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第256話 勉強会

評価、ブクマありがとうございます!

リアクションも嬉しいです!

 模様入りのガラスは雪模様と名付けられて、ルヴェールのガラス工房で再現できるか研究してもらうことになった。

 一枚目のガラスは精霊王様に奉納した。

『ルオは素晴らしい物を作るね。芸工神がそこは私にじゃないか? と涙ぐんでいたよ』

 というので急遽四枚作り、一枚は芸工神様に、もう一枚は豊穣神様、そして仕方ないので魔法神に奉納した。なんとなく仲間外れにするのはと思っただけだけど。

『ありがとう』

 魔法神は加護をくれた。え、そういうつもりじゃなかったのに!


「この一枚はルヴェールに送っておく」

「王家に献上問題にはならないよね……」

 師匠は視線を逸らした。

「さ、さて、このガラスは窓ガラスによさそうだな」

「うん。それもいいね。でも、僕としてはランプシェードのつもりだったんだ。ほら、図書室にあったランプみたいに」

「ルオが興奮していたな」

「忘れて師匠」

「いやあ、ルオとの出会いは衝撃だったからな。一生忘れないと思うぞ」

「ええ」

 俺も忘れられないけど! 不審者だったし。

「ランプシェードにするなら、ランプの基幹部分の製造もしてみるか?」

「え、できるの?」

「魔道具の製造も錬金術師の分野だ。マジックバッグも結界を張る道具も魔道具だぞ」

「やる!! やりたい!」

「じゃあ、とりあえず、この本を読んでからだな」

 ドン! と置かれた分厚い本。

 え、十冊以上あるんだけど。

「それが基礎編だ。読み終わったら、実際に作りながら応用を覚えてもらう予定だ。覚えたら言ってくれ」

「は、はい!」

 唸れ俺の記憶術!


 そんなこんなで、勉強会の日を迎えた。

 迎えの馬車が玄関に着いたので、俺と師匠が出迎えた。

「お、お邪魔します。ヴァンデラー先生」

「お邪魔します」

 まずケンダルが挨拶をして、次にマルコム。そしてタビーとルーンが挨拶をして中に入る。

 いつも勉強会に使っている居間にみんなを案内した。


(主、今日はみんなでお勉強三昧?)

 ラヴァが話かけてきた。

(僕、みんなとお庭に行っていいかな)

(みんな? ああ、アームとユーグか)

(そう!)

(いいよ。行っておいで)

 俺とタビー、そしてルーンは見送ると顔を見合わせて笑った。

(私も行くわ!)

 カルヴァが慌てて、師匠の肩から飛び上がってみんなを追いかけて庭に向かっていった。

 師匠が笑って見送った。

 ケンダルとマルコムは持ってきた鞄をテーブルに下ろしていたので、気付かなかったみたい。

 まあ、見えないんだけれど。

 みんなが課題をテーブルに出して、それを見ながら師匠がそれぞれの苦手とするところを訊く。

 しばらくはペンの音だけが響いた。


 お昼の時間が来て、スピネルが食堂に用意が出来ていると呼びに来た。

 みんなでワイワイと話しながら食堂に向かった。

「みなさんが持っているペン、凄く綺麗ですね」

 みんな、ガラスペンを使っていた。俺も羽ペンは学院でしか使ってない。

「ルオに誕生日プレゼントで貰ったんだ」

「わ、私もです」

 タビーとルーンは師匠の顔を見ながらそう言う。

「俺もルオに貰ったんだ。ルオはものづくりが得意だからな。錬金術の修行の一つだ」

 師匠がそう言うとケンダルとマルコムの尊敬の視線が俺に向かってくる。

 師匠!

「うん。ガラス作りは僕の錬金術の修行だから……」

「そうなんですね。凄いです」

「本当にすごいです」

 ケンダルとマルコムは疑いなく頷いた。タビーとルーンがもの言いたげに見てるよ。

「あー、このことは錬金術の秘匿事項にあたるものだから、研究室の誓約に属することなので口外は禁止だ」

「はい!」

 ケンダルとマルコムは素直に頷いていた。

 いい子だなあ。


 お昼は魚料理だった。

「俺の領地の海で獲れた魚だ。遠慮なく食べていいぞ」

 カリッと皮が焼けた切り身のグリルはふわっとした身が蕩けそうでめちゃくちゃ美味しかった。料理長はますます腕をあげているみたい。

 みんな無言で平らげた。

「凄く美味しかったです。海の魚を食べたのは初めてです」

「僕もです。川魚はもっと癖があるので」

「ほんとにヴァンデラー先生の料理人は凄腕だなあ」

「はい、物凄く腕がいいと思います」

 ケンダル、マルコム、タビー、ルーンが褒めちぎる。

「伝えておこう。料理長が喜ぶだろう」

 師匠が頷いた。

 満腹で眠くなるかと思われた午後の勉強会だが、師匠が張りきって教えてくれたので、眠気を感じることはなかった。

 帰る頃、雪がちらついたけれど、すぐ止みそうだったので、馬車に乗ってみんな帰っていった。



次の投稿は明日になります。


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