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第243話 対蜘蛛への作戦会議

エリシュオンは早急に軍の準備を整えて、軍をクーリッヒへと向かわせる。


しかし、普通の進軍では蜘蛛の一族の進軍速度に追いつくことができない。


そこで、龍軍にルーカスを始めとした精鋭を乗せて一足先にクーリッヒへと向かわせた。

その中でナラは赤龍アドネスの背に乗り、誰よりも早くクーリッヒへと到着し、対同胞への対策を今回の冒険者代表 アイリスと話し合う。


「私は大王国エリシュオン参謀のナラ。よろしく、冒険者アイリス。」

冒険者の会議室にてナラはアイリスと2人で軍議を交わす。

まずはナラが挨拶をした。


「あぁ、よろしく頼む。早速だが作戦を聞こうか。」

アイリスも挨拶を返して早速本題に入った。


「あぁ、作戦は単純だ。こちらから打って出る。」


「なっ!?籠城戦ではないのか!?」

圧倒的な戦力差、援軍が待てる状況ということを考えるとどう籠城するかという点をアイリスは話し合う物だと思っていたため、ナラの発言に驚いた。


「蜘蛛の一族相手には籠城戦は不利と言わざるを得ない。蜘蛛の一族は易々と城壁を乗り越える。遮蔽物のある街は逆に蜘蛛の一族にとって地の利を与える。」


「しかし、城壁からの魔法や弓での一斉掃射は戦況に有利に運ぶはずだ。補給もしやすい。まさか本当に打って出てあの蜘蛛と正面からぶつかり合うのか?」


「こちらの持つ最強の火力は龍軍。防衛戦ではこの火力は生かしずらい。ならば、打って出るのが上策。」


「龍軍…かつての竜王ダイヤの最強の軍か。わかった。それで?我らの役目は?」


「敵の首領の首を挙げること。クーリッヒの冒険者はこちらの最高の手札。精鋭を選抜して欲しい。私と勇者ルーカスとともに敵本陣に切り込み、敵の首領を刈り取る。」


「わかった。最高の冒険者を送ろう。しかし、ナラ殿も行くのか?貴方は参謀なのではないのか?」


「蜘蛛のことは私が一番よくわかっている。乗り込むのに私以上の適任はいない。それに、もし敵の首領を討ち取ってもおそらく蜘蛛の軍勢は止まらない。」


「なっ!?大将を討ち取っても止まらないのか?」


「率いている蜘蛛を倒してもおそらく今度は率いられている上位の蜘蛛達が周りの蜘蛛たちを率いてクーリッヒを攻めるであろう。」


「ならば、無理に大将を狙いに行く必要はないのではないか?数を減らすことが一番効果的なのではないのか?」


「いや、この作戦で行く。それでも率いている蜘蛛を倒すことで大きな塊から小さな塊の集まりとなる。勝率はぐんと高くなる。」


「確かにな。わかった、ナラ殿に従おう。」 


アイリスが他の冒険者たちに作戦を伝え、冒険者の選別に向かうために早々に部屋を出た。時間がないのだ。もう数日のうちに蜘蛛はクーリッヒに到着してしまう。

迅速に行動できる彼女は優秀な指揮官だと言える。


そんな冒険者アイリスを見送ったあと、ナラはさらに思案を深める。




そう、だから私が行く必要があるのだ。


率いている蜘蛛を打ち倒し、統率を失った蜘蛛達が落ち着く前に、新たに率いる蜘蛛が現れる前に、同族達の主導権を一気に私が奪い取る。

私が追放されていようと関係ない。

おそらく、私の戦士達も多くこの戦いに参加しているだろう。

私を慕ってくれていた蜘蛛達も多い。


族長のいない戦場でなら、私ならばその場の同族達の主導権を握ることはできるだろう。



あの時は、私の主要な戦士は全て戦いに赴いていた。さらにマリラの策略によってダーラを始めとした森の戦士達は調略されていた。

だが、今回は同族は全力で攻めてくる。つまり、屈強な私の戦士や、私の味方も多くいるはずだ。


私はこの戦いで攻めてくる同族達の全ての主導権を奪い取り、返しの刃で族長の下に行き族長と話をつける。


それが私が思い描く今回の作戦だ。


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