表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
251/261

第245話 助け

評価、ブクマありがとうございます!

 ドンと大きな音と振動があった。


「あ、なに!?」

(主、助けだよ!)

 目が覚めたというか、起こされたというか。

 今までいた神域は夢だったのかと思うほどに、状況はまだダンジョンに閉じ込められたままだった。

 ふと横を見ると、ケンダルは目を覚ましてはいなかった。

 しかし、眉間に皺が出来ているから、もう目覚めるだろう。

「助けって……」

(カルヴァが師匠と一緒にいる!)

『愛し子ぉ! 魔法神の愛し子が結界壊すからぁ結界で身を護れって言ってるよぉ』

「え、け、結界!」

 慌てて風の結界を張る。その瞬間、目の前をダンジョンの壁の大きなかけらがすごい勢いで飛んでいった。

 当たったら死ぬ!

「無事か!?」

 危なかったけどね!

「師匠!!」

 ダンジョンの壁に大きな穴が開いていた。

 そこから師匠の顔が見え、助かったのだと確信した。

「ルオ、ケンダルも……無事のようだな」

 師匠は中に入ってきて俺たちを見た。そしてケンダルはやっと目を開けた。

「……え、ヴァンデラー先生?」

「ケンダル、助けに来てくれたんだよ!」

 そう言うと、ケンダルは目の前にいる師匠とその背後の大きな穴を交互に見て驚いた顔をしつつ目を潤ませた。

「あ、ありがとうございます……」

 そして俺とケンダルは無事ダンジョンを出ることができた。


「ルオ!」

「ケンダル!」

 ダンジョンの入口に他の6組のメンバーが待っていた。

「二人が穴に落ちた後すぐに穴が塞がってしまって。そうしたら採点の講師が助けを呼ぶべきだって色々手配してくれたんだ」

 コスティが視線を向けた先にいたのは俺たちから距離を取って付いてきてた人だった。

 こういった不測の事態の対応も含まれていたのかな。

「師……ヴァンデラー先生は他の組の採点だったんでしょう?」

 俺は師匠に聞いた。

「そうだったんだが……戦力的に俺が対処するしかなくてな」

 師匠の肩にいるカルヴァが俺のほうまで飛んできた。

(ダンジョンの精霊に助けを求められたの。ルオが罠にはまって行方不明になったからって冒険者が伝えに来たのはその後だったわ。それでチームリーダーのアリファーンがダンジョンを出る判断をして、冒険者を護衛にアリファーンたちが出口に向かうのを見てから主が助けに向かったの)

(そうだったんだ。心配かけちゃったかな)

(主、とっても心配してたわ。今は顔に出てないけどね)

「冒険者を入れてもう一度ダンジョンの様子を見てから学院生は、中に入ることになるな。それまで野営で、採点は行うことになった。ルオとケンダルは医者に診察をしてもらってから参加することになる」

 二人で学院のテントまで行き、診察を受けた。他のメンバーは先に拠点に戻った。

 俺もケンダルも、大きな怪我はしてないということで、演習に復帰した。


「よかったよかった。ほんとにびっくりしたんだぞ」

 ヤニスがほっとした顔で迎えてくれた。

 もう、二日目の朝だった。

 俺とケンダルは一晩、あの閉じ込められた空間で過ごしたことになる。

「心配をおかけしました」

 俺は頭を下げた。

「助けを呼んでいただき、ありがとうございました」

 ケンダルも頭を下げた。

「ダンジョンは何が起こるか、わからないからな! お互い様だ」

 タビーは頼もしい。

「無事でよかった」

「心配かけてごめん」

 マルコムがほっとした顔でケンダルに言った。ケンダルもほっとした様子でマルコムと話していた。

「さて、今日はダンジョンの罠確認を冒険者がしてからダンジョン攻略は再開すると通達が来ている。それまでは付近の探索、野営での食事だ。朝食はまだだから、一緒に食べよう。まあ、携帯食だけどな」

 コスティの言葉にやっと俺は無事戻れたんだと実感した。

 それから和やかに朝食をとり、森での探索も行った。薬草があるかとか、魔物に出会ったかなど、気をつけるべきことなどをメモしていく。


 そしてお昼頃、ダンジョン探索再開の通達が来て、ダンジョンに向かった。

 その探索は特に異常はなく、無事に夕方ダンジョンから出た。

 夜の野営の見張りも無事乗り越え、3日目、最後のダンジョン探索に向かうため、拠点を引き払う。

「よし、後始末は終えたな」

「テントが重い!」

「ダンジョンの泊り探索と思えばいい」

「泊りか~」

 ダンジョンは広いところだと、第三層でも日帰りはできなくなってしまう。

 だから冒険者は信頼のできる仲間とパーティーを組んで、交代で見張りをしながら休憩をとって深い階層に潜る。

「来年はダンジョンの泊りで潜らないといけないかもしれないよ」

 コスティがにっこり笑って言う。

 フラグかな?

 俺たち6組は無事ダンジョンの探索を終え、学院の受付に終了の報告と収穫物の提出をした。


「あ、あの馬車だよ」

 スピネルが立っているのが見えた。

「ご無事で何よりです」

 スピネルが開けてくれた馬車に全員で乗り込むとみんな力が抜けたように座席に座った。

「ともかく、演習は無事終わった。明日また、学院で」

「はい!」

 コスティの言葉に全員で答えると俺も含めてみんな疲れていたのか眠ってしまった。

 学院でみんなを降ろすとタビーは迎えの馬車に乗り、寮生のコスティたちは寮へ戻っていった。

 一人になった俺はラヴァを抱きしめる。

「演習の間、色々ありがとう、ラヴァ」

(どういたしまして!)


次の投稿は明日になります。


書籍第二巻ドラゴンノベルス様から発売中です!

特典SSペーパー付の店舗様もありますので

公式ページまたは作者のX(@sakuyan_08)をご覧ください。

今月発売のgood!アフタヌーン8号に樺ユキ先生のコミカライズ最新話が掲載されます!

マガポケ、コミックDAYSにも公開されますのでよろしくお願いします!

なお、コミックス第三巻が8月6日に発売決定です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ