第5話 この状況をこたえてちょーだい?! 後編
悲しいお知らせを聞いている最中の僕、
昼食を、ハーレム(の従者)最後のランチを頂いた僕は、
これ洗うのは俺かあと思いながらも女神ラウラ様から続きの報告を受ける。
「続いて大聖女ぺトラだけど」
「あのめっちゃやさしい、何でも言う事を聞いてくれた」
「私の知らないうちに、勝手に大司教が」「許されるんですかそれ」
いつもより綺麗に食べた食器を眺め、
今夜のディナーを自分で作るのは良いが、
お金は残ってるんだろうかと不安が過ぎりながら話は進む。
「これはその大司教が寄付金目当てに」
「あっこの件にギルマスは」「これに関しては、とはいえ動く前に勝手に動いてくれたと」
「似たようなことはしようと思ってたんだ」「後で神罰を下しておきますね、大司教や公爵家に」
だからといって、もはや……
ぺトラって上の命令は絶対って所がある、
でもさすがに今回は彼女の悪い部分が出てしまったか。
「そして魔法使いバルバラ」
「異世界から来た勇者との子供は楽しみって言ってたのに……」
「文通相手の血筋を調べ、バルバラに推薦したのはパルムでした」
こっちは、ギルマスのせいかー!
「でも、だからって」
「全体的な能力を上げるより、魔法特化で能力の上がる子供を産んでみないかと」
「あー、魔法大好きバルバラなら、そっちの好奇心の方が勝っちゃったかぁ、なんとなくわかる」
ただ僕への愛情が無かった訳では……
むしろ6年かけてようやく相思相愛になった、
と思っていたのは俺だけだったってことか、悲しい。
「俺の6年間って……」
「あと妖精メアリですが」「ええ」
「パルムが手紙で妖精王に色々と働きかけたようでした、彼女の婿を用意してあげるようにと」
そんな裏工作を!
「で、妖精王が従っちゃったと」
「魔王討伐に関しては全面協力の約束で、それで以前から手紙のやりとりはしていて、その延長線上で」
「勝手に?!」「ええ、しかも魔王討伐関連の手紙として」「魔王関係ないじゃん」「討伐のご褒美として」
じゃあ俺へのご褒美はっていう。
「ならパルムの言っていたメアリの、俺への最後の伝言は」
「あれは本当のようです、もう人間と関わるなと妖精王に言われたようで」
「そんなあ」「もちろんそれもパルムの手紙による依頼ですね」「ひどい、ひどすぎる」
魔王を倒す前、
冗談な感じで「みんなにフラれたらあたしが正妻になってあげる」とか言っていた妖精メアリが、
洒落にならないよ……ていうかほとんどの元凶はギルマスか、あの眼鏡おばさん、なんでこんな真似を。
「パルムさんは、なぜこんなことを」
「最初は無理矢理にハーレム入りさせられた救済だと」
「いや納得してなったんじゃ」「そのはずでしたし、そういう方を集めました」
女神様がね。
「それを終わったからって」
「平和になってしまえばカイト様にはもう用はないと」
「そんな使い捨てみたいな」「最大の理由は嫉妬でしょうね、私も彼女はノーマークでした、面目ありません」
まーた土下座しそう。
「それでどうするの」
「彼女に、パルムに関しては徹底的に痛めつけました、燃やして癒してを繰り返し、そしてすぐ元に戻すようにと」
「元に戻すって?」「ハーレムを回収してくるように、ほとんどは彼女のやったことなので」「今更かあ、うーん」
さすがにこんなことがあるとなあ。
「出来なければ死ぬより苦しい業火を死ぬまで」
「ていうか、あっさり裏切らせた俺にも責任が少しは」
「いえ、これは全面的に私の責任です、そういう条件で召喚させて頂いたので」
そうだっけ、まあそうだったよな、
6年前のことでなおかつ地球での出来事は、
徐々に忘れるようになっているシステムなんだから……
「で、俺は今後、どうなるの」
「はい、とりあえずパルムが急いで回収をしてくるはずですが、駄目なら私が直接……どうしましょう」
「いや、俺に聞かれても」「結婚式をやり直す気は」「さすがに無いかな、今の所は」「そうですか……」
シュンってなっちゃった。
「まあ6年かけて結婚して貰えなかった俺に絶対、非はあるはずで」
「それはありません、ずっと見守らせていただいていましたが、かっこよかったですよ」
「そ、そう?」「ええ、それはもう、私が惚れてしまうくらいに!」「いや女神様におだてられてもなあ」
別に女神様が責任とって結婚してくれる訳じゃないし。
「ご希望でしたら新たなハーレムを」「今更?!」
「魔王を倒した勇者様ですから、それはもう好きな相手を」
「いや、そう言われても」「ただその前に、私もやることが」
表情が一気に曇る女神ラウラ様。
「な、何をやるんですか」「報告です」
「えっ報告って誰に、ラウラ様に上司とか居るの?」
「上司だったら良かったのですが、この世界の責任者は私です、そう、全ての責任は」
ふうっ、と大きくため息をついた女神、
熟女にしては美人、いや、美人な熟女さんだ。
「なら、誰に」
「はい、それは……」「それは?」
「カイト様の故郷、地球の創造主、地球の神様です」
そっちかあ。




