表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
266/276

第260話 薬草採取

評価、ブクマありがとうございます!

 その年の雪はほどほどだった。

 俺は雪の精霊にほどほどの量で! と祈った甲斐があったのだと思う。

「ほどほどがルヴェール基準でなくてよかったよ」

 ジト目で見るタビーの視線を躱して頷く。

「でも、油断はできないぞ。俺も祈っておく」

「わ、わかった」

 冬の休暇が終わって課題は無事学院に提出した。

「新しいこと仕込まれてるのか? ヴァンデラー先生に」

「うん。魔道具を作る基礎の本を覚えて、実践はまだだけど、魔道具の材料は提供してもらって、ガラスと合わせたりした」

「さすがルオだな。いついかなる時もガラスが一番」

「え、さすがに試験前とか、課題とかは優先してるよ!」

「あ、甘いのはヴァンデラー先生か」

「え」

「ヴァンデラー先生はルオに甘いよな」

「いやいや。厳しいよ?」

「そうか? ルオの主観じゃないか?」

「僕がどう感じるかじゃないの?」

「んん? 客観的に見ると、甘いなって思うってことだよ」

「えー」

「ほら、研究室行こう。遅くなるぞ」

「はーい」


 研究室に行ったらみんなはもう来ていた。

「久しぶり。元気だったみたいだね」

 アリフが軽く手を挙げる。肩にいるチーが羽をばたばたさせた。

「アリフ、ルーン、ケンダル、マルコム久しぶり! 元気だったよ!」

 俺は元気よく挨拶をした。

「久しぶりです」

「久しぶりです。先輩」

「ルオ、タビー久しぶり」

「みんな、久しぶり」

 タビーも挨拶をしていつもの席に座る。

「なんだか、ルオがちゃんとした錬金術を習い始めたらしい」

 タビーがそう切り出す。

「タビーちゃんとした錬金術って何?」

「いや、ルオはポーション作ってるのしか見たことないし。ガラスは錬金術かどうかちょっとわからない」

「あ」

「ポーションもちゃんとした錬金術だぞ。ポーション瓶が作れたら錬金術師見習いくらいだな。両方とも需要がたくさんあるありがたい稼ぎ頭なんだぞ」

「ヴァンデラー先生」

 タビーが扉の方を振り返る。

「元気だったか。さっそくポーション作り、やるぞ」

「はい」

 みんなの声が揃った。


 そして最近のみんなの目は金貨のようにギラギラしている気がする。

 やっぱりお金だね。お金はあっても邪魔にならないしね。ないと困るしね。

 いっぱい作ろう。

「師匠、薬草足りてるかな」

「そうだな……雪が解けたらみんなで採取に行くか」

「採取ですか」

 ケンダルが目をキラキラさせた。

「北の森で薬草が採れるからな。まあ春にな」

 みんなが力強く「はい」と頷いた。


 そしていろいろな学院の行事と勉強を熟していくと、雪が雨に変わって、すっかりあったかくなった。

「春だ~!」

 花が咲き始めた庭園に蝶が来るようになって、実感した。

「薬草採取、いける?」

(薬草!)

 朝、師匠に詰め寄った。

「行けそうだな。実習扱いで近いうち行こう」

「実習扱い?」

「学院の単位が取れる課外授業のことだ。合同演習みたいなものだな」

 二度美味しい!?

「凄い、師匠!」

「その前にいい加減食べなさい。遅刻するぞ」

「はい!」


 そして、実習の日。

 午後に馬車止まりに集合し、師匠の家の馬車で、北の森に向かった。

「注意点を言うぞ。まず、俺の姿が見えるところで採取すること。一つの群生は三分の一までで採取をやめること。丁寧に作業して、周りにも気を配ること。魔物が襲ってくるからな」

「はい!」

 みんながやる気に満ちた返事をする。そうだよね。単位貰えるものね。


 俺は慣れてるのですぐに薬草をゲットしたけれど、ケンダルとマルコムは草を睨んでるし、アリフはルーンに訊いている。

 タビーはアームに指導されて的確に薬草を採取している。

 みんな採取に慣れてない。ここは俺が頑張らないと!

 そうして無心に薬草を採取していると肩を叩かれた。

「ルオ、休憩だ」

「はい」

(主、夢中になりすぎ)

(うん。反省)

 ラヴァに叱られつつ、切り株に腰を下ろして水を飲んだ。

 採取した薬草は師匠のチェックを受けて、師匠のマジックバッグに仕舞われる。

 その時師匠がメモをつけて仕舞っていたから多分、それが薬草採取の点数とかなんじゃないかな。


 休憩を挟んでまた採取。

 魔物はどうやら出てこないみたいだ。

 日が傾いて採取は終了。

「よし、馬車のところまで気をつけていくぞ」

 師匠が殿で俺とタビーが先頭で歩く。魔物の気配がしたけれど、弱い個体のようですぐ逃げて行った。

(ラヴァ、もしかして俺達魔物に近づきたくないって思われている?)

(うーん、精霊よりチーの気配の方が怖いと思われると思う)

(そうか、チーかあ)

 一応、霊鳥で強いんだものね。アリフの護衛代わりになっていいのかも。

 そして何事もなく馬車に乗り込んで学院に戻った。

次の投稿は明日になります。


書籍第二巻ドラゴンノベルス様から発売中です!

特典SSペーパー付の店舗様もありますので

公式ページまたは作者のX(@sakuyan_08)をご覧ください。

今月発売のgood!アフタヌーン8号に樺ユキ先生のコミカライズ最新話が掲載されます!

マガポケ、コミックDAYSにも公開されますのでよろしくお願いします!

なお、コミックス第三巻が8月6日に発売決定です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ