表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
252/259

第246話 休みだったらよかった!

評価、ブクマありがとうございます!

 屋敷に帰ってきてお風呂に入った後、すぐに眠ってしまった。

 思ったより疲れていたようで、目が覚めたら翌朝だった。


「おはようございます」

「おはよう。よく眠れたか?」

「はい」

 朝食を食べに食堂に来た。すでに師匠が座っていてスピネルに給仕を受けていた。

 師匠の顔色は悪くもなく良くもなくという感じだった。

 そこそこ眠れたのだろうか。

 祝福の水を飲んでいるはずだから、回復はしていると思うけど。

 夕食を食べずに寝ていたせいでお腹が空いている。席に着くとラヴァがちんまりとテーブルの上に乗っていた。いつの間に肩から下りたの?

 最近ラヴァは一緒に食事を取りたがるようになった。

 小さな皿に、俺と同じメニューを少しずつ載せてくれて、それを出してくれている。


「師匠、助けに来てくれてありがとう」

「いや、当然のことをしたまでだ」

「ううん。それでもだよ。思ったより早く出られたし」

「そこは精霊のお導きだな」

「うん。感謝をしなくちゃね。お願いがあるんだけれど、いいかな?」

「なんだ?」

「お祈りする祭壇が欲しいかな。芸工神様と、精霊王様、……魔法神?」

「泉に簡易な祭壇を作っただろう? それを使えば……」

「ううん。そこそこちゃんとしたのじゃないとダメなんだ! それにあの祭壇は水の精霊さんのだもの」

「水の精霊に捧げものをするためだったな。でも、急にどうした?」

「加護をくれた神様にお礼のお祈りが必要だって思ったの。でも、王都には光神教の教会しかないんでしょ?」

「ああ、そうだった。他の神様に祈るなら光神教の教会は使えないしな。あの教会は光神様しか祀らない一神教だからな」

「え、でも加護に他の神様の名前とか、出るの知ってるんでしょう?」

「属神とかしもべ扱いかもしれないな」

「うわ~やっぱり精霊王様と芸工神様を信仰する!」

「そうだな。実際、色々していただいてるからな。わかった。一階の空いた部屋に作ってもらうことにしよう」

 師匠が魔道具の手紙を出すとサラサラッと何かを書いて飛ばした。

「とりあえず早く食べなさい。遅刻するぞ」

「はい!」

 マナーに気をつけつつ食事を終えて、慌てて支度をして馬車に飛び乗った。師匠は少し後に出るとのこと。

「結構ハードな合同演習だったんだから、一日休みにしてくれたっていいと思います!」

(おやすみ?)

「そう、お休み」

 俺はラヴァに馬車の中で愚痴った。


「おはよう、ルオ、ちゃんと来たな! 最後の方、青い顔してたから心配したぞ」

 教室に入るとタビーが元気よく迎えてくれた。

「おはよう。タビー。昨日はぐったりしてたけど、よく寝たからね。ほんと、合同演習の次の日がお休みじゃないのが不思議だよ!」

「それなあ。俺も思う」

(おはよう)

 ラヴァもタビーに右の前足を上げて挨拶した。

「ラヴァもおはよう」

 ラヴァは挨拶すると俺の肩から机に乗り、そのまま丸まった。

「あれ? 眠いのかな?」

「眠いのかも?」

 今日は合同演習の反省会。組ごとでレポートを出せということだった。

 採点が間に合ってないとか、そういうのじゃないよね?


「やあ、みんな。昨日ぶり」

 指定された場所に行くと、コスティとヤニスがいた。コスティが微笑んで手を振っていた。

「コスティ先輩、ヤニス先輩、昨日はお疲れ様でした」

「お疲れ様でした!」

 俺とタビーは元気よく挨拶をする。

「あ、ルオ、ちょっとだけ話があるんだ。いい?」

 コスティが手招きするので、少しだけ離れたところで、立ち話をすることになった。

「その後体調は大丈夫かい? ケンダルが来たらケンダルの様子も聞くけど……」

「疲れたくらいで、特に異常はありません」

「それならよかったよ。……話そう、話そうって思ってたんだけど、タイミングがなくて。まあ、ちょっと外聞のいい話じゃないから迷ったんだけど」

「なんでしょう?」


「南の貴族家は辺境伯を寄親にしてまとまっているんだけれど、その中でケンダルの実家は中堅どころなんだ。今はケンダルの両親が伯爵位を継いで、領主になっている。そのケンダルの家はヴァンデラー先生の元の家で、色々あったらしいんだ。親世代なら詳しいことを知ってるらしいんだけど、僕らはね」

 あ、これ、師匠のお家事情の話だ。

「いまだに禍根があるらしいんだ。特に今は不作が続いていて、南の貴族家はどこも苦しくて、西の侯爵家から支援してもらってるし」

「え、不作は解消したって聞きました」

「西はそうらしいね。東の直轄領も立ち直りつつあるとか聞いたけれど、南は主産業の葡萄やオリーブが立ち枯れたり、麦の収穫量が激減したりしてる。それもあって、支援してくれないから、向こうは恨みを持っているんだとか噂を聞く」

「支援してくれないから? もしかしてヴァンデラー先生の実家に先生が?」

 コスティが頷く。

 絶縁している家に支援する? 普通はないよね?

 師匠は実家のこと何も言わないし、ルヴェールのことや俺や錬金術のことで忙しいし、恨み言言っている暇ないと思うんだけど。


「先代が亡くなった時も色々言っていたらしいんだ。でも、ケンダルは何も知らないらしい。ヴァンデラー先生と血の繋がりがあることも。憧れだって言ってたしね」

 その辺魔法神が絡んでそうだなあ。うーん。

「ケンダルは血縁者って知ったらアワアワしそうです」

「確かにね。ちょっとした老婆心だから、忘れてくれてもいいよ」

「はい。ありがとうございます」

 そこで話は終わって、席に戻るとケンダルとマルコムがちょうど来たところだった。


次の投稿は18時になります。


書籍第二巻ドラゴンノベルス様から発売中です!

特典SSペーパー付の店舗様もありますので

公式ページまたは作者のX(@sakuyan_08)をご覧ください。

今月発売のgood!アフタヌーン8号に樺ユキ先生のコミカライズ最新話が掲載されます!

マガポケ、コミックDAYSにも公開されますのでよろしくお願いします!

なお、コミックス第三巻が8月6日に発売決定です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ