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第92話 収穫

評価、ブクマありがとうございます!

おかげさまでランクインしました!

 酒蔵の売り出すためのパッケージ戦略は決まったが、売り出し時期は決まってなかった。

 まず商品の量を揃えること、瓶の在庫を作成すること。

 毎年できるお酒を管理する人手が必要であること。

 そんな話を集まった職人とお酒片手に語っている駄目な大人たち。

 大切な話はちゃんとしらふで!

 俺は退出のタイミングを外してしまって片隅でお摘みを食べている。

(鍛錬は? そろそろ時間だよ?)

「そうだね。行かなきゃ」

 俺が立ち上がりかけた時、ハンスが近寄ってきた。後ろに四人引き連れている。

 そのうちの二人は以前工房で会ったお弟子さんの男の子。その後ろに十歳くらいの男の子と女の子が一人ずつ。この二人は初めて会う顔だ。

「ご挨拶申し上げます。こちらは新たに雇った弟子でございます」

「ハンス、この間ぶりだね。お弟子さん、増えたんだ」

 紹介された弟子二人が緊張した顔をしている。

「よ、よろしくお願いします」

「お願いします」

「挨拶ありがとう。ハンスはいい腕の職人さんだから、よく学んで、二人も頑張って」

「ありがとうございます!」

 二人が声を揃えて言った。

 村は賑やかになって、子供たちも増えた。

 痩せてる子供はもう、いない。

 少しずつ、領が豊かになっていっている。

 ガラスも工房ができた。

 前世を思い出した時の強烈なガラスへの情熱はまだ体の奥にあるけれど、一段落ついた気がする。

 ハンスとお弟子さんたちに頑張ってもらって、強化ガラスや板ガラスの作製ができるようになってもらおう。


 そしてトマトが収穫された!

 生食用の瑞々しいトマトを洗ってかぶりついた。

「甘い!」

 糖度十四度以上あるよ!

「こっちは小さいですが、もっと甘いですよ」

 口に一口でいれる。

「んん!!」

 フルーツみたいな甘さ! これはもう、フルーツトマトだ!

「こっちは加熱すると美味しい品種なのでエリックさんにぜひ」

「ありがとう! ほんとにありがとう!」

「来年はもっと美味しくなりますよ」

「よろしくお願いします!」

 オリーブの木は無事定着して、実が生るまで、まだかかるそう。

 コメは増産で、大量に備蓄されている。すぐに使わない分はマジッグバッグ収納だ。

 高いぞ、と言って作ってくれた。ありがとう、師匠!


 大豆は醤油用に仕込んだ。楽しみ!

 でも、枝豆ブームで大豆の収穫量は減ってしまった。迂闊だった。

 ポップコーンも大ブームで、酒用とポップコーン用途で揉めた。

 来年作付け面積が増えることになった。

 砂糖大根は更なる品種改良をするとのこと。凄いなあ。


 エリックが作ったトマトソースを使った煮込み料理は美味しくてみんなトマトが好きになった。

 ジュースは好き嫌いが別れ、イオは苦手らしい。

 でもフルーツトマトはパクパク食べていたから甘いトマトは大丈夫のようだ。

 美味しいものが増えていくのは嬉しいことだと思う。

 秋になると栗とかぼちゃが食べたくなるけど、いまだ見かけてないな。

 来年は王都に行くから探してみようかな?


 フュージングブローチの見本品が出来上がった。

 大きさが三パターン、種類は十種類。

 トンボ玉も作り、赤いトンボ玉を師匠に贈った。今年はちゃんと誕生日に贈れてよかった。

 大きいものはブローチ、そうでないものはペンダントヘッドにもできる。

 台座は注文者の好みだ。

 これで、フュージングも俺の手を離れた。特許料は取るけどね!


「ルオ、出発はいつにするんだ?」

「夏じゃないの? ちょっと早めって六月?」

「ちょっと王都から距離があるからな。雪解けが過ぎてすぐはどうだ?」

「とすると、五月?」

「四月の半ばにしよう」

「師匠がいいならいいよ!」

 母のプレゼント作っておかないとダメだな。


 冬は除雪マシーンと化して雪を溶かしまくった。あ! お風呂!

「お風呂作ってなかった!」

「何叫んでるんだ」

「師匠! お風呂!」

「ああ、なんか前言ってたな?」

(水の精霊があったかいお湯が出るところを知ってるって言ってるけどどうする?)

「え?」

「いやな予感がするぞ」

「どの辺なの?」

 俺はカルヴァに聞く。


(どの辺に?)

(どこでも出せる)

 急に現れた水の精霊にびっくりしながらも聞いてみる。

「え? どこでも?」

「それはこの間の泉みたいに?」

 師匠が恐る恐る聞くと、水の精霊はこくりと頷く。

「場所を確保するからそれからにしてもらってもいいでしょうか? 水の精霊様」

(わかった。決まったら呼んで)

 師匠が言うとふっと消える水の精霊。フリーダムだな!

 あったかいお湯って温泉かな? ラヴァは霊峰の地下にいたっていうし。

「温泉ゲット―!」

 拳を突き上げたら後頭部を師匠に叩かれた。軽くだけど。

 岩風呂にするとか、それとも源泉にしてパイプで配管するとか。

 夢が広がる!


 父に報告したら眉の間に皺ができた。

「河の方に作ってもらった方がいいのではないか?」

「え、屋敷の一角じゃないの!?」

「せっかくだから領民にも……」

「……父様」

「一大施設にしたら儲かるか? ヴァンデラー卿」

「可能性はあると思います」

 ちがった! 商売考えてた!

次の投稿は明日になります。


書籍第二巻が7月3日発売決定!

イラストはLINO先生です。

第一巻も発売中です!

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