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第246話 龍軍の撤退

ついに蜘蛛の軍勢がクーリッヒに到達する。


クーリッヒ軍、エリシュオン軍はクーリッヒの前に広がる草原に布陣し、これを迎え撃つ。


もちろんグラン王国、エリシュオン軍の本軍は未だ間に合ってはいない。


「ついに来たか、蜘蛛!」

アイリスは眼前に迫る来る蜘蛛の軍勢を視界に捉えた。


「龍軍、焼き払いなさい。」

ナラがそう言って命令を下す。すると軍の中から次々と龍が飛び立ち、赤龍アドネスを先頭にして隊列を組む。


そのまま蜘蛛の軍勢に急降下してゆき、ドラゴンブレスの一斉掃射をしながら蜘蛛を焼き払いながら進軍した。


蜘蛛達は焼かれて昆虫特有の鳴き声を出す。


「おお!!凄いぞ!!さすがは龍軍!!」

「竜王ダイヤの必殺の軍がこちらの味方だ!!なんで頼もしいんだ!」

「龍の軍…なんて凄まじいんだ。」

軍のあちこちから龍軍を賛美する声が上がる。


誰もが笑みを浮かべ、龍軍の力を目の当たりにしこの戦いを楽観視し始めている中で、ただ1人、ナラだけは険しい顔をしていた。


「アイリス、隊列を整えて。龍軍が堕とされる。」

ナラは隣にいるアイリスにそう言った。


「なっ、いや、わかった!!皆、隊列を整えろ!!蜘蛛が来るぞ!!」

アイリスは理由を聞かずにナラの言う通りに隊列を整え始めるた。


「私は精鋭隊を率いて本陣を狙う。一度下がり機を伺う。この防衛ラインは任せた、突破されないようにね。」

ナラはアイリスにそう言うと一度軍の中に下がって行った。





「焼け!焼き尽くせ!!我ら龍軍の威を示せ!」

赤龍アドネスは龍軍を率い、蜘蛛を焼き払う。


ナラからは空を飛ぶ蜘蛛や飛んでくる蜘蛛の糸に気をつけろと言っていたが、蓋を開けてみればただ無抵抗に蜘蛛は焼かれるだけだ。


アドネスはこのまま攻め上がり、本陣を攻め落とすことを決めた。


「このまま攻め上がり、敵本陣を焼き落とす!」

龍軍は各自咆哮をあげてアドネスに応える。



「アドネス様!!後ろが襲われています!!」

 

「なに!?どういうことだ!?」

アドネスは驚きの声を上げる。


「羽の生えた蜘蛛たちに後ろの龍たちが堕とされています!さらに焼き払ったところからも蜘蛛たちが続々と出て来ています。どうやら地面に穴を掘って凌いだ蜘蛛や、蜘蛛の糸でシェルターを使って凌いだ蜘蛛が多数いるようです!」


「アドネス様!アレを!!」

隣の龍がアレと言ったものは隊列を組み、今にも蜘蛛の糸を飛ばすところの蜘蛛たちであった。


「ドラゴンブレスで蜘蛛の糸を迎え打て!!」

龍軍は地上から放たれた蜘蛛の糸を一斉にドラゴンブレスを放ち蜘蛛の糸を防いだ。



キシャー!!


「なに!?グァ!!」

蜘蛛の糸に紛れて跳躍した大蜘蛛がアドネスの眼前に姿を表した。


その跳躍した大蜘蛛、バトルマスタースパイダーのダーラはその勢いのままアドネスの肩にその鋭い前脚を突き刺して貫通させた。


「クゥッ!炎纏!」

アドネスは龍の炎を纏い、突き刺されている蜘蛛の前脚から蜘蛛を焼く。


「ギィ、熱い。噛みついて毒を入れてやろうと思っていたが…これでは無理か」

ダーラはそう言うと前脚をアドネスの肩から引き抜き、身を翻して炎を払ってまた地上に落ちて行った。


「ちっ、あの短時間では燃えなかったか。」

アドネスは落ちていくダーラを見ながら舌打ちをした。


「アドネス様!!蜘蛛の攻撃が激しくもはや隊列を保てません!」


「仕方ない、一度高く飛び高度を上がるぞ!」

アドネスたち龍軍は立て直すために高度を上げていく。


しかし、羽の生えた大量の空蜘蛛が蜘蛛の軍勢から飛び上がり追撃を加えに行った。




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