第199話 久々にガラス!
評価、ブクマありがとうございます!
予約してなかった!! すみません
「イオも契約者になっていたんだな」
師匠がため息とともに呟いた。
ここは俺の工房。
鍛錬を終えて師匠に相談があると言って来てもらったのだ。
「それで相談とは?」
「タビーの誕生日、今月の十七日なんだ」
「……ん? すぐじゃないか」
「そうなんだよ! アリファーンも九月だし。そもそもアリファーンの分は献上品になっちゃうの?」
「あー……まあ、そうなるな」
「とにかく僕にガラスペンを作らせて!!」
「わかった。ポーション作りは一時中断だな。剣術の鍛錬も断っておこう。座学は……ガラスペンの作製が終わったら補習だ」
「えーーー!」
「あとで困るのはルオだぞ」
「うう……」
「珪砂は持ってきているから後で工房に置いておく」
「あ、ありがとう! 師匠」
「おう。……ああ、ハンスは工房に戻るそうだ」
「ハンス、無理しないといいんだけど……」
ガラスペン作りに取りつかれた感じが同志だ。
「そうだな……ルオもだぞ。俺も研究とかに夢中になることもあるからわからないでもないが……成長期なんだから睡眠不足はダメだぞ」
「ア、ハイ」
わかってる。背が伸びなくなったら困るからそこは無理しない!
工房の炉のある部屋に来た。
珪砂はちゃんと材料のある棚に置かれている。その隣にある素材の棚で器に山盛りになっていたフェニックスの羽が、ほのかな光を放っていた。
抜けた羽と言っていたから汚れてるのかと思っていたけれど、目だった汚れはない。ダウンとフェザーが混じっているからそっと分けてクリーンの魔法をかけた。
触れただけでも力のある素材だってわかる。エセ関西弁の変な鳥の羽でも、こんなに魔力のある素材になるんだ。
フェニックスの羽
霊峰の主、神鳥(霊鳥とも呼ばれる)の抜けた羽。
神気と魔力が宿り、素材としてはレア中のレア。
武器には火属性、防具には火属性耐性の効果を与える。
「神気と魔力って違うんだね。ガラスに使ったらどうなるのかな?」
クリアガラスに閉じ込めてもいいけれど、せっかくだから溶かしこもうか?
ラヴァの炎で珪砂が溶ける。他の材料も溶かし込み、硬質ガラスが出来上がっていく。
そこに一枚羽を入れ、ヒヒイロカネも突っ込んだ。溶けて混ざると金色の光を放ってゆっくりと混ぜ合わさっていく。
オレンジの光を仄かに放つ揺らめいた赤色のガラスになった。
「アリファーンにはこれを使って……タビーには何がいいだろう? 盾術士で、土の精霊の契約者」
アダマンタイト……ガラスに溶かせる?
防御って硬いイメージだよね。
硬いのはアダマンタイトの特徴だからいいかもしれない。
土の精霊はイメージとしてはやっぱり茶色で、タビーの髪や目の色とも合う。モチーフにとんがり帽子でどうだろう?
アリファーンはもう国旗のイメージで行くしかないよね。
小鳥より国旗。
うん。それでいこう。
今日はガラス棒を作って徐冷庫に放り込んだ。
本格的に作るのは明日だ。
そして次の日。
タビーのガラスペンを作った。
しっかりとした太目の軸。透明のガラスにアンバーの色で砂を流したような流線を描いて、その上に帽子の三角を緑色の鉱石のかけらを埋め込むことで表した。
アダマンタイトは二種類の色になったので、それぞれを使った。
ダイヤモンドのような透明のクリアガラス。
こげ茶色の黒に近いガラス。
茶色のガラスと透明なガラスは混ぜると変な緑色になってしまうんだけど、アダマンタイトを使ったガラスは混ざりにくく錬金術の『加工』も使ってクリアガラスに浮かぶようにした。
真ん中が膨らんだ軸のてっぺんに盾を模した形のモチーフをつけた。
「できた!」
(できた?)
「タビー、喜んでくれるかな?」
(くれる!)
「そう? ありがとうラヴァ」
嬉しくてラヴァの頭を撫でた。
(むふー!)
ラヴァも嬉しそうだった。
渡す前に師匠に見せたらあっさりオッケーが取れた。
そして特許の紙を出された。
鑑定したんですね。
「タビー! 誕生日おめでとう!」
俺はプレゼントを渡した。
「え? あ、ありがとう」
開けてみたタビーは一瞬固まったけど、嬉しそうに笑っていた。
その日はみんなでお祝いした。
ルーンとアリファーンもタビーにプレゼントを渡していた。
嬉しそうなタビーを見て一緒に誕生日を祝えてよかったなと思った。
次の投稿は18時になります。
ドラゴンノベルス様から書籍第二巻が7月3日発売します!
書影公開されました! イラストはLINO先生です!
加筆いっぱいしましたのでぜひご覧いただきたいです!
師匠も活躍!!
特典SSペーパー付の情報は公式ページに!!
もちろん第一巻も好評発売中です。
樺ユキ先生のコミカライズコミックス第二巻が好評発売中です。
good!アフタヌーンにて好評連載中です。




