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第218話 献上品の完成

評価、ブクマありがとうございます!

おかげでランクインしました!

 まずガラスを作るところから始めた。

 ハンスはレース模様のガラスを作らないと話にならない。

 そこはラヴァがいい感じに頑張ってくれた。

「ガラスというのは興味が尽きない素材だと、最近思います。同じ材料で作っても同じ色にならない時がある。同じデザインで作っても、全く同じものはできない。本当にやりがいがあります」

 ハンスの目が燃えている。

 初めて会った時は流されるままに職人になった感じだったのにいつの間にか、いいものを、いい作品をと前のめりに頑張る職人になっていた。

 嬉しい。

 そういう職人が増えればその作品を見て憧れる人も出る。

 プリュムもどうやらハンスのサポートをしているみたいだ。どんなことをしているのかはまだよくわからないけれど、ハンスが作りたいガラスのイメージが再現できるようにしているんじゃないだろうか?

 ラヴァがバーナーの代わりをしてくれた時のように。


「僕も、いろんな作品を作りたいって思うよ。早く成人してもっとガラス作りに時間を割きたい」

 ぐっと拳を握るとハンスが俺をじっと見ていた。

「ルオ様の作品はとても素晴らしくて刺激を受けます。もっとたくさん見たいので、頑張っていただけたら嬉しいです」

 ハンスに褒められた! 

「ハンスのそのレースみたいな柄は凄いよ!」

「そうですか? ありがとうございます。ヴァンデラー卿はすぐ書類を書けって言ってくるんですが何故なんでしょうね?」

「えーあー……商売の基本をよく知っているからじゃないかな?」

「そうなんですね。私は数字は苦手で弟子の一人がそういったのが得意らしいので、任せてしまっています。もちろん最終的には私が確認しますけれど、なかなか利益の計算が難しいです。ガラス工房はご領主様の肝入りなので、ローワン様から色々アドバイスも受けていますが……もっと勉強しておけばよかったと思います」

 ハンスが苦笑した。経理が苦手なんだね。


 師匠は特別利益にうるさい。

 貴族だからというよりもなんだか、ポリシーというか、行動原理に近いかもしれない。

「得手不得手とかあるからね。師匠が特別なんだと思う。ハンスはガラス作りに専念しなきゃ! それ以外はうちの父を頼ればいいよ。鏡で儲かってるはずだし」

「いいんでしょうか」

「いいんだよ! ハンスは頑張ってるんだから!」

 献上案件=依頼殺到=ハンスがますます忙しくなる。

 あれ? 俺は売る用のガラスペンは作るんだろうか?

 特許書類は書かされた気がするけど、勉強優先のはず。


 そんな話を挟みながらガラスペンの下地であるガラス棒を作っていく。

 それができたらペン先だ。

 俺の担当の第一王女殿下はイオと同じ年齢ということなのでちょっと小さめに作ろうと思う。

 女の子だから可愛いのにしてあげたい。

 ピンクを基調にきらきらした感じがいい。

 ペンの頭につける球体はフューミングで花を閉じ込めよう。

 本体はすべすべした感じで、短め。

 うん。軸の中に蕾の花を入れよう。先端は開いている花。

 軸はクリアガラスでフューミングだ。

「ラヴァ、お願い!」

(主、僕頑張る!)

 夢中になっていると目の前にプリュムがいた。

(綺麗だね。祝福を……)

 プリュムが出来上がったガラスペンにきらきらした光を降らせる。

 あのガラスペンの祝福はこれだったのか。

(主! 僕も祝福……)

「ラヴァは炎で頑張ってくれたから大丈夫だよ」

 多分、ラヴァの精霊の力もこのペンに宿っているはず。

(そう?)

「うん」

 そっと、徐冷庫に置いて冷めるのを待つ。


「出来ました」

 ハンスが額の汗を手で拭いながらそうっと出来上がったガラスペンを置く。

(主、凄く綺麗!)

 くるくる回るプリュムが祝福の光を撒き散らした。

 レースガラスが軸に巻かれた、すらっとした一本。レースの色は黄色。クリアガラスの上に浮かぶその模様の周りに金の粉がちりばめられている。

「金髪に琥珀の目だそうなので、国王陛下と同じように髪をイメージし、黄色のレースグラスにしました。金箔を散らしたのは光に輝く金髪を表現してみました」

「凄いよ! みんなが見て驚くと思う!」

「だといいのですが……ルオ様のは凄く可愛らしいですね。女の子に喜ばれそうです」

「ありがとう! 出来てよかったよ」

 そして翌日、みんなにお披露目。


「素晴らしい」

「凄く綺麗!」

「可愛いね」

 二本ともみんなに絶賛された。


「ありがとう、ハンス、ルオ」

 師匠が、用意した箱にペンを収める。

 父も、献上品を検めていた。

「ハンスもルオも素晴らしい出来上がりだ」

「旦那様、ガラスの皿もあります」

 師匠が箱に入ったガラス皿を見せた。白いレースグラスが縁を彩った、記念皿。

「凄いな。ハンス」

「ありがとうございます」

 ハンスの渾身の作品は大切に仕舞われた。


 明日は王都へ出発だ。



次の投稿は18時になります。


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とうとう明日です。

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