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第223話 アリファーンのお茶会

評価、ブクマありがとうございます!

 藍のインクで書かれた招待状はアリファーンが直筆で書いたものだった。

 すぐ使ってくれて嬉しいな。

 不具合があればすぐ直すからね。アリファーン!

 でもイオと一緒にってどういうことかな?

 招待日は三日後。

 それからさらに三日後は学院の新学期が始まる。

 すぐに会えるのにお茶会だなんて、チーがうるさいとかそんなところなんだろうか。そういえば謁見の時は肩にいなかったな。

 ラヴァは俺の肩にいたのに。

 ……チーはきっと黙ってる限界時間があるんだ。だから連れてこれなかったんだと思う。お茶会には連れてくるかな?


 そしてお茶会当日。

 付き添いはウォルトとスピネル。

 二人とも凄腕だから護衛は二人で充分。

 どっちにしろ、お城の中で武器の携帯はできないしね。

「兄様、なんで僕も一緒なの?」

「うーん、僕もわからないけど、アリファーンがイオに会いたいんじゃない?」

「お城に行くのにどうしてアリファーンなの? 学院にいるんじゃないの?」

「アリファーンは実は第二王子殿下なんだ」

「えっ」

 イオはウォルトとスピネルを見た。

「私は存じておりましたよ」

「俺……じゃない。私は知りませんでしたよ。王都に着くまでは」

「みんな知ってたんなら教えて欲しかった!」

 イオはちょっと青ざめていた。

「僕、失礼な事してなかった?」

「してなかったよね?」

 ウォルトは頷いた。

「多分。鍛錬の時、私、失礼な事してませんでした?」

 ウォルトが心配そうに俺を見る。

「大丈夫だよ。多分」

「そこは断言して欲しいですよ!」

「大丈夫、指導に必要なことだってわかってると思う」

「それなら安心ですかねえ」

 ウォルトはちょっと遠い目をした。


「こちらでございます」

 案内人が庭園の四阿を示す。

 そこにはアリファーンと第一王女殿下がいた。

 え、聞いてないんだけど!

 イオと俺は四阿に入って椅子に座った。俺がアリファーンの前、イオが第一王女殿下の前だ。

 イオが口をあんぐりと開けている。

「アイオライト君には初めましてと言おうか。アリファーン・オーア、第二王子だ」

「あ、アイオライト・ルヴェールです。ご招待ありがとうございます!」

「ふふ、どういたしまして。妹の紹介をさせてくれないか? ルオも、個人的には初対面だろう? 私の妹のロスリン・オーアだ」

「初めまして、ロスリン・オーア、第一王女ですわ」

 両脇の髪を少し後ろに流して花の髪飾りで留めている。それも青い花でバラだった。今日も水色のデイドレスで、白いレースのリボンが可愛い。

「初めまして、フルオライト・ルヴェールです。アリファーン殿下とは学院でヴァンデラー先生の研究室でご一緒させていただいてます」

「兄は学院ではどんな感じなのです?」

「アリファーン殿下は……」

 当たり障りのない学院の話と、ルヴェールでどう過ごしたかとか、そういう話をした。


 紅茶はバラの香りのフレーバーティーで、飲んだことのない紅茶だったけれど、物凄く美味しかった。

 お菓子はバタークッキーに、マドレーヌ。

 エリックの作るお菓子よりも砂糖がいっぱい使われていて甘い。

 でも、紅茶が後味をさっぱりさせてくれて、甘さが残らない。これ、きっと考えられてるんだろうなあ。

「ルオ、ガラスペンありがとう。早速使わせていただいてるよ。凄く書きやすくて重宝している。何よりインクの持ちがいい」

「よかった! ペン先が欠けたりしたら直せるからいつでも言ってね」

「あら? ハンスという方が作ったのではございませんの?」

「ハンスが作ったのは国王陛下と王妃殿下と、第一王子殿下の分です。アリファーン殿下と第一王女殿下の分は、僕が作成させていただきました」

「まあ! すごく可愛らしいペンだったので驚いていたのです。父様たちの分とずいぶん趣が違うので」

「僕が作ったら学院で勉強する暇がなくなっちゃうからハンスが頑張ってくれました」

「ルオは勉強と錬金術の修行で大変だからね」

「僕はガラスの方で忙しいって言ってみたい」


「兄様はガラス一筋ですからね」

「まあ、一筋なんですの?」

「はい。僕は剣の方が好きなんですが、兄様はガラスが大好きで、あと石拾いも好きだって聞いてます」

 石拾い。ダンジョンの精霊を思い出す。もしかして石拾いしてたの、全精霊に知れ渡ってるんじゃ?

「石拾い……」

 じとっとアリファーンが俺を見る。石コロコロ見てたからか。

「ガラスの材料がないか調べてたんだよ」

 小さくアリファーンに伝える。そこはちゃんと理由を言わないとね!

「アイオライト様は剣がお好きですの?」

 おっとお若い二人が会話している!

「はい。剣関係の天職がもらえたら嬉しいと思ってます」

「アイオライト様はまだ祝福の儀を終えてませんの?」

「はい、来年の三月です」

「私も来年の八月です。では、学院も同じ学年になりますね」

「そうですね」

 クラスは違うだろうけどなあ。


 それから楽しくお茶会を過ごし、そろそろ終わりの時間という頃。

「中央広場で暴漢からお救いいただきありがとうございました」

「いえ、救ったのはあそこにいるウォルトです」

「彼にはお礼をしなくてはね」

 アリファーンが頷いた。

「それでも妹を救ってくれたのはルオとイオ君がいたからだ。ありがとう」

「う、うん」

 俺は避けちゃったし、実質的に庇ったのはイオなんだよな。

「いいえ、女の子を護るのは男の務めって父から教わってますから当然です!」

 イオ! 俺はそんなこと聞いた記憶がないよ!

 あ、第一王女殿下が赤くなっている!

「ともかくありがとう。ルオ、また学院で。イオ君もまた」

「はい。今日はありがとうございました」

「今日はありがとうございました」


 四阿を出て入口に控えていたスピネルとウォルトと合流する。

「ウォルト、第一王女殿下が暴漢から救ってくれてありがとうって言ってたよ」

「うわ、あの子は第一王女殿下だったんですね!」

 ウォルトは英雄になったのだった。




次の投稿は明日になります。


昨日ドラゴンノベルスから第二巻発売!

LINO先生の挿絵が素晴らしいです!

ぜひともお手元にお迎えください!!

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