第197話 森を出る
評価、ブクマありがとうございます!
師匠の言葉で近場で薬草を採取。
俺は慣れているけれど、他の三人は初めてに近い。
師匠が気をつける点を説明し、採取していく。
「どれも一緒に見える」
アリファーンが困惑した顔をしているとチーがツンツンと肩を突いて薬草を教えていた。
それがわかるとアリファーンが笑顔で礼を言っていた。
チーが飛び上がらんばかり……いや実際飛び上がって旋回してたけど、嬉しそうにしていた。
あれ、小鳥に擬態してるのかな?
微妙なところだな。
仲良くできそうなのは何より。
ポーション作りはしていても、薬草採取はしてなかったからなあ。
乾燥した薬草と生きてる薬草はやっぱりちょっと違うからね。
「ルオ、これでいいのか?」
(大丈夫だぞ、主)
アームがひょこっと出てきて太鼓判を押した。
「アームが教えてくれるって」
「そうか。土の精霊だものな!」
(頑張るぞ、主!)
アームが張り切っていた。
(主、僕も手伝う?)
(そうだね。あったら教えてくれると助かるな)
(頑張る!)
ラヴァも張り切った。
そういえばルーンを除いてみんな契約してるんだ。
ルーンは精霊に親しいはずのエルフなのに契約を申し出る精霊はいないのかな。
そう思ってルーンを見ると側に何か立っている。
え?
ルーンがこわばった顔で俺を見た。
(精霊いる)
ラヴァの声に目を凝らすと、光の塊がルーンのすぐ傍にいた。
「ル、ルオ、ヴァンデラー先生……」
泣きそうな顔になっている。一体どうしたんだ?
「け、契約したいって……木の……」
そう言ってばったり倒れた!
「ルーン!」
思わず駆け寄った。
師匠も、タビーも、アリファーンもだ。
師匠が顔に手を当てる。
(倒れちゃった?)
知らない少女の声がした。
光の塊は十歳くらいの少女になっていた。
薄い布を二枚纏って腰のところをベルトで止めたような、ギリシャ神話に出てくるような服装をしている。髪は長くさらさらとした感じで、薄い緑だ。
「君は?」
(木の精霊よ。契約してもらったから、森を出られるの!)
「ああ、魔力吸い取られたんだ」
(いっぱいもらったわ!)
タビー、俺、師匠は頷いた。
身に覚えがありすぎる。
「とりあえず、俺が背負っていこう」
師匠が背にルーンを背負い、屋敷に帰ることになった。
木の精霊ってドライアドとかいう、あれかな?
木に宿っているからその木から離れられないとか、そういうのじゃなかった?
契約したら自由に動けるんだろうか?
とりあえず、ルーンも契約したってことだよね。
めでたいのかどうか、微妙だけど、とりあえず、おめでとう。
ルーンを客室に寝かせて隠形のローブを脱いで師匠に返した。
「暫く起きないだろうからこのままに。工房へ行ってポーション作りだ」
動じない師匠が頼もしい。
工房へ行ってポーションを無心に作った。
ルーンが起きたのは翌日だった。
「名前はユーグにしました。なんとなく浮かんだので。私と契約してくれるなんて、凄く嬉しくて」
(主はとっても優しい魔力をしてて気に入ったの!)
上級の精霊多すぎ案件。
ルヴェールはどうなっているのかな?
次の投稿は18時になります。
とうとうルーンに契約精霊! よかったよかった!
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