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第257話 勉強会二回目

評価、ブクマありがとうございます!

リアクションも嬉しいです!

 魔道具製作の基本編、読破5冊目! 冬の休暇中に読破したい。


 今日は二回目の勉強会。

 メンバーはなぜか、ケンダルだけだった。

 マルコムは別の用事で出かけていて、タビーはご家庭の用事、ルーンはアリファーンに呼び出されて王城に行ったそうだ。


「き、緊張します……」

 ケンダルはなぜか物凄く緊張していた。

「え、どうして?」

「緊張しますよ。偉大な賢者の屋敷で、教えてもらうなんて。前回は人数がいましたから、講義の延長という感じでしたけど、ルヴェール先輩と二人きりだし」

「そういうもの?」

 もう八年も一緒にいるしなあ。おにいちゃんみたいだし。

 凄い人だってわかってはいるんだけれど、師匠は師匠だしなあ。

 ……あれ? ケンダルって血縁関係だってわかってない?

 話の端々でなんか、結構他人行儀だなって思っていたけれど、違和感の正体はこれかな?

「ケンダルの叔父さんてどんな人?」

「え、叔父ですか?」

「うん。二人いるんだよね?」

 確か貴族名鑑で、見た記憶がある!

「え、一人ですよ。父の弟が一人」

 あ、やっぱり。絶縁したのは師匠の若い頃。メリーディエース伯爵家に師匠の名前はなかった。

 ヴァンデラー伯爵家の系譜に加わった師匠の名前があるのみだ。

「なんだ、ルオ、頭を抱えて」

 師匠が居間に入ってきた。

「師匠、叔父認定されてません」

「は?」

「叔父認定?」

 師匠とケンダルの呟きが重なる。

「仲直り、するはずだよね。もう、問題は先送りしない方がいいと思う」

 師匠の表情が少し強張ったが、息を吐いてケンダルの前に座る。

「あーなんだ。俺は、少々訳あって、メリーディエース伯爵家から籍を抜いたんだ。ケンダルの父親の末の弟にあたる」

「え?」

 ケンダルの目が点になる。

「絶縁したから、本来は名乗りはしないんだが、ちょっと絶縁を解いてもらおうと思っていて……だから、ケンダル、お前は俺の甥だ」

「え、先生が、叔父さん?」

 ケンダルが信じられないという表情で呟く。

「そうだな。叔父だ」

 ケンダルがひっくり返った。


「え、なぜだ? 回復魔法かけるか?」

「いや、精神的ショックだろうから、自然に待てばいいんじゃないかな?」

 師匠、血縁関係に対しては結構ポンコツだな。

「とりあえず、スピネル呼ぼう! スピネルー!」

(大丈夫?)

 肩からラヴァがケンダルの胸の上に乗って顔を覗き込んだ。

「ショック受けたみたいだ。すぐ目が覚めると思うけれど……」

「寮にはうちで預かるって手紙を出しておこう」

 師匠はその場で魔法の手紙を書いて飛ばした。

 スピネルと使用人たちで、ケンダルを客室に寝かせた。

 傍にラヴァがついていてくれるといってベッドに乗っていた。

(目が覚めたらお知らせする)

「ありがとう。ラヴァ」

 ケンダルはラヴァに任せて居間に戻る。

「師匠、ケンダルは師匠のこと何も聞かされてなかったみたい。叔父さんは一人だって言ってたし」

「そうだろうな。色々、あったからな」

「僕、その辺はあんまり事情聴く気はないけれど、ケンダルのためにもう少し何とかした方がいいと思う。ケンダルの家の領地は今も不作みたいだし。うちの余剰食糧、回した方がいいのかな?」

「うーん」

「相談、相談しに行こう」

「え、相談?」

 俺は師匠の腕を引っ張りながら、礼拝室に向かう。

「精霊王様に!」


 師匠の秘蔵の日本酒を供えて祈った。

(私、丹精込めたのよ! 王様!)

 カルヴァ渾身の作だった。

『ありがとう。嬉しいよ。ええと、その後、仲直りはできたのかな?』

「それが、精霊王様、全然」

 俺が言うと師匠が俯いた。

『困ったね。時間を置くと拗れる場合もあるし……いや、拗れているから絶縁したんだね』

「はい」

 頷く師匠は正座だ。

『不作の問題は愛し子を連れて行くと解消するかもしれないね。愛し子がいるところには私も目が届くし、不作の原因がわかるかもしれないね』

「そうなの?」

『愛し子が祈ってくれればいいよ。あの村で祈ったように』

「はい!」

「なるほど……」

 師匠がぼそりと呟いた。

『私も少し力を貸しましょう』

『豊穣の神……』

『素敵なガラスをいただいたから、その分少しお返しをね』

「あ、いいえ、その、ラントにはいつもお世話になっております……」

 ほんと、神業農業師のラントがいないとうちの領は立ち行かない可能性が大なんだ!

『うふふ、ありがとう』


(主! ケンダル起きた!)

「ええと、先生、ルヴェール先輩、すみませんでした……」

 え、ケンダル?

「お、起きたんだ。よかった!」

 精霊王様たちの声、聞こえてなかったかな?

「あの、姿が見えないのに、声が聞こえるんですけど、僕、おかしくなったんでしょうか」

 聞こえてた! え、なんで?

次の投稿は明日になります。


書籍第二巻ドラゴンノベルス様から発売中です!

特典SSペーパー付の店舗様もありますので

公式ページまたは作者のX(@sakuyan_08)をご覧ください。

今月発売のgood!アフタヌーン8号に樺ユキ先生のコミカライズ最新話が掲載されます!

マガポケ、コミックDAYSにも公開されますのでよろしくお願いします!

なお、コミックス第三巻が8月6日に発売決定です。

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