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第204話 思い出話

評価、ブクマありがとうございます!

 ぐったりした二人を視界の端にいれながら、俺たち四人はとりあえずテーブルに着く。

 しばらくしてレカルがネリアに食堂に案内されてきて、父と師匠を見て目を瞠った。

 苦笑しながらテーブルに着くとローワンが料理を運んできた。

 ネリアも手伝ってみんなに行き渡ると、父が食事の始まりの言葉を言って食べ始めた。

 エリックの美味しい昼食のはずなんだけれど、父と師匠の顔色がさえないせいで美味しさが半減している。

「君たち、子供たちが気まずい思いをしているよ。もう少ししゃっきりした方がいい」

 レカルは呆れた顔で師匠と父を見ている。


「すまない。エルフのことを考えてしまって。食事に集中しよう」

「焼き払うなら楽なんだがな」

 師匠! 発言が物騒に! 父も苦笑している。

「ヴァンデラー先生、なんの魔法を使ったんですか? 音しかわからなくて」

 アリファーンが遠慮がちに聞く。

「凄く地面が揺れてびっくりした」

 俺も気になって言った。地震大国の前世を持っているがあの揺れは震度4くらいあった。

「あー……あれな。光を使った魔法だ」

「光!?」

 父も驚いた。驚いてないのはレカルだけだった。

「光を収束させて目標物を穿つ魔法だ。日差しの強い奴だな」

 もうほとんどレーザービームじゃないですか!

「凄く高熱で穴が開いちゃうんだよね」

 レカルがにこにこという。そんな笑顔でいうことなのかな?

 みんなの顔が青ざめていく。


「先生、光魔法の適性が?」

 アリファーンが師匠に遠慮がちに訊いた。

「ん? ああ、まあ、そうだなあ……」

 師匠は頭を掻き中空を見てから俺たちに向き直る。

「俺……ごほん。私の天職は賢者なのは有名だからな。賢者はあらゆる魔法を使える。そういうことだ」

「え、賢者って天職のことだったの!? 錬金術師じゃなかったってこと?」

 俺は今更ながら驚いて立ち上がった。

「錬金術も魔法の一部だからな。ちゃんと錬金術師だぞ」

 ああ、だから全属性で、時空間魔法を使えるってことなんだ。俺、賢者って称号なんだと思ってた。

「ああ、だから親父たちはあんなにびっくりしてたんだ。そうか……」

 タビーが納得顔で頷く。

「精霊魔法もろくに使えない父さんたちが敵うわけないね。うん」

 ルーンがうんうんと頷きながら呟いた。


「え、精霊魔法を使うのがエルフ族じゃないの?」

「そ、そうなんだけどね。父さんたちが使ってるの見たことないんだよ。私も使えなかったし」

「精霊と親和性が高くないと精霊にお願いはできないからね。なかなか難しいよ」

 レカルが補足するように口を挟む。

「そうなの?」

 エルフ族は魔法に長けた種族だと思っていたけれど、違うのかな?

「愛し子なら願ったらすぐ使えるんじゃないかな?」

 願ったら?

「あ!」

 俺がいきなり叫んだからみんながびくっと肩を揺らした。

「ルオ、食事中だぞ?」

 父に怒られた。

「ごめんなさい」

 謝って食事を再開した。


 食事が終わって応接室に移動した。

 食後のお茶をローワンが出してくれた。

「さっきはなんで叫んだんだ?」

 師匠が突っ込んでくる。

「僕、もしかしたら知らないで精霊魔法使ってたかも?」

「精霊魔法を?」

「ラヴァに……」

(僕?)

 ラヴァがふんすと鼻息を荒くして乗っている肩から上半身を乗り出す。

「うん。ラヴァに良く火を出してって言ってたからそれも精霊魔法なのかなって。精霊に願って行使する魔法なんでしょう?」

「ん?」

 師匠が眉をよせて考えだした。

「あ、そ、そうだね。微妙なところだけれど」

 レカルも首を傾げて唸った。

「ああ、でもフェリシアに願って魔法を使う場合は同じかな? うん。それも精霊魔法の一種だね」

「あー、ガラスペン作ってる時とかの話か」

 師匠がぽんと手を叩いた。


「そう。ちなみに出会った時もそうだったよ。焚き火の中で頑張ってたもの」

「なるほどな。だからあの炎の色か」

「なに? 出会った時の話って」

 レカルが面白そうに聞いてきた。

「私も知りたい」

 ルーンが目を輝かす。

「俺も知りたい」

「私も」

 タビーとアリファーンも言いだした。

 俺はちらりと師匠を見た。

 師匠は諦めた顔で頷いた。

「僕が師匠と出会ったのは河原で……」

 それからいろいろ思い出話をした。あれからもう八年も経った。

(師匠老けてない)

「こらこら」

 ラヴァが突っ込んだ。そういえば師匠は今年の十月で三十八歳アラフォーだ。

 ……え、二十代に見えるよ!?

 若返ってるよ!?

「……なんだ? 何かついてるか?」

 じっと見てたら気付かれた。

「ううん。なんでもない」

 そういえばカルヴァが何か言ってた気がする。老けるどころか若くなるとか何とか。

 え、エルフが長命なのってそのせいなのかな?



次の投稿は18時になります。


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