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第209話 いい仕事した

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リアクションもありがとうございます!

(いつ呼ぶかずっと待ってた)

 水の精霊!!

「あ……あああ」

(主、忘れてた?)

 正直! エルフの五体投地が怖くて!

「……はい」

(ここ、温泉大丈夫なの?)

 カルヴァが首を傾げた。

(む。ずいぶん深いけど、流れてる。いける)

「いけるんだ!」

「じゃあ、戻るか?」

 師匠が笑いをこらえた顔をして俺の頭を撫でた。

「うん!」

 戻って水の精霊にレカルが希望していたところに温泉を設置してもらった。別れるときレカルは手をぶんぶんと大きく振ってすっごく喜んでいたので良かった。

 精霊魔法はエルフたちの処理(レカル談)が終わったら教えに行くと言ってくれた。


 転移で戻るともう夕方近かった。

「さて、今度こそ、ダンジョンだな」

 師匠が笑って言う。

 師匠、本当にかっこいい。俺、この人の弟子になってよかった。


 翌日、改めてダンジョンに出発することになった。

 あれから、エルフは来てない。


「は~やっとダンジョンだ」

 馬車に揺られながらタビーはぐっと拳を握る。

「そういえば王都にできたダンジョン、結局まだ、閉鎖中なんだね?」

 公開されるという噂だけで、結局まだ北の森は立ち入り禁止だ。

「騎士団や魔法師団がダンジョンを調査中らしい。私も詳しいことは知らないんだ」

 アリファーンがすまなそうに言う。

「だけど、あの北の森って毎年合同演習に使ってたんだろ? 来期はどこで合同演習するんだろうな?」

 タビーが眉をよせつつ言った。確かにそうだ。

「か、代わりの演習地になるとかじゃないかな?」

 ルーンは無難な予想。確かに使えないなら違う場所にするしかない。

「でも、来期が始まればわかるから、今から心配はしなくていいと思うよ」

『チチ』

 アリファーンの肩でチーが一緒に頷いてた。

 チーはアリファーンが大好きなので片時も離れない。時々アリファーンが離れてていいんだよ? とか言ってるのを聞く。そうするとチーは涙目で縋り付くから最近はもう言わないみたい。


 そういえばラヴァと離れるとか、考えたことないなあ。

(主、呼んだ?)

(ん? ラヴァのこと考えてた)

(主が僕のこと?)

(大切な相棒だなって、改めて)

(嬉しい! 主大好き!)

 ラヴァが胸に飛び込んで抱き着いたのでぎゅっと抱きしめた。

 夏のラヴァはひんやり系。

 ガラスの表面みたいなつるつる感と冷たさを感じる。


 これは、夏にあったかいラヴァをぎゅっとしたら大量に汗をかいたので心配したラヴァが理由を聞いてきたんだ。

『夏は汗をかいたら体温が下がるから、汗をかくんだよ?』と言ったら、『どうして?』と聞くから『人間は体温が一定じゃないと、具合が悪くなるから暑いときは汗をかいたり、寒いときは服を着たりして調節するんだ。ラヴァはあったかいから冬凄く感謝してるよ』とラヴァのすばらしさを褒めたのに。

『僕、夏熱いの止める!』と目から炎を出したような目力いっぱいで決意表明をした。そしてその夏、ひんやりを覚えた。

 ラヴァは凄かった。


「あ、なんだ? なんでそんな涼しい顔してるんだ?」

 タビーが気が付いた。

「え? 何のこと?」

 俺はとぼけた。

 タビーの額にうっすらと汗が見える。

 ルヴェールは王都より涼しいけれど、夏の盛りはさすがに暑い。馬車の窓は全開にできないから風通しが悪いから、正直すっごく暑い。

 タビーの視線がラヴァに行く。

「ラヴァ、こっちへおいで」

 タビーがラヴァを呼ぶ。

(なあに?)

 素直にタビーの腕の中に行くラヴァ。

「冷たい」

 タビーがぎゅっと抱きしめる。

 俺のラヴァ!


(主……)

 アームがタビーの膝の上に乗って目をウルウルさせた。

 はっとしたタビーはぱっとラヴァを放してアームを呼ぶ。

 ラヴァは俺の肩に飛び乗った。

「やだな。アームが一番だよ」

(主!)

 アームが肩に乗ってタビーにくっついた。

「あれ? 少しひんやりする」

(土の精霊だからだよ)

 タビーが首を傾げるとアームが言った。

 ああ、土の中は一定の温度だからかな?

 洞窟がひんやりしてる感じ? 実体はなくても魔力とか精霊力(?)で感じるのかも。


 ルーンは膝の上に少女がいる。同じ髪の色だから兄妹と言えないこともない。

「仲いいですね」

(ほんとね)

 とルーンとユーグはにこにこ顔だ。いや、ルーンたちの方が仲いいでしょ?


「あんまり馬車で体力使うなよ」

 そう言う師匠の肩にカルヴァがちょこんと乗っている。優しい目で見守っている感じだ。

 師匠は馬車の中でも書類とにらめっこしている。酔わないといいけどな。


 そしてダンジョンの街に着いた。

「街の名前はなんていうんだ?」

 タビーが聞く。

「え、ダンジョンの街?」

 そう言えば知らないなあ。

「ルヴェールのダンジョンの街と呼ばれているが、ルヴェールの領都が完成したらそれぞれに名前が付けられるらしいぞ。さ、降りて。この街に滞在する間はこの屋敷に泊る」

 母のために作られた別邸だ。


「お待ちしておりました。どうぞお入りください」

 ギードが迎えに出ていた。後ろにこの屋敷の使用人たち。

「よろしく頼む」

 師匠が挨拶してみんなと一緒に屋敷に入った。

 今日から一週間、ダンジョン三昧だ!

次の投稿は明日になります。


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