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第193話 奉納

評価、ブクマありがとうございます!

おかげでランクインしています!

 みんなのお世話はローワンやネリア、ギードとカリーヌに任せて俺と師匠、ハンスは精霊教会に行かなくちゃ!


 ガラスペンはハンスが大事に持っていた。そのハンスの周りをガラスの精霊がくるくると回っている。

 俺たちは馬車で村に向かっていた。

 ハンスは明日には自分の工房に帰ってもらうことになっている。

 そこでまず献上品を作ってもらってお弟子さんに技術を伝えて大々的に売り出すことになっている。

 チャロは鏡の方の手伝いに向かうことになった。

 ポーションの作製しながらだとか。

 ちょっと待って。

 ハンスの作業量が凄いことにならない?


「ガラスペンは高級志向でぼったく……ごほん。売り出す予定だから最初は限定オーダー品で、本数も絞る」

「ハンスは仕事のし過ぎで倒れないようにほどほどに頑張ってね」

「鏡の方はそろそろ、特許を使って商売をしようってし始めている人たちが出てきたから数は少なくなるんじゃないか?」

「鏡は平民の女性でも欲しいはずだからね。大量生産で安価にならないとね」

「……大量生産できるものじゃないぞ」

「そのうちできるよ! でもうちは高級品志向なんでしょ?」

「まあ、そうだ。儲けが多くなければやってられないからな」

 話の話題がガラスだからかハンスの目が泳いでいる。

「ハンスがいない間、工房は大丈夫だったの?」

「鏡自体は注文分は作ってありましたので大丈夫だったと思います。装飾品関係のガラス製品を作るように言っておきましたが……」

「あ、ブローチとかの……」

「はい。今回ペンダントトップなどに使える手法を教えていただいたので、それも作っても大丈夫でしょうか?」

「あ、フューミングの奴ね」

「大丈夫だ。特許を取ってある。ハンスの工房で作る分には使用料は取られない」

 師匠が付け足す。師匠はすぐに特許だものなあ。この世界に特許があるのにも驚いたけれど。


「ありがとうございます」

「ガラスペンを献上したらガラスペンでスケジュールが埋まると思うが……」

「……あ」

 ハンスははっとした顔をした。そういえばハンスも満足するガラスペンができるまで時間かかっていたな。

「すぐに弟子たちがガラスペンを作れるようにはならないと思うからうまく予定を組んで、健康管理に気をつけて頑張ってくれ」

 ガラスペンの売り出しのスケジュールに関しては父を中心に話を進めているみたいだから俺はよくわかってないけれど。頑張って、ハンス!


「師匠、俺は作らなくていいの?」

「ああ、ルオはアリファーン殿下のものだけ作ってくれればいい。その後、プレゼントで作るのは可能だが……」

 な、何か条件つけられる?

「まず学院を無事卒院するのがルオの仕事だな」

 学生の本分は勉強でした!

 ハンスがふふっと忍び笑いをした。


 俺のガラス作りは今のところアイディアだけで作品を売るところまでいかないというのが現状なんだよね。成人してからかなあ。

「ルオ、くれぐれも何かする時はまず相談だ」

「あ、はい」

 師匠、俺が何かする時問題が起こるとか、思ってない?


「ルオ様、ヴァンデラー師、ハンス殿、歓迎いたします」

 精霊教会の入口の前でフルク祭司が待っていた。

「先触れの手紙の件で来たんだが」

「はい。準備は出来ております。どうぞこちらへ」

 フルク祭司に先導され中に入った。結界が張られる感覚がした。

「気付いたか? 他の人に見られたくないんでな」

 師匠が張ったのか。最近、師匠の魔法の凄さがわかるようになってきた。

 精密な魔力制御、術式。

 幾重にも重なる効果を持った結界なんて、普通の人には張れないと思う。教会全体を覆って普通の結界の効果に加え、人除け、防音、隠蔽の効果までついている。

 わかるようになったのはそれなりに修行の成果が出ているんだろうか。


 祭壇の間に入った。

 天鵞絨に覆われた祭壇にハンスがガラスペンが入った木箱を置く。

 フルク祭司が精霊王を称える聖句を紡いだ。

「どうぞ、お納めください」

 みんなが跪いて祈ると、きらきらした祝福の光が降ってきた。

『ありがとう。新しい精霊の誕生を知らせる。ガラスの精霊、ここに』

『はい』

 ガラスの精霊が木箱の上に現れた。

『ガラスの精霊はルヴェールのガラス技術の研鑽によって誕生した。今後も更なる発展を願う』

 木箱は光って消えていき、ガラスの精霊はハンスの元へ戻った。

 しんとした静謐な空気に満ちた祭壇の間はしばし、誰も口を開けなかった。


「なんと素晴らしい! 精霊王様の発布とは!」

 フルク祭司の涙が止まらない。

「今の宣言が発布?」

 俺が聞くとぐるんと勢いよく顔を俺に向けたフルク祭司が厳かに頷いた。

「精霊教会全てに今の言葉は届けられたということです。精霊教会は大騒ぎになっているかと思われます」

「やっちまったなあ」

 師匠があちゃーという顔で呟いた。


次の投稿は18時になります。


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加筆いっぱいしましたのでぜひご覧いただきたいです!

師匠も活躍!!

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