第3話 話が違って、ジョーダンじゃない?!
魔王を倒した仲間ことハーレムの婚約者も、
そのメイドすらも全て居なくなり俺1人だけとなった豪華な屋敷、
ようやく誰か来たと思ったらこの異世界へ俺を召喚した女神ラウラ様だった。
(そしていきなり土下座である)
久しぶりに会ったと思ったら、
床に頭を擦りつけている、いつ以来だ?
魔王を倒した時に声だけは聞こえてきたが……
「本当に、ほんっとうに、ほんーーーーとーーーーに、申し訳、ありませーーーん!!」
「いやその、きちんと話をしましょう、ていうか食事中なのですが」「お待ちいたしますっ」
「……やっぱり話して、気になって食事に集中できない、食べながら話すけど……ってまた頭を擦りつけて!」
とてもこの世界の創造主、
女神様がすることとは思えない、
だって転移されたとはいえ単なる人間なのに。
(あっ、このあたり、説明を受けた気が)
ただ6年前の話だし、
そもそも元の世界のことは、
10年かけて、じわじわ忘れて行くって話だった。
「わたくしの、このラウラの、かんっぜんなミスでございます」
「まあ確かに話が違う、冗談じゃない~って思いはしたけれども」
「言い訳を、いえ、説明をさせていただきたいのですが」「はいどうぞ」
必死な熟女に少し心が痛い。
「6年前、わたくしの造ったこの世界の魔王勢が強くなり過ぎ、手に負えなくなってカイト様、
いえ、柳田会斗様をこちらに召喚、転移させて頂いたのですが、その時のお約束、契約としてハーレムを」
「あー、俺の名前そんなのだった、いま聞いて思い出した、そうそう、43歳のおっさんだった」「それを15歳としてわたくしの世界に」
そうそう、若返って嬉しかった、
人生をやり直せるって嬉しかったっけ、
こっちの世界、文明は落ちても魔法である程度はカバーできるんだって感じたのを思い出した。
「話はついてなかったの?」
「完璧につけたつもりでした、ええ、本人はもちろんこの国の王様や、
パーティーメンバーそれぞれの所属組織その一番上、当時の冒険者ギルドマスターなど」
そうだそうだ、
6年前のギルマスはお爺さんだった、
それが途中で敏腕受付嬢パルムさんがギルマスになったんだった。
「でも、魔王を倒して平和にしたとたん、無かったことみたいに」
「予想外でした、わたくし自身、かんっぜんに油断してしまいまして」
「うん、魔王討伐直後、俺を含めパーティーメンバーに声が聞こえたっけ」
地下深くで何とか俺が魔王にトドメを刺し、
完全勝利となった直後、なぜか地上へみんな転移させられ、
懐かしの女神ラウラ様の声だけが響いて来たんだよな、確か……
『これで全て終わりました、もう干渉はしません、あとは自由に、幸せになって下さい』
……あっこれ、
取り様によっては結婚しなくても良いよってなるのか?!
俺が嫌われてたとしたら、うん、そうなっちゃっても仕方ない。
「やっぱり俺って、嫌われていたのかなあ」
「わたくしが見ていた限りではそんなことは、最も魔王討伐までですが」
「そこから結婚式までの半年間でいったい何が」「それです、それをあの新しいギルマスに問い詰めてきました!」
ようやく立ち上がった女神様、
おでこが紅くなっている、可哀想に、
そして俺はようやく食事を終え、いやよく見たらデザートがあった、小さなゼリーが。
「いや、もう完全に結婚に向けて、
あーでも魔王を倒したんだからもう関係を結んでも、
せめてキスだけでもって言ったら結婚式に取っておくとかなんとか」
半年かけてきちんとした恋愛をしたかったんだけど、
結婚までの準備が忙しいとか報告がとかなんとか言われて、
のらりくらりと、でも式さえ済ませればって思って我慢してたんだけど。
「その間にあのギルマスが暗躍していたようです」
「と、いうと」「わたくしが不在の間に」「ちょ、不在ってどこ行ってたの」
「……申し訳ありません、魔王討伐で安心して、地球で遊び呆けておりましたー!!」
まーた土下座、
まあ重圧もあったのだろう、
あっ思い出した、異世界的に地球ってトップレベルの世界なんだっけ。
(だから地球の神ってランクがこの女神様より遥かに上だって聞いた)
徐々に6年前に、
地球で聞いた話を思い出し始めた、
すっかり忘れていた事を……忘れるようになってたみたいだけど。
「そこは仕方ないにしても、ギルマスはいったい何を」
「はい、平和にさえなれば後はどうとでもなると、他の方との婚姻を薦めたようです」
「……詳しく聞けるかなあ」「はい、尋問した結果なのですが」「穏便に?」「腕や足を燃やしつつ、もちろん後で治しましたが」
怖っ!
とにかくこうなった経緯、
どうして結婚式に5人とも(オマケで妖精も)来なかったのか、聞こう。




