第233話 合同演習の顔合わせ
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そして、9月25日、合同演習のチーム顔合わせの日が来た。
俺とタビーの番号は去年と同じ6番。
「あ、あそこだ。行こうぜ」
「うん」
とりあえず、横三人ずつ合計六人の席の真ん中に二人で向かい合わせに座った。
「俺たち真ん中の学年だからな」
「そうだね」
周りの席もだんだん埋まってくる。
1番にルーンとアリファーンが座ったのが見た。
今回もペアを組んでるんだな。
「久しぶりだね」
「よかった。君たちと一緒で」
声をかけてきたのは去年、合同演習で一緒だった先輩たち。
ヤニス・クリストスとコスティ・マトセオスだ。
「ヤニス先輩、コスティ先輩!」
タビーが立ち上がって挨拶した。
「お久しぶりです!」
俺も立ち上がって挨拶した。
「うん。座って大丈夫だから」
そう穏やかに笑って話すコスティが俺の隣、ヤニスがタビーの隣に座った。
「あとは一年か」
ヤニスが周りを見る。
近付いてくる二人組はダークブロンドで緑の目で俺くらいの背の少年と、こげ茶色の髪に茶色の目の俺より少し背が高いくらいの少年だ。
「あ、あの子たち……」
コスティが呟いた。
「コスティ先輩、知っているんですか?」
「んー、またあとでね」
6番と書かれた紙を持ったダークブロンドと茶色の髪の二人がテーブルに着いた。
「すみません、一年で、Bクラスのケンダル・メリーディエースです」
「同じく一年でBクラスのマルコム・マルティネーズです」
「よろしく三年Bクラスのコスティ・マトセオスだ」
「同じく三年Bクラスのヤニス・クリストス」
「二年Bクラスのフルオライト・ルヴェールです。この子は従魔のラヴァ」
(よろしくね!)
ラヴァはピッといつも通り前足をあげた。緊張していた一年生二人の表情が緩む。
「同じく二年Bクラスのテイバート・トレメイン」
「自己紹介が済んだところでリーダー決めだな」
「コスティでいいと思う」
ヤニスがコスティに向かって言う。
俺とタビーも頷いた。一年の二人も頷く。
「わかった。リーダーをやらせてもらうよ。みんなよろしく」
「はい!」
みんなが返事をした。去年はギードがこのリーダー役をやっていた。俺も、もしかしたら来年はリーダーをしたりすることがあるかもしれないな。
「まずは今回の演習はダンジョン探索だ。前回までの合同演習とは危険度が違う」
コスティは要項が書かれた紙をみんなに見せて説明する。
「ダンジョンは浅い層でも命の危険がある。連携の練習を準備期間で行い、万全の態勢で臨みたい」
みんなが頷いた。
「では、隊列を考えよう。ヤニスは前衛向きだからヤニスが一列目。テイバート君も一列目かな。僕は最後尾で指示出しをする。ルオ君は魔法メインだから中衛か最後尾だな。一年の二人の得意なものを教えてくれるか?」
「僕は剣です」
ケンダルは剣士か。 前衛3人ということになるのかな?
「僕は弓です」
マルコムは弓ということは中衛向き?
「では、マルコムが中衛で、ケンダルは……」
コスティが少し悩む様子にケンダルが手を挙げる。
「僕も中衛でお願いしたいんですが……」
「わかった。ではルオ君は僕と一緒に最後尾だね」
「はい」
俺は頷いた。
「あと、スケジュールだね。準備期間は初日は戦略の打ち合わせ、その後は実技訓練場で連携の訓練をする。いいかい?」
みんなが頷く。
「連絡は僕か、ヤニスが行うよ。これからよろしくね」
「よろしくお願いします」
コスティ以外のみんなが声を揃えた。その後、コスティからいろいろと注意事項を教えられ、その日はそれで解散した。
「一年は南のメリーディエース伯爵家とマルティネーズ子爵家だな」
「そうだね。確か年鑑で見た気がする。ワインと、オリーブオイルの生産地で有名な領だったかな」
たまにこぼれそうになる貴族年鑑。
「先輩たちも南だから、知った顔なのかもね」
「そうかもな。上手く連携出来ればいいと思うな」
「うん」
そんなことを話しながら俺たちは帰路についた。
師匠は食事の時はいなかったので、講師の仕事が長引いたのかもなと思いつつ、食後の紅茶を居間で飲んでいたらその師匠が顔を出した。
「ルオ、今いいか?」
「うん。師匠は食事は?」
「これから食べる」
「え、早く食べたほうが……」
「いや……先に話しておいた方がいいと思ってな」
なんか、師匠もじもじしてるな。歯切れが悪いし、視線が泳いでいる。
「何か、あった?」
「何かあったというか……その、合同演習のルオのチームの一年生なんだが……」
そこでコホンと師匠が咳払いした。
「ケンダル・メリーディエースは俺の甥だ。一番上の兄の子供で、三男だったか」
「え?」
甥?
「メリーディエース伯爵家は俺の実家なんだ。絶縁しているから聞かれることはないかもしれないが、念のため知っておいた方がいいと思ってな」
師匠の甥?
「じゃあ、食事してくる。夜更かしはするなよ」
パタンと扉が閉まる音で我に返った。
え、えええ?
師匠、兄弟いたんだ! 絶縁て、どうして? 貴族年鑑のメリーディエース伯爵家に師匠の名前はなかったよ?
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