第185話 卒院祭(二)
評価、ブクマありがとうございます!
リアクションも嬉しいです!
色々見て回っていると剣術大会のギードの試合の時間になった。
午後の二試合目ということだったから午後を知らせる鐘の前に大会会場に来た。
実技で使われる棟の一番広い部屋で行う。
まるで闘技場のように観客席が試合のフィールドを囲っている。
「えー、こんな仕様になるの?」
「普段は観客席なんてないよな?」
俺とタビーはたくさんの観客に驚きつつ、空いてる席を見つけて座った。
「今やっている試合はギード先輩の一つ前のだと思う」
タビーが選手を見て言う。
「じゃあ、終わったらギードの試合なんだね」
体格の大きい選手の方が力技で押し切った感じで試合は終わった。
「次! ギード・ソルア!」
ギードが呼ばれて試合のフィールドに入る。対する相手はギードより少し体格のいい男の選手だ。
もちろん、女性で剣術大会に出る選手もいる。
二人は開始線で立ち止まり、向かい合って立つと、お互い剣を構える。
ギードは中段に、相手選手は上段に構えた。
「はじめ!」
始めの合図で相手選手はギードに向かって突っ込んできた。
それをギードは紙一重で躱すとすれ違いざまに剣を横なぎに振る。
「くっ」
大きく相手選手は後ろへ退いた。
そこへ離されないようにギードが距離を詰めると今度は上段から剣を振り下ろす。相手選手は剣で受け止めた。
ギードは力を込めているのか、相手の選手の剣が沈み込んでいく。
「ぐぅ……」
相手の眉が苦悶に寄って眉間に皺を作った。だんだんと押されて相手は大きくギードの剣を押し返した。
あ、隙ができた。
俺がわかるくらいだ。ギードがわからないはずがない。
ギードは慌てず冷静に相手の力を受け流して下から剣を弾いた。思わず相手の手から剣が弾かれて、フィールドに刺さる。
「勝負あり、勝者ギード・ソルア!」
ギードの剣が相手の首に置かれていた。
俺たちはギードに会いに行った。
「あ、タビー君、ルオ……君」
タビーが俺を見る。
その半目はやめて!
「勝利おめでとう!」
「ギード先輩、勝利おめでとうございます」
「二人ともありがとう。ちょっと力技の試合だったから、恥ずかしいな」
ギードが照れて頭を掻く。
力技というか、ギードもっと強いのに全然実力だしてない気がする。
ちょっと暗殺者寄りの存在感の薄い剣技だったはずなんだけど。
執事は暗殺者なの? というくらい、二人の家令に鍛えられているからね。
「そうかな? 隙を見て止め刺すってなかなかできないと思うけど」
「ルオ様にそう褒められるのはとても光栄に存じます」
「出てる出てる。執事出てる」
タビーに突っ込まれて赤くなったギードはそそくさと去っていった。
「なかなか強くなったな。最初は大丈夫かと思っていたんだがなあ。やっぱりダンジョンへ連れまわされたのが効いたかな」
背後から師匠の声が!
「し……ヴァンデラー先生! 驚くから!」
「そうか? 二人とも、楽しんでいるか?」
「はい!」
俺とタビーは同時に返事をして頷いた。
「二年後はお前たちの番だから、よく見て参考にしなさい」
「あ……」
「そうか、何をするのかって考えないといけないんだ」
タビーが真剣な顔になる。
「僕、ガラ……」
「ルオはポーションの研究だよな?」
「え……ガラ……」
「ポーション」
「ガラ……」
「ポーション」
「ポーションです」
「よし」
横でタビーが大爆笑してる。
もう! なんでガラスはダメなの!
「ガラスは貴族学院で教えてないし、俺の研究室でもやってないからな」
「うう。わかりました」
はあ。ガラス……。
そこへアリファーンがやってきた。
肩に赤い小鳥を乗せてるのがシュールだ。
「チチ……」
エセ関西弁フェニックスが小鳥のフリしてる件。
「みんなそんな目で見ないで。従魔登録もしたから大丈夫だよ」
「そうですよ!」
ルーンもいた。きらきらした目でフェニックスを見ている。
「従魔登録の名前ってどうしたんですか?」
タビーが聞いている。
「うん。まだ迷ってるって言っておいた」
グレーな感じだ!
『わ……』
フェニックスが話そうとしたらアリファーンが容赦なく手で鷲掴みにして嘴を塞いだ。
『むぐぐ』
え、念話とかじゃなく声帯で話してた!?
オウムか!?
「アリファーン殿下容赦ねえ」
ぼそっとタビーが突っ込んだ。
次の投稿は18時になります。
樺ユキ先生のコミカライズコミックス第二巻が好評発売中です。
書籍第二巻が7月3日発売します!
加筆いっぱいしましたのでぜひご覧いただきたいです!
師匠も活躍!!
もちろん第一巻もドラゴンノベルスより好評発売中です。




