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ルオンの腕におとなしく抱っこされていたハナコだったが、魔族だ、と言われるとルオンの腕から飛び出した。

と同時に黒い煙がもくもくとハナコから出てきた。


「ハナコ?!」


千代子がハナコに駆け寄ろうとするのをルオンが抱き止める。


煙は部屋中に広がり、何も見えなくなったと思ったら少しずつ薄まってきた。


「ハナコ?!」


千代子はもう一度呼んだ、が、そこにいたのはハナコよりもはるかに大きい、部屋と同じくらいの大きさの頭が三つの柴犬だった。


「久しぶりよの、ハジメ、今はハディントン前国王か」

「儂がここに生まれ変わって以来だ。ビックリしたぞあの時は! ここに来ていたなら声をかけてくれればいではないか、全く気づかなかったぞ」

「忘れていたのだ」


「陛下危ないですぞ、こいつは魔族! しかもかなり上の階級かと」


「ははは、大丈夫じゃネルソン、儂とハナコは親友だからな」


「は……? 親友?」

「ちょっとはじめちゃん、どういうこと? ハナコはどうしちゃったの?」


「ハナコ、自分で話すか?」

「そうだな。まずさかのぼると300年前、この世界は今と同じように異常気象で困っておった。その時の原因は、天の神のご機嫌が悪かったからなのだが、人間は魔術を駆使して聖女を召喚し、見事神の機嫌を直した。その時の聖女が千代子、お前だ」

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