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第219話 王都へ着いた

評価、ブクマありがとうございます!

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 バタバタと慌ただしく支度をして王都へ出発した。

 行きと同じ師匠の馬車だ。

 違うのはチーが実体でいること。

 チーはアリファーンにメロメロだから肩に止まってハートの目になっている。躾けはし終わったのか、大人しい。

 家族とネリアが乗っている馬車も魔馬が牽いているから行きと同じくらいの日数で王都に向かう。

 ギードとカリーヌはローワンと一緒にお留守番。ウォルトは護衛で馬車を護っている。

 護衛は他に領軍から騎士を五人連れてきている。

 チャロとハンスはエリックと一緒の馬車で騎士が交代で乗り込む。献上品はハンスの乗る馬車に載せているからだ。

 今回も師匠の屋敷に家族は滞在することになっている。

 滞在費とか、ちゃんと取ってるよね?

 夏真っ盛りの街道を王都に向かって馬車はひた走る。

 そして途中問題もなく、王都に着いた。

 師匠の屋敷に到着すると、タビー、ルーン、アリファーンに迎えの馬車が来ていて、それぞれの自宅へと帰っていった。


 他は自分の部屋にいったん戻って、休養することになった。

 もちろん俺も。


(主、疲れた?)

「うん。ずっと座りっぱなしは堪えるね」

(元気出す)

「ちょっと寝ようかな? そうしたら復活するかも」

 俺はお風呂に入って、旅の埃を落として仮眠することにした。

(主、起きたら遊ぼう!)

「そうだね。最近遊んでないね」

(楽しみ!)

 ラヴァは上掛けの上を飛び跳ねて俺の枕元に蹲った。

 頭を寄せ合うようにして俺たちは眠りについた。


「暑い!」

 汗が気持ち悪くて起きた。

 王都は暑かった。

 ルヴェールからは離れているので、早めに戻ってきたけど、涼しいルヴェールに戻りたい。

(暑い? とりあえず、くっつく?)

 ひんやりしたラヴァがすり寄ってきた。

 涼しい。

 ラヴァは火の精霊なんだけど、炎の温度を上げ下げすることで、体温や熱を下げることも可能になったみたい。

 気合いで頑張ったと言ってはいたけど。


 そうしてラヴァと戯れているとノックが聞こえた。

「はい! どうぞ」

 スピネルが扉を開けて、ベッドにいる俺を見た。

「ルオ様、夕食はいかがなされますか? もしお疲れでしたらこのままお休みになりますか?」

「食べる」

「では食堂へいらしてください」

「はい!」

 俺はベッドを降りた。


 着替えて食堂に行くと父と母とイオもいた。

 師匠が疲れた顔をしていた。もしかして書類仕事をこなしたのかもしれない。

 夕食はちょっと豪華で、美味しかった。エリックの皿の盛り付け方だったので、早速仕事をしていたんだなと思った。

 俺も課題くらいやるべきだったかもしれない。

「兄様、明日、王都案内してもらえる?」

「父様が許可くれたらね?」

「うん! お願いする」

 コホンと父が咳払いをした。聞こえてた!

 と言っても、学院に往復する毎日でそういえば王都に観光にいった記憶は皆無だった。

 あれ?

 イオと一緒に回った時と師匠に連れられてギルド回った時しかないんじゃない?

 思わずスピネルと師匠を見た。

 二人は頷いた!

 よかった。わかってくれた!


「ルオ、イオ。私とオリビンはしばらく忙しくなる。社交の季節だから社交をしなければならないのだ。遠いことで断っていたんだが、今回は献上するために王都に来てしまったからな。最低限にするが夜いないことが多くなる。ヴァンデラー卿や、スピネルの言葉をよく聞くように」

 父が食事の途中、そう言った。

 社交かあ。いずれは俺とイオも社交界デビューをして貴族たちと面識を持たないといけないのかもね。

「はい!」

「はい」

 俺とイオは元気よく返事をした。


 そして無事イオは父から明日の外出をもぎ取り、スピネルを連れて王都見物が決定したのだった。

 俺は王都に一人で出歩いたことはないのでお兄ちゃんとして威厳が保たれるのかちょっと不安。

 学院の登下校も馬車で往復だしね。


「ルオ、ちょっと」

 夕食の後、師匠が俺を呼び止めた。

「献上品を納める日、ルオとハンスにも登城してもらうことになった」

「え?」

「作成者だし、ルオも場慣れする必要がある」

 思わず俺は顰め面になった。

「後ろで跪ていればいいから」

「本当?」

「多分」

 師匠、そこは言い切って!


 献上のため、登城する日はまだ先で、今、問い合わせてる最中とか。

 そのことはいったん忘れて、イオとの王都観光を楽しみに寝よう!

(主、楽しみ?)

「うん。楽しみ。おやすみ」

(おやすみなさいなの!)

 そして俺は二度目の眠りについた。


次の投稿は明日になります。


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