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お久しぶりです!見てる方がいらっしゃるかどうかわかりませんが中々進まなくてすみません‥‥
明るいシャンデリアが輝き、黒と赤と金色で統一された上品な一室
長い年月が刻まれた、だがきちんと手入れがされた高そうなイス、
そしてメイドが良く磨いたであろうテーブルには、美味しそうに肉を頬張る美中年と異様な雰囲気の男がいた。
音をたてずに優雅に肉を食ってるおっさん、もとい羊男。
さっきから皿とナイフで不協和音を奏でてる俺。
変わらずニコニコな羊男だけど俺の皿は肉の猟奇殺人繰り広げられていた。
いや飯は旨いけどさー‥‥本当、この肉何の肉なん?鳥とも豚とも牛とも違う‥‥まさかマヂで羊‥‥?
「ふふふ、このお肉おいしいだろう?」
ッビク!!!
いやいやいや思考読んだ?えっ羊男こわっ!
「‥‥?どうかした?美味しくなかった?」
「いや美味いですよ?けど、食べた事のない肉なんで何の肉、なのかなあと‥‥」
ひきつった笑顔で聞いてみると羊男はニッコリ麗しい笑顔を見せて下さった。
「そうだった。君の所には無いんだったコレ。忘れていたよ。コレは私が育てていてね、丁度今が食べ時なんだ。」
「酪農でもされてるんですか?」
「ふふっ違う違う。実際に見てもらった方が早いかな。まあとりあえず召し上がれ」
「はあ‥‥」
「大丈夫。羊じゃないからさ」
ニッコリ。
変わらずニコニコ顔の羊男‥‥
てかバレてた!!
「フフフ‥‥」
そんなこんなで食事を終え(はっきり言って食べた気がしない‥‥)くそ長い廊下を永遠に歩いている。
さっきから気になってたけど人っこ一人いないなあ‥‥
「これからどこに行くんスか?」
「んー‥‥バルコニーだよ。あそこからだったら良く見えるしね。」
はあ?バルコニー?一体何見せる気だよ。俺肉の質問したんだよな‥‥?
訝しがっているといつの間にか開けた空間が広がり、巨大なバルコニーが奥にあった。
「さ、こっちだ」ギュッ
おいおいおいおい手を離せ、手を。
引きずられるままバルコニーに出る
すると‥‥
「はあっ?」
むせかえる程の緑の青々しい匂い 空には星が散りばめられ紫色をした巨大な月が2つ‥‥
そして何より近くには‥‥
「でっか!!」
肉厚?で人の大きさはあろう葉っぱだった‥‥
何コレどこのジャングルの奥地?!どこの秘境だよ?!
もうどっからつっこんでいいのか解んない‥‥
唖然と今だに手を握っている羊男をじっと見る。
マヂでなんなんだ。ここはどこだよ。喋る羊男とか人と同じ位のでっけえ葉っぱとか、2つの月とか、どれもこれもありえないだろ。
「ふふっびっくりし過ぎて真っ白って感じだね?」
羊男が粘着質な気味の悪い笑みを浮かべてる
「因みにさっき食べたお肉はこの葉だよ?君気になってたみたいだから、手っ取り早く君の所じゃあり得ない物を食べさせて、見せてみたけどどう?」
繋いだ手の力が少しずつ強くなってきた
「だって君、とっても面白いんだもの。
始めて来た所で、警戒心も何もなく知らないものは食べるし、
僕は君達の所で言う"人"じゃない事はとっくに解ってるのに普通に話しかけてくる」
黒の瞳孔が横に広がり、化け物じみた目玉
「それとも君の所は皆こんな感じなの?僕は一目見て、君だっ!! って決めたから他の"人間"は知らないんだ‥‥」
段々顔が近づいて来て、今更羊男のデカさを体感する
「ふふふふ まだ放心状態なの?本当に可愛いなあー」
目の前いっぱいに広がって‥‥
ちゅっ
「これでもう君は僕のもの!」
さっきとは全く違うふんわりとした笑顔を見せて
「これからよろしくね?」
今更だけど、俺どうしよう‥‥
ということで、羊男本領発揮です!もっとわがままにしたいのですが、わがままな見た目40代のおっさんて需要あるんですかね‥‥