表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
205/260

第200話 精霊騒動

評価、ブクマありがとうございます!



 タビーの誕生日を祝った翌朝。

「ダンジョン、ダンジョン~」

 タビーが鼻歌を歌いながら馬車に乗り込む。

 馬車には俺たち四人と師匠、チャロが一緒だ。

 チャロもダンジョンでレベルを上げさせるんだそうだ。

 貴族の中に一人平民なので肩身が狭そうにしている。ギードとカリーヌ、母は先行して二日前からダンジョンだ。ルヴェール染めが好調なのと二人を鍛えるためだと言っていた。

 それに加えてガラスペン用のインクの生産のため、藍は秘密の栽培場で栽培している。

 特許をとってはいるけれど、盗み出して自分のところで栽培してっていう輩もいないことはない。

 もちろんルヴェールには結界が張ってあるけれど、全部の悪意を防ぐわけじゃないと師匠は言っていた。

 護衛は村に着いたら騎士二人が付いてくる。

 師匠が久しぶりの不審者モードになっていたのにタビー、ルーン、アリファーンが驚愕していた。

 どういうわけか村に行く時はこの格好なんだよね。

 素顔はばれてるはずなのにな。


 村について教会の前を通りかかった時、半鐘が鳴り響き馬車が停まった。

「なんだ?」

 タビーが驚いて呟いた。

「門で何か起こったのかな? 襲撃とかあると鳴らされる鐘なんだけど」

 俺がそういうとみんなが緊張する。


「みんな、とりあえず待て」

 師匠がストップをかけた。門の方を凝視している師匠はもしかしたらカルヴァに目を借りているのかもしれない。

「エルフが来た」

 師匠から衝撃的な一言が発せられた。

「とりあえず降りて教会の入口で待て。危険なようだったら教会に入って結界を張れ」

 師匠が扉を開けて降りる。それに続いて俺たちも降りた。

 教会から門へ伸びる道の先に結界が煌めき、侵入を防いでいるのがわかった。

「あ……」

 ルーンが驚いた顔をして師匠を追いかけていく。

「え、待てって言われたんだけど、ルーン?」

(なんかね、父親がいるらしいよ)

 ユーグが言ってきた。

「え、父親?」

 とりあえず、ルーンを引き留めようと追いかけた。

「待て、ルオ」

 タビーの声が後ろから聞こえた。

「仕方ない。追いかけよう」

『チチー!』

 タビーとアリファーンも追いかけてくる。

 門の近くに行くと、二人の門番が槍を交差してエルフを押しとどめていた。

 多い! 何人いるんだろう?

 門の前がエルフで埋まっている。

「通せ!」

「精霊王様に祝福された地になぜ入れん!」

「人族が我らを押しとどめるなど!」

 口々に言っていることは、はっきり言って身勝手だった。

 こんな大勢のエルフに押しかけられてはルヴェールが困る。


「君たちはどこの里の者だ」

 師匠が拡声魔法を使ってエルフたちに問いかける。


「人族に答える義務はないわ!」

「とにかく入れろ!」

「ガラスの精霊様を!」


 師匠が頭を抱えてる。

「領主様に入村の許可をとれ! 話はそれからだ!」

 もう一度拡声魔法を使ってエルフに通告する。

「なぜ、許可などとる必要がある。精霊様の祝福された土地は我らエルフのものであろう!」

 一番先頭にいた、一番身なりのいい男性エルフがそういう。

「父さん! 何してるの?」

 ルーンが門へ駆け寄った。

「グフルーンか? 王都にいるのではなかったか?」

「手紙で知らせたじゃない! ルヴェールへお邪魔するって! 何故来たの?」

「精霊教会からお告げがあったからな。祝福の地で、新しい精霊様が生まれたと。祝わなければならん」

「それと、ルヴェールをエルフのものだっていうのは関係ないでしょう?」

「なぜ関係ない? 精霊様の祝福は我らエルフのものだろう?」


「ああ、老害はまだいたんだね」


「だ、誰だ?」

 ルーンと話していたルーンの父親の後ろに突然現れた青年が突然割り込んだ。

「通してもらうよ。やあ、コル。久し振り」

「レカルか!」

 師匠の知り合いのエルフ? 薬師をしているエルフしか知らないって言ってたけどその薬師のエルフなんだろうか。

「入れてもらっていいかい?」

「ああ、そのエルフは通していい」

 師匠は門番に言うとレカルだけを通した。レカルは白いローブを着た長身で緑の髪と緑の目をしたエルフだ。髪は腰を越えていた。まっすぐでさらりとした髪が歩くたびに揺れる。レカルはゆっくりと門を通過した。結界に弾かれることはなかった。

「遠いのによく来たな」

 師匠が手を差し出すと、その手を握って頷く。

「その顔隠す変装、不審者みたいだからやめろって言っていたでしょう? それで、色々聞きたいことがあるけど、とりあえずあのうるさいエルフを黙らせよう。フェリシア」

(なにかしら? 主)

 物凄い大人の美人の精霊が現れた。

「あのエルフたち、拘束しちゃって」

(ふふ、お安い御用よ)

「え、あ?」

「木の精霊……」

「契約してるのか!」

「うわああ」

 エルフたちは突然地面から生えてきた蔓に巻かれて動けなくなった。

 話せないように口に蔓が巻き付いている。


「こんな感じでいいかい?」

「とりあえずはな」

「相変わらず、いろんなことに巻き込まれてるねえ」

「言うな」

 レカルは笑って師匠の肩を叩くとルーンの前に立った。

「フェリシアと同じ世界樹の精霊と契約したんだね。仲良くして欲しいな。僕はアルセイデス・レカルストフォ。レカルって呼んで欲しい」

「わ、私はイエシル・リュイ・グフルーンです。みんなからはルーンと呼ばれています」

「コル、どこか静かに話せるところってある?」

「ああ、すぐそこに精霊教会がある。とりあえずはそこで。ルオ、タビー、アリファーンも教会に戻るぞ」


 呆然と騒ぎを見ていた俺たちに師匠は声をかけて教会に向かった。

 戸惑った顔の門番たちと拘束されているエルフたちを置き去りにして。

次の投稿は明日になります。


タビー「ダンジョン……」


ドラゴンノベルス様から書籍第二巻が7月3日発売します!

書影公開されました! イラストはLINO先生です!

加筆いっぱいしましたのでぜひご覧いただきたいです!

師匠も活躍!!

特典SSペーパー付の情報は公式ページに!!

もちろん第一巻も好評発売中です。

樺ユキ先生のコミカライズコミックス第二巻が好評発売中です。

good!アフタヌーンにて好評連載中です。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ