表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
253/293

第253話 クーリッヒと蜘蛛との区切り

—聞け、同胞達よ!—


—マリラは倒れた。これより私がお前た達を率いる。森に帰り、私は族長と話をする。私と共に森に帰るよ—


—ナ、ナラ様!?し、しかし、族長の命令は…それに貴方は族長によって追放された—


—私に従え。いや、みんな私にもう一度族長と話す機会を与えてくれ—


—ナラ様…我が子らよ戦いをやめなさい。—


—お待ちしておりました。今、ナラ様の元に向かいます。—


蜘蛛達は次々に戦いをやめて引き上げていく。


「な、なんだ蜘蛛たちが引き上げていくぞ!?」


「ど、どういうことだ?」


冒険者や王国軍は戸惑いの声を上げる。


「戦いをやめろ。蜘蛛の一族を通せ。」

背後から蜘蛛の軍勢を攻撃していたアーガストの呼びかけで大王国エリシュオン軍は即座に戦いをやめた。

そして向かってくる蜘蛛の軍勢を避けて、蜘蛛の撤退を許したのだった。


ナラは蜘蛛の一族を率いて族長の元へと向かう。







迷宮都市クーリッヒは喜びに包まれていた。

蜘蛛の軍勢との戦いに打ち勝ち、ところどころで酒盛りしており、すべての冒険者が浮かれていた。


しかし、その中で凄まじい緊張感に包まれた場所がある。


ここは冒険者ギルドの会議室。

今まさに冒険者代表のアイリスとギルド長のキバ、王国騎士団長とナラが不在のため援軍として駆けつけた将軍 アーガストが大王国エリシュオンの代表として対峙した。また、その場には勇者ルーカスの姿もある。


「大王国エリシュオンよ、説明を。」

アイリスは鋭い目つきでアーガストを睨め付けてそう問いただした。


「説明?蜘蛛の軍勢を撤退させた。それだけのこと。」


「ならば、あのナラとかいう者はどうして蜘蛛と親しげだったのだ?精鋭部隊として参加した冒険者達が証言している。かの者が蜘蛛であったと。」


「だからなんだ?」

アーガストはあっけらかんとそう答える。


「だからなんだと!?」


「お前の前に立っている私もアンデッドだ。ナラが蜘蛛であることは大王国エリシュオンとしても知っている。我ら全ての種族は大王アリア様の下に一つの民だ。アンデッドだから蜘蛛だからと種族で括られてはいない。」


「ふざけるなよ!私達はこの街を壊した、仲間を殺した張本人の指揮に従い命を賭けていたのか!?こんなこと許されるはずがない。」


「それは貴殿らの私怨である。」

アーガストはバッサリとそう言い捨てる。


「なっ!?貴様ぁ!!」

アイリス今にも飛びかかりそうなほどに怒りを露わにする。


「待ってください!ナラさんは他の蜘蛛とは違います。ナラさんは本気で僕達との共生の道を模索しているんです!命をかけて!」


「勇者ルーカス…貴様までもモンスターに魂を売ったか!」

納得のできないアイリスはついに腰に下げている剣に手をかける。

アイリスが腰の剣に手をかけた途端、場の空気は凍りつき、その場にいる全員が戦闘体制に入る。


一触即発の空気の中、この会議室のドアが勢いよく開けられた。


「アイリスさん、待ってください!」

扉わ勢いよく開けたのは冒険者レオンだ。

身体は治療されていたるところが包帯で巻かれており、まだ体調が悪いのか顔は青ざめている。


「レオン、大丈夫なのか?」


「はい、なんとか動けるようになりました。皆さんの殺気が下の階まで漏れてますよ。落ち着いてください。」


「すまない。我とてSランク冒険者相手に油断はできないのでな。」

アーガストはそう言って漏れ出てしまっていた瘴気を抑えた。



「アイリスさん、ナラさんは少なくとも今回はこのクーリッヒと蜘蛛との戦いを終わらせるために戦ったと思います。」


「なぜだ?」


「僕は敵の大将と相打ちで死ぬはずでした。でも、ナラさんが解毒して助けてくれたんです。彼女がたとえ蜘蛛だろうと本当に味方として戦ってくれたんだと思います。」


「だが!あいつは蜘蛛なんだぞ!!」


「アイリスさん…終わりませんよ。」


「っ!?」


「そんなことを言い出していたら蜘蛛を1匹残らず駆逐しないかぎり怒りは続きますよ。俺たちは冒険者です。モンスターにやられて死ぬのは究極的には自己責任。夢を見た代償です。死んでしまった冒険者の無念は冒険で取り戻しましょう。」


「うぅ、そうだったな。我々は前に進まなくては。蜘蛛との戦いは終わらせないとな。」


「はい!アイリスさんは冒険者の代表なんですから!クーリッヒの冒険者はみんなアイリスさんの背中を見ています。アイリスさんが蜘蛛への剣を下げなければ蜘蛛のと戦いは終わりません。」


「すっーはー。我々はこれで蜘蛛との戦いは終わりにしたい。」

アイリスは落ち着きを取り戻し、アーガストにそう伝えた。


「あぁ、あとは我らの参謀殿がうまくやってくれるはずだ。もしも、上手くならなければ蜘蛛の一族とは我等の明確な敵となるであろう。」


「面白い!」「続き読みたい!」「最後まで見たい!」など思った方は、ぜひブックマーク、下の評価を5つ星よろしくお願いします!一言でも感想お待ちしております!!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ