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第214話 ダンジョン探索最終日(二)

評価、ブクマありがとうございます!

おかげさまでランクインしました!

「おかしいな? 魔物の種類が変わってきたんだが?」

 タビーが盾で魔物を押し返してノックバックさせる。

 第五階層に現れる魔物はスライム、ビッグマウス、こうもり型、虫型魔物が群れるようになり、ホーンラビットが単独で出現する。

 ボア系やウルフ系なんか、もっと下の階層のはずなのに。

「はっ」

 ルーンが弓で魔物の目を貫くとアリファーンが剣で止めを刺す。

 ボア系の魔物は素材が肉だから解体が大変だ。

 だから、素材にできる部分のみを切り取ってあとは放置だ。いつの間にか消えてしまうダンジョンの不思議。

 そういうのもあのダンジョンマスターがやっているのかな?

 精霊は恵みをもたらす存在だけど、宝箱があるのってダンジョンの精霊のおかげ?

 でも魔物の氾濫(スタンピード)が起きたりするし、ダンジョンで死んじゃうことだってある。

 魔物ってなんだろうね。

 前世のゲームや小説なんかで知っていたから魔物がいて当然だと思っていたけれど、魔物じゃない家畜のような動物もいる。

 そもそもダンジョンは何のためにあるんだろう?

 本当に不思議だ。


「ルオ、魔法を!」

「サンドブラスト!」

 ウルフ目がけて魔法を放つ。ウルフは砂が目に入って転げまわった。

 そこをタビーが仕留めた。

「ルオの魔法、有用なんだけど、砂だらけになるのが……」

 素材を剥ぎ取りながらアリファーンが呟く。

「ごめんなさい」

 風属性の魔法にしたほうがいいかな?

「あやまる必要はないよ?」

「そうだぞ? まあ、あたり砂だらけになるが、ダンジョンだからな。すぐ無くなるって」

 ぽんと俺の肩に手を置くとタビーが励ましてくれた。

「タビー、ありがとう」

 友情に心が震えた。


 しばらく進むと道が広くなって、行き止まりだった。

「行き止まりか」

 アリファーンが呟く。

「戻りましょうか」

「そうだね」

 ルーンの言葉に俺も同意して頷くと、目の前の壁に採掘ポイントが見えた。また石が転がってくるのか、と思って近付く。

 そうすると足元が光った。

 あれ? これ最近経験したな?

 と思ったら目の前の壁が割れた。転移じゃなかった!

「あれ、怪しいですよね?」

 ルーンが眉をよせて訝しむような目を壁に向けた。

「もしかして、隠し通路って奴じゃないか!?」

 タビーが目を輝かせた。

「そうだと思うけれど、危ないから行くのは……」

 そうアリファーンが言うと、何やら引っ張られるような感じがした。


 袖に、精霊が集っていた。

 光る粒が裂け目まで繋がっている。

 これ、ご招待だ。完璧に誘われている。

 絶対、ダンジョンマスターの仕業だ。俺はちらりと背後の師匠を見たが、師匠は手を顔に当てて唸っていた。

 師匠も同じこと絶対思ってる!

「と、とりあえず、中覗いてみたら? ただの裂け目かもしれないし」

 ますます引っ張られているので裂け目の方に進む。

「そうだね。そうしよう」

 アリファーンも頷くとみんなで壁に向かう。

「人が通れそうですよね?」

 ルーンが裂け目の幅を見て言う。

「じゃあ、ちょっとだけ中を覗いてみよう」

 引っ張られるので裂け目を潜った。

 そこは円形の広場になっていて、中央に宝箱が鎮座していた。

 すっごく怪しい。

「あ、あれ、宝箱?」

 タビーも中に入ってきた。

「怪しすぎる」

 アリファーンの意見に俺も賛成。

「どうしましょう。罠避けのスキルは持ってませんよ」

 ルーンは慌てた顔で言った。

「おい、不用意に手を……」

 仕方なく俺たちを追ってきた師匠は何か言いかけて固まった。


 俺は師匠から宝箱に視線を戻すと、そこにはダンジョンマスターが巨大化していて現れていた。

 巨大てるてる坊主感!

 マントが幼稚園児の雨合羽みたいに裾が広がっていて顔はフードに隠れて目があるんじゃないかなってくらいにしかわからない。

「え、なに? こんな魔物見たことない……」

 アリファーンが驚いている。と言うかみんなぽかんとしている!

 ふわふわ浮いてるダンジョンマスターは手を挙げて、魔法を撃った。

 ぱしゅっと足元の地面が弾けた。

 めっちゃ威力低い!

(さあ、愛し子、僕を倒して!)

 念話きた!

(ええ? でもダンジョンマスターなんでしょ? 倒せないよ!)

(大丈夫。分身ですっごく弱くしてるから!)

 接待プレイ? 接待プレイっていうんじゃないの?

「サ、サンドブラストぉ」

 棒読みになってしまうのは仕方ない。

「ぎゃあああ」

 俺の魔法が当たると大げさに苦しんでぽしゅっと消えた。

 あとには魔石と宝箱が残った。

 師匠がしゃがみこんで顔を覆っていた。

 俺も覆いたい。

 ダンジョンで精霊から接待受けるってどういうこと!?



次の投稿は18時になります。


接待プレイ。


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