第198話 イオの才能
評価、ブクマありがとうございます!
ルーンが倒れた日の翌日、俺は朝起きてすぐに鍛錬をしに裏庭に向かった。
そこにはすでにイオがいた。
「おはよう、イオ」
「兄様! おはよう!」
「イオも走り込み?」
「うん! 兄様のように朝は走り込みをして体力をつけてるんだ。来年は祝福の儀だしね。あ! 兄様、誕生日プレゼントありがとう!」
「気に入ってくれたならよかった。で、そのう、横にいる人は?」
「風の精霊のアイレだよ。兄様にはやっぱり見えるんだね」
(主の兄上、アイレと申します。よろしくお願いします。ラヴァもよろしく頼む)
風の精霊はエルフのような緑の髪に透き通った水色の目、長い前髪をオールバックにし、額にサークレットをしている。後ろの髪は腰くらいまであって透けて見えた。
まるっきり、人族の青年に見える。超絶美形の上級の精霊だよ! 話せるから、そうなんだけれど!
(こんにちは、アイレ。ラヴァだよ! イオ! イオも契約者だからお話しできるね! よろしくね!)
「ラヴァは火トカゲじゃなくて火の精霊だったんだね! すごいや!」
(ふふふ~)
褒められたのが嬉しいのか、ラヴァはふんすと鼻息荒く、イオに飛び乗った。
それを微笑ましい顔で見ている風の精霊。
ルヴェール、上級の精霊だらけな件。
「えーと、じゃあ、一緒に走る?」
「うん!」
イオと一緒に屋敷の周りを走った。
途中でタビーとアリファーンも合流して、朝食前の鍛錬を頑張った。
朝食後、師匠に居間に呼び出しされた。
「ルーンが思いがけないアクシデントに見舞われたが、ただの魔力枯渇……いや、魔力枯渇は大事だった。俺は何度も繰り返し見ているから慣れただけだった。みんなも気をつけて魔力制御を頑張るのと契約相手に言い聞かせてくれ」
(主、私はそんなに持っていってないわよ!)
(主、僕最近は我慢を覚えたよ?)
(主、もしかして吸いすぎだったか?)
『我は搾り取ったりせえへん!』
カルヴァ、ラヴァ、アーム、チーが口々に言う。
「そうか、ありがとう」
師匠がにっこりとカルヴァに言うとカルヴァが赤くなって照れた。
「大丈夫! 最近は普通に寝てるから! 多分」
慣れすぎて普通の睡眠と区別がついてない気がするけど、背も伸びてるし、大丈夫だと思う。ほっとした顔をするラヴァを撫でた。
「ああ、大丈夫。気にするな」
タビーもアームににっこりと笑って言う。アームが照れた。
「一晩しか一緒に過ごしてないからまだわからないかな? これからも必要最低限でお願いしたいな。チー」
にっこり笑ったアリファーンが少し怖い。
『わ、我、頑張るわ~』
ちょっと引いた感じでチーが答えた。
「午前中、来期の座学の予習を済ませたら、午後から昨日集めた薬草を乾燥させる工程を実習する。それからある材料で、ポーション作り。夕方は剣術の鍛錬をする。魔法は設備がないからダンジョンへ行った時に鍛えることにする」
「ダンジョン!」
タビーが思わず叫んだ。
「ルーンの体調次第だがな。一応、六日後にはダンジョン街に行く予定だ」
「はい」
「わかりました」
「私も参加できるんでしょうか?」
俺とタビーはすぐ頷いたけれど、王子様なアリファーンは危険な行動はできない感じなんだな。
「大丈夫だ。俺が護衛役だ」
「では、よろしくお願いします。先生」
「おう。じゃあ、まずは座学だな!」
師匠によるやや厳しめの座学の予習が始まった。詰め込み授業的な感じだ。俺は卒業までの基本の座学の予習は一通りしているからついていけるけど、タビーとアリファーンは目を白黒させていた。
昼食を挟んで午後は薬草の処理とポーション作り。
それが終わって剣術の鍛錬。
「ルオ坊っちゃん、お久しぶりです」
「ウォルト! 元気そうで何より」
ウォルトがイオと一緒に裏庭で待っていた。
素振りから始まったんだけど、イオの素振りの風圧が凄い。
キレッキレな感じっていうか、え、ちょっと凄いんだけど!
動作の一つ一つが凄味があるっていうか。
ウォルトを見たら苦笑していた。
タビーとアリファーンも手を止めてイオを見ていた。
来年の祝福の儀で、きっとイオは剣術に関する職業が出るだろうと思ったのだった。
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