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第295話 ダンジョンに慣れよう

 ダンジョンへ行く日になった。

 師匠の馬車で学院に迎えに行き、みんなと合流し、ダンジョンに向かう。

 俺とタビー以外は寮生だったので、例のごとく馬車止まり集合だ。

 みんなは実技の講義の時に着る鍛錬服に防具を身につけ、それぞれの武器を腰に佩いている。

 馬車に揺られていると、みんなの顔が緊張している。

「何か質問とかあれば答えるよ」

 緊張を解すためにそう言うと双子の妹が聞いてきた。

「ダンジョンで気をつけることはなんやろ?」

「んー……まずは、ダンジョンに慣れることかな?」

 双子妹の質問に俺はそう答えた。

 俺はまだ、接待ダンジョンに慣れてはいないけどね。

 どのダンジョンの精霊さんも可愛いけれど。

 接待したい気持ちが溢れているのはわかるけど!

 とりあえず普通のドロップでお願いします!


「緊張しすぎず、油断しない感じかな?」

 タビーも考えつつ答える。

「警戒は怠らないようにすることかな?」

 ジャンテーレが言う。

「そうね。先輩が言うように油断しないように進むことかしら?」

 ルッソも首を傾げつつ答えた。

 ごくりと喉を鳴らして双子は頷く。

「頑張りますわ」

「せやな」

 二人で励まし合っているようだ。

「ルオ、俺たちも油断せずに行こう」

「そうだね。罠とか、気をつけないと」

「ああ」

 タビーが前回を思い出したのか、半目になった。

 ごめん。ほんとごめん。でもあれは不可抗力だから。

 そうこうしているうちに馬車がダンジョン前に着いた。

「ダンジョンの入場許可取って、中に入るよ。今のうち装備は確認してね」

 パーティーを組んで入場する。明るいところから暗いダンジョン内へ入ると、ひんやりとした独特の空気を感じる。

「隊列は打ち合わせ通りに」

 前はタビー、後ろは俺で、パーティを見る。

「じゃあ、行くぞー!」

 タビーの掛け声で、中に進んでいった。


「スライムが出ました」


 一階層の魔物のほとんどはスライムだ。

 俺はスライムドロップが宝箱だったので手を出す勇気がない。

 タビーの前、1メートル離れたところに水色のスライムがいる。

「そうだな。一年のどちらかに任せる」

「私が」

 双子妹が弓でスライムを射る。それは命中して小さな魔石を残した。

「じゃあ、次現れたらラウノだな」

 タビーが笑いながらラウノの肩を叩いた。

 魔石を回収して、先に進む。

 二階層に降りる階段を見つけるまで、現れたスライムは一年二人に討伐してもらった。


 二階層に続く階段前でしばし休憩する。

「緊張は解れた?」

 水を飲んで、水筒を仕舞いながら俺は双子に訊いた。

「スライムなのに、逆に緊張してしもうて」

 息を大きく吐きながら双子の妹が呟く。

 上手く弓で仕留めていたけれど、慣れてなかったか。

「大丈夫、実習では時間制限もあるし」

 男なら肩を叩くのだが、女子なのでやめておいた。

「じゃあ、行くぞー!」

 タビーの声の合図で、二階層への階段を下った。


 二階層にはビッグマウスとか、ホーンラビットが出る。

 どちらも、油断していると怪我をする。


「せいッ」

 タビーがホーンラビットの突撃を阻止。

 体勢を崩したところへ双子兄が剣で止めを刺す。

 ビッグマウスは二年生の二人が魔法で仕留めた。

 俺は地図を睨んでいるだけで出番はなかった。

 い、いいけどね。もっと下の階層じゃないと、俺の秘められた力は爆発しないから!

 いや、爆発したらだめだろう。

 落ちつけ俺。

 順調に進んで三階層。

 ここはソロだった魔物がパーティーを組んでくるところ。

 それにはパーティーの連携が大切だ。


「やっ」

 弓で魔物を射止め、止めを双子兄がする。その間にタビーが盾で受け止めて弾き、二年のジェンティーレが剣で止めを刺す。

 その間俺は警戒して、他の魔物が寄ってないか索敵をする。

(大丈夫だよ。主)

 そう、ラヴァが!


 やっぱり俺が一番仕事してない気がするな。


お読みいただきありがとうございます。


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