第13話 結局、外は、ど~なってるの?!
(静かな室内だなぁ……)
女神ラウラ様を待つ間、
食器洗いもさっさと終わって、
って棚にある無駄に多い食器に少し寂しさを覚えた。
「ほんっとに、誰も居ないんだよなあ」
居間に戻って声に出してみても返事は無い、
あれだけ沢山居たメイドも誰1人残っていない、
みんな名前も覚えたのに……いやほんと、忘れ物を取りにでも誰か来ないかな。
(女神様に、外へ出るなとか言われたけど……)
窓から覗くくらいは良いよね?
……うん、誰も居ない、むしろ避けられてたりして、
通りすがりの人に指さされて笑われるのも嫌だからカーテンを閉めようっと。
「結婚式に花嫁が誰も来なかったって、もう噂は広まっているのかなぁ」
俺のどこが悪かったのか、
何をミスったのか、さっぱりわからない、
ただ前世の、地球の頃の記憶を思い起こすときっと、男の方が悪い。
(理由がわからないと、そういう所だぞっと言われるのが男です!)
いや暇だしちゃんと考えよう、
まずは女騎士団員ポーラからだ、
真面目でお堅い、それでいてしっかり俺を気遣ってくれた……
「俺との、2人の子はきっと強い子になる、とまで言ってくれていたのに」
でも俺なんかにはもったいないくらい、
かっこいい美女お姉様だったよな、だからこそ、
こんな反則勇者より騎士団長の方を選んだのだろう。
(やっぱりチートより叩き上げかぁ)
それなりに6年間、
気を使っていたつもりだけど、
もうそれ以前の問題だったのかも。
「気を使ったといえば、気まぐれなアンナもだよなぁ」
冒険者から参加してくれた女戦士でボクっ子のアンナ、
いや6年経ってもう結構な年齢になったのに最後までボクとか言ってたな、
考えが、気分がコロコロ変わる子で面倒見るのが大変だったが、それもまた楽しかった。
(でも、もうお世話できないんだよなぁ)
結局は俺の嫁で収まる子じゃなかったか、
一生面倒見る覚悟は出来ていたんだけども、
俺は出来ていても彼女の方が自由を選んだのか。
「しっかり手綱を握り続ける事が出来なかった、俺のミスだな」
と自己確認のため呟いてみる、
趣味として冒険者は続けて良いと言ったけど、
やっぱり中途半端になると踏んだか、それとも……
(妊娠したら冒険に出られないから、とか)
はは、アンナらしいな、
いや本当のところはわからないけど、
とにかく彼女は首輪付けちゃいけないタイプだったとでも思って諦めよう。
「キャロルは、うん、仕方ない、あれだけエルフに憧れていたんだから」
エルフと人間の間に産まれるハーフエルフ、
でもエルフの国からは酷い差別を受け続けていた、
だからこそ人間としても、エルフとしても、そしてハーフエルフとしても丁寧に対応していた。
(そして、全てを受け入れるって約束したのに……)
エルフ王から誘われたらすぐかよっていう、
でも、呼び出しが結婚式の前で良かったって思おう、
うん、間に合って良かったねって、もう会えないんだっけエルフの森に入ったら。
「俺としては、みんなの幸せを祈るかな、特にぺトラ……」
大聖女ぺトラ、彼女は性格が良過ぎる、
街行く街で無償で治癒魔法をしまくっていて、魔力が尽きて、
魔物討伐を遅らせたりした程だ、彼女に対しては俺がついてやらないとってずーっと思って行動した。
(それが、こんな形でぶっこ抜かれるとは)
結婚式の直前にって、
油断してたってレベルじゃないよな、
これはもう相手が教会と貴族となれば、どうしようもない。
「攫いに行った所でもう遅い、ってやつだよなあ」
女神ラウラ様が後で神罰をとか言ってたけど、
もう手遅れ、ていうか何をするつもりなんだろ、
まあいいや彼女に関してはもう教会に責任を持って貰おう。
(そして魔法使いバルバラ、あれほど頭の良い子が選んだのは魔法かあ)
彼女はハーレムに入ってくれたけど、
心の底からお嫁さんになってくれるのに時間がかかった感触、
そう、まさに魔王を倒す6年丸々かかって、やっと、ようやく心まで手に入れた……
「と思っていたのは俺だけだった、ってことか」
駄目だ、またもや涙が、
もうこれ以上、逃げた婚約者の事を思い出すのはやめよう、
そうだな、妖精メアリの思い出でも、って駄目じゃんもうっ!!
(って、もう外は夕方かあ)
晩御飯を作るならそろそろだな、
材料まるで残っていなかったよまったく、
まだ俺が居るのに全員、引っ越し完了みたいになってたな、俺があげたものはしっかり残して!
「……はあ、中庭で外の空気でも吸うかな」
と立ち上がると、
壁にドアが出現した、
と、いうことは……帰ってきた!!
ガチャッ
「う、うううぅぅぅ……」
「ラウラ様、どうしたんですか」
「鬼ほど、引く程、激詰められる程、怒られたわ」
あーあーあー、
俺で慰めてあげられるかなあ、コレは。




