4 聖女とは
部屋に残された国王以下10人は、聖女を見送ると一気に気が抜けた。
「ねぇネルソン、僕聖女ってもっと若いピチピチの女の子だと思ってたよ〜」
国王が泣きそうな顔でネルソンに詰め寄る。
「陛下、近い! ですが気持ちは全員同じだったかと」
宰相、大臣、そしておんなじ顔三人衆がうんうんと頷く。
「しかし彼女が召喚されたのには意味が必ずあるはずです」
「ね! 本当に知らない女性が現れるなんてビックリだよね! 伝承は本当だったんだな〜って。僕、実はちょっと半信半疑だったんだよねー。でもどうせなら若くてかわいい子が…:」
「陛下」と冷たく声をかけたのはエリザベス王妃。
「これ以上喋ったらその口を縫い付けます」
「あーごめんエリザベスちゃん! もちろんベスちゃんが一番かわいいからね?!」
エリザベス王妃ははあっとため息をついた。
「もう1つ不思議なことがあります」
と言ったのはアーサー。
「伝承では聖女は一人だけ召喚されるはず。
それが今回は……」
「獣が一緒でしたね」
と後を顔がおんなじ三人衆の一人、レオンが接いだ。
「ああ、それが私も不思議に思っていたところなのだ」
ネルソンも相づちを打つ。
「ともかく陛下、我々はまた文献を詳しく調べます。聖女様も突然知らぬ世界に連れて来られてお疲れのようでしたし、しばらくお休み頂いてから今後について考えましょう」
「うむ、ネルソン、頼んだぞ」
国王は聖女が来てくれたからにはこれで安泰と考え、ネルソンは次は何をすべきか、そして聖女の力で国を正常化させることが出来るのか、考えることが山ほどあるなと考えながら解散した。




