめかみんトコになんかヘコんだ部分があるじゃない? そこで弾がクルッと回って外に出てっちゃったんだよ。いまでもそこにデッカいハゲんなって残ってるけどさ。いや、だからそっから先は明らかに生き過ぎ。こんなチヤホヤされてよー、冗談じゃねぇってんだよ! こんなトコで一生腐って死ぬより、シャバでヤクザどもと殺し合いやってるほうが俺は生きてるっていえるんだよ。なんかシャバにでたら、ひょっとしたらそういうのが戻ってくるような気がしてるのかもしれないな。でもそれはたぶん幻想だ。でもどうなんだろう? もし俺がシャバにでたらヤクザが殺しに来るかどうかってのはあくまで外部性だから、俺自身には予測不可能だろう。だからひょっとして、って思っちゃうな。

 ていうかさ、俺はまだ殺しがやりたいんだ!! ただそれだけ。べつにそんときに自分が死ぬかどうかなんて、どうでもいいよそんなことは。


 あーダメだ、こんなこと書いてたらまた出してもらえないよ。


参考)https://career.bengo4.com/articles/15

http://kisoken.org/webjiten/gaibufukeizai.html

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