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第217話 ハンスが屋敷にやってきた

評価、ブクマありがとうございます!

リアクションも嬉しいです!


 ハンスがやってきた。見習いのお弟子さんたちは今回は連れてこなかったそうだ。

 仕事が詰まっているとのこと。

 プリュムは相変わらずハンスの肩の上あたりに浮かんでいる。

(今回のガラスペンも凄いんだよ!)

「それは凄く楽しみ!」

 ハンスの渾身のガラスペンは素晴らしかった。

 大切に使わせてもらっている。

「ちょっと照れますね。こちらが国王陛下と王妃殿下に献上するガラスペンです」

 そう言って木箱を取り出し蓋を開ける。

 ルヴェール染めの布に収まった俺が貰ったガラスペンよりますます研鑽された技術によってつくられた二本はきらきら輝いていた。

 師匠が絶句していた。

 え、なんで?

 鑑定をしてみた。


 王専用ガラスペン(ガラスの精霊の祝福付)

 赤のレース模様が素晴らしい逸品。


 王妃専用ガラスペン(ガラスの精霊の祝福付)

 青のレース模様が素晴らしい逸品。


 あ、師匠が再起動した。


「素晴らしい出来だ」

「ありがとうございます!」

 アリファーンとタビーとルーンもこの場にいる。

 魔法契約書仲間だからね!

「素晴らしい。ルオに見せてもらったペンも素晴らしかったけれど、こちらのペンの模様が素晴らしい」

 アリファーンが絶賛している。

「ルオ様の?」

 ハンスの目がギラリと光った。

「こちらだ」

 師匠が木箱を開けて見せた。

「素晴らしい! この赤は不思議な色ですね」

「ダンジョンから出た特殊金属を使っているんだ」

 師匠が解説する。

「そうなんですね」

 それにチーの羽も混ぜちゃったけど。


「あの、献上品はそれですべてですか?」

「そうだが……あ」

 師匠がなにかに気付いた。

「兄と妹もいるのですが……」

 アリファーンが申し訳なさそうに言う。

「兄と、妹?」

 そう呟いたハンスの顔色がどんどん悪くなっていく。アリファーンを第二王子殿下だって紹介してなかった!

 そしてハンスは土下座した。

「あ、頭をあげて欲しい。今はお忍びで来ているから」

 慌てたアリファーンが声をかける。

「そんな、畏れ多い」

 ハンスは平民だから、雲の上の人だよね。


「ハンス。この出来だと、ハンスの仕事がますます増えていずれは貴族と取引しないといけなくなるな」

「えええ」

「窓口は領主様がしてくれるはずだが、いずれは工房主として対面しなければならなくなると思うぞ」

 師匠はハンスがガラス工房主としてこれからマナーを学ばないといけないって言ってるのかな。

「わ、わかりました。頑張ります」

「お願いするよ。俺の落ち度だ。第一王子殿下と第一王女殿下にも献上するべきだな」

「今から工房まで行って戻ってとなると時間的に難しいです」

 ハンスが申し訳なさそうに言う。

「設備はあるから、作ってもらえるか?」

「それは、もちろん……ですが、こちらのルオ様の作品と私の作品はかなり違います。ご兄弟でそろえなくても大丈夫ですか?」

 ハンスが言うと師匠が考え込む。


「あの……もしよろしければこの父と母に贈るのと同じデザインで兄のは作っていただけませんか? その方が平和な気がします。妹にはルオに作ってもらいたい」

「僕が?」

「うん。妹はこの髪色に母と同じ青い目なんだ。顔立ちも母に似ているよ。兄は父に似ていて髪は母と同じ金髪、目の色は私と同じ目の色だ」

 アリファーンは自分を指して言う。

「兄は父と同じデザインのものを喜ぶでしょう」

「なるほど。ハンス、ルオ、頼めるか?」

「はい」

 俺とハンスは声を揃えて返事をした。

「じゃあ、工房行こうか、ハンス」

「はい」

 師匠が先導する。認証キーの問題があるからかな。

「みんなは課題をやっていてくれ。ルオは工房だな」

「はい」

 三人揃って返事をした。俺は二人を追いかけた。


 工房のガラスの炉がある部屋に着くと師匠が土下座した。

 師匠、土下座の回数多くない?

「ちゃんと発注できていなかった。二人には迷惑をかけるが出来れば明後日までには仕上げて欲しい」

「明後日?」

 俺は首を傾げた。

「三日後に王都へ向かうからだ」

「あ、そういえばそんな予定だった」

「領主ご夫妻とイオも行くからな」

「献上品だものね」

 そうだった!

「すまないが頼む。献上用の箱は用意しておく」

「わかりました」

「うん。頑張る」

 師匠は苦笑しながら、工房を出て行った。


「ハンス、頑張ろう。俺が王女殿下の方を作るね」

「はい。私が第一王子殿下のペンを作るんですね」

「うん。頑張ろう!」

(主、火を着ける?)

「ラヴァ、お願い」

 そうしてガラスペン作りを二人で頑張った。

次の投稿は明日になります。


徐冷時間が足りない気がする……


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