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第106話 友達

 ラヴァのご機嫌が斜めだ。学院から帰ってきて、今日の出来事を話したら。

「一日離れててごめんね」

(違うの! 初めての友達って僕は友達じゃないの?)

「え? あ、人間の同世代の友達っていうか……それにラヴァは家族だから……家族で相棒?」

(家族! 相棒!)

 ラヴァがくるくるとベッドの上で回った。

「それに僕とラヴァは魂で繋がってるから特別だよ」

(特別!)

「うん」

(主大好き!)

「僕もラヴァが大好きだよ」

 ぺろぺろと顔を舐められた。くすぐったい。

「夕食だね。行こう」

 ラヴァが俺の肩に飛び乗った。


「どうだった?」

 父が試験の様子を聞いてくる。

「問題でわからなかったところはないかな? あってるのかはわからない」

「問題はもらったから後で師匠に渡すね」

「わかった」

 師匠が頷いて食事に戻る。

「剣や魔法の実技はどうだったの?」

 母が聞いてくるのに俺は視線を逸らした。

「剣で受けたよ。でも、どうだったのかは言ってくれないからどのくらいの評価かわからないかな? 魔法は……」

「魔法は?」

「サンドブラストを……」

 師匠がかちゃりとカトラリーの音を立てた。

「火魔法と、時空間魔法と言ってなかったか?」

「言われてました」

「なぜ、サンドブラストなんだ? ファイヤーボールを撃つって言ってたじゃないか?」

「ごめんなさい! 土魔法で残念がってた子がいたから土魔法すごいぞって見せたくて!」

「サンドブラストは複合魔法だぞ? 風属性ないと撃てないんだぞ?」

 師匠の声が低くなった。

「じゃ、じゃあ。土魔法と風魔法で通す、とか」

 師匠が顔を手で覆った。

「大丈夫よ。生活魔法だって言えばいいわ。属性なんてあってないようなものよ」

 母よ! それもう俺が試してるから!

 師匠が深いため息を吐いた。

「土・風属性と時空間属性。トリプルになるが、仕方ない。火属性はラヴァが操っているように見せかけることもできるから、そうしてくれ」

「はい! 気をつけます!」

「魔法属性の申請はしないからいいようなものの……」

 師匠の肩が落ちていた。ほんとにごめんなさい!


「それで? 残念がっていた子とは?」

 父が助け舟を出してくれた!

「えっとね、王宮で文官をしている男爵家の子で、テイバート・トレメインっていう子」

「文官系か。その家は確か中立派だな」

 ちゅうりつは、とは?

「友達になったのかな?」

 父の言葉に思わずラヴァを見てしまった。

「なったと僕は思ってるけど、彼はどうなのかなあ?」

「なら、うちに呼べばいい。王宮の文官なら、手紙でアポイントを取れる」

 師匠がなぜか乗り気だ。


「それからもう少しすると、ラントとアグリが戻ってくるぞ」

「ほんと? 父様たちと一緒に帰るんだよね?」

「ああ、そうだ。まあ、でもルオの入学式を見てからになるな」

 え、父が? 母も?

「僕も行く!」

 イオも? ちょっと照れくさいな。

 入学式は前世の中学校と同じ感じなのだろうか?


 その場はそれで終わり、師匠に問題を届けた。

「明日、この問題を解いてもらう」

 前世の受験と一緒だよ!


 翌日スピネルに監督されながら、再試を受けた。

「よかったですね。座学は満点ですよ」

「ほんと?」

「はい。もしかしたら代表で、前に出て話すことになるかもしれませんよ」

「ええ? そ、それはいいや……」

 悪目立ちしそう!

「兄様、満点だったの? 凄いや!」

 横で勉強していたイオにきらきらした目で見つめられて照れる。

「そうですよ。凄いんですよ」

 二人で褒めないで! 照れるから!


 両親はやっと王宮のアポが取れて献上品を持って王宮に行ったみたい。

 まだ、試験結果が来ないうちにタビーが遊びに来ることになった。

 師匠の元に大変恐縮した手紙が来たらしい。


 そして今日、タビーがやってくる。

 ラヴァが気合入れて肩に乗ってるんだけど、そんなに気になるの?

(主の友達としてふさわしいか、見極めるの!)

「うん。きっと仲良くできると思うよ」

「何かあったのか?」

 師匠も一応出迎えに来ていた。気合いが入っている様子のラヴァを怪訝な顔で見ている。

「初めての友達って言ったらね。僕は? って拗ねちゃって」

「そりゃあ、ルオが悪い」

「そういう意味じゃなかったの! 同年代の、初めての友達って意味だったの! ラヴァは特別なの! 家族で相棒なの!」

「そ、そうか。まあ、ラヴァの気持ち次第だな」

 ふんすって鼻息聞こえたよ! ラヴァ……。

 そして、馬車が停まる。


「お招きいただき光栄です。トレメイン男爵の子、テイバート・トレメインです」

 タビーは手を胸に当てて頭を下げた。貴族っぽい。

「コランダム・ヴァンデラーだ。ようこそ。歓迎しよう。スピネル、案内を」

「こちらでございます」

 めちゃめちゃ緊張した顔してた! 

「ルオ、付いてこないのか?」

「あ、待って」

 俺は慌てて追いかけた。



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