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第234話 バーバルは切れている

「君が大王アリアちゃん?かぁわいいねぇ?」

バーバルは円卓の間に入ってくるとすぐにアリアの席の後ろに行き、後ろからアリアの顔を至近距離で見つめてにやっと笑ってそう言った。


「え、えぇ、初めまして。よろしくお願いしますわぁ。」

アリアはバーバルの顔があまりに近く少し戸惑いながら挨拶をする。


「クンクン。うん、美味しそうな匂いだ。」

バーバルはアリアの首元の匂いを嗅いで、さらに笑みを深め、口を大きく開けて吸血鬼の鋭い牙を晒す。


両隣に控えているナラがすぐにバーバルに向けて蜘蛛の糸を放ちバーバルを拘束する。

スケさんもすぐに反応し、腰に下げていた剣を抜き、バーバルの首に当てる。


隣の席の魔王アナスタシアは拘束の光の輪の魔法をバーバルに放ちバーバルを即座に拘束した。

魔王モグもすぐにアリアを自身に引き寄せてバーバルからアリアを守った。


「あははっ!流石に守りが硬いね!」

バーバルは拘束されながら笑う。


アリアを守った者たちはバーバルを睨め付け、警戒をする。


「えっ、今私、もしかして殺されそうになりましたのぉ!?」

アリアはやっと状況が理解できて驚愕の表情を浮かべた。


「ふぉふぉ、ナクアが参加した時の魔王会議を思い出すのぉ。」

ルーはそんなことを呑気に思い出して笑う。


「あーあ、残念!」

バーバルは拘束されたナラの蜘蛛の糸と魔王アナスタシアの魔法の光の輪を少し力を入れて容易く破壊し、スケさんが首に当てた剣先を指先で軽く押し返してからゆっくりと自分の席に着いた。


「やぁ!裏切り者の諸君、調子に乗った小娘、そして忌々しいカエル。ようこそ我が城へ。」

バーバルは魔王アナスタシア、魔王モグを見て、その次にアリア、そして最後にルーを見ながら満面の笑みでそう言った。



「ありゃ完全にキレてるな。」

魔王モグはゆっくりとアリアを席に戻してそう言った。


「アリア、油断するな。あれはブチギレている。」

魔王アナスタシアは席に戻されたアリアにそう言った。


「いきなり噛みつこうとするなんてなんて失礼なんですのぉ!?」

アリアは大声でバーバルに抗議する。


「失礼、あまりに美味しそうでね。あと、お前ら2人は覚悟はできてるんだろうな?」

バーバルはニコッとアリアに笑いかけて、その後その笑顔を浮かべたままアリアの両脇の2人の魔王をみる。


「負け戦に乗るほど俺はあんたに心酔しちゃいないんでね。」

モグはそう言って答える。


「負け戦だと?」

バーバルは笑顔を消してそう問い返した。


「あぁ、正直魔王アルモルドが討たれ形勢は決した。そして、次ルーに刈り取られるとしたら俺だ。だったら勝ち馬に乗るに決まっているだろう?」


「アルモルドが殺されようと別に大勢は変わらない。」

バーバルは鋭い目つきでモグを睨みつける。


「いいや、変わるね。魔王アルモルドの領地は要地だ。そして魔王アルモルドは死の軍勢を持つ強力な魔王だ。魔王アルモルドを失うことはお前が他の三大王と戦う上で凄まじい損失だった。なぁ、そうだろう?」

魔王モグはルーにそう尋ねる。


「ふぉ、その通りじゃ。じゃから儂はアルモルドを切り崩した。そして、容易に夜の国へ侵攻できるようにしたのじゃ。」

ルーはその通りだと答える。


「モグ、私にそんな口をきくなんてずいぶん調子に乗っているな?」

バーバルは次第にイライラが隠せなくなってくる。


「俺はもうこの子の派閥なんでね。」

モグはそう言ってアリアの背に手を添えた。


「アナスタシア、お前もその子の派閥に入ったとか。貴方には随分目をかけてやったはずだけれど?」

バーバルはイライラを燻らせながら今度はアナスタシアを問い立てる。


「すまないな。やり方を変えたんだ。生き残る為、ではなく、理想の世界を作るために私は戦うことにした。そのために必要なのは三大王バーバルではなく、新たな大王 アリアだ。」

アナスタシアはバーバルから目を逸らさず、そう言った。


「頭の中を花畑にでもされたの?貴方の理想の世界?そんなの私を裏切って私が作らせるわけないじゃない?お前の帝国は血の海に変えて地図から消してやるよ。モグ、お前もだ。お前の地下帝国はでかい墓穴だ。埋め直してやるから覚悟しなさい。」

バーバルはついに怒りを露わにして凶悪な魔力を放ち始める。


2人の魔王は警戒したように戦闘体制に入る。



「そんなことさせませんわぁ!」


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