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第229話 大魔王バーバルからの誘い

「なんでもすごく調子に乗っている奴がいるらしいじゃない?」

バーバルは玉座で血を飲みながら足を組んでそう言った。


「はっ!大王国エリシュオンのことですか?」

バーバルの最強の軍団 血盟騎士団、その団長であるバラードは跪いてバーバルに答える。


「えぇ、なんでも大王を名乗っているだとか?」

バーバルは不機嫌そうにそう言った。


「はい、大王アリアと名乗っているようです。」


「世界大同盟なる大同盟を使ったとか。帝国や地下王国もその連合に加入したとか?」


「はっ!魔王アナスタシア、魔王モグのバーバル様への明確な反逆行為かと!」

バラードは鋭い目つきでそう言った。そこには裏切った二人の魔王への怒りが見える。


「モグは殺そうと思っていたけれど、まさかあんなに目をかけてやったアナスタシアまで反旗を翻すなんて、ね?」

バーバルも不機嫌さがマックスになっているのか凶悪な魔力が漏れ出ている。


「はい。裏切り者です。」


「そうよねぇ?あぁ、すごく気分が悪い。呼べ、今すぐにその自称大王とアナスタシアとモグを。」

バーバルはそうバラードに命令を下した。


「っ、すぐに使者を送ります!」

バラードはすぐに玉座の間から消えるようにいなくなって動き始めた。



「世界大同盟?かなりの国が集まっているようだけれど、烏合の衆がいくら集まったところで我々三大王に勝てると思ってるの?絶対に勝てない覆ることのない力を持つから我らはこの世界で三大王と呼ばれているの。大王を名乗る実力がぽっとでの王にある?むかつくよね?アナスタシアもモグも私を見限った?ふざけるなよ?」

バーバルはそう言って持っているまだ血の入ったグラスを握りつぶした。


バーバルのアリアを呼び出す目的としてはもちろんムカついていることもあるだろうが、もっと大切な目的がある。


それはアリアを見極めることである。


もしも荒野の覇者のようなべらぼうな勢力ならば蟻とともに対処しなければ行けないし、大したことないのならば、勢力が拡大する前に芽を摘んで置きたい。

気になるのは、アナスタシアが裏切ったこと。

モグはこれから私に殺されるから新しい勢力に加担するのはわかる。

だが、アナスタシアは違う。

彼女は聡い。彼女が自称大王についたのには訳があるはずだ。


なんにせよ、一度その自称大王に合わなくては。











「アリア、ついにきたよ。大魔王バーバルからの召喚の手紙。」

ナラはそう言って一枚の豪華な黒い封筒を持ってきた。


「ゴクリッ、大魔王バーバル。大魔王ルーと並ぶ王ですわね。ついに、きてしまいましたか。」

アリアは大きく唾を飲み込んで緊張を露わにする。


「うん、魔王アナスタシア、魔王モグもこいって。」


「えっと、来いって、夜の国に来いってこと?」

アリアは首を傾げてそう言った。


「そう。」

ナラはそれを肯定する。


「…殺されるじゃないかしら?それむちゃくちゃですわぁ!?殺されるに決まっています!」

アリアは少しポカンとして、涙目になってナラにそう言った。


「でも、行かないと多分攻めてくるよ。」


「えっ?」


「向こうは自分の派閥の2人の魔王を引き抜かれているわけだから、相当切れてるよ。行った方がいい。今はまだバーバルと戦うには分が悪い。」


「こんなにたくさんの国が味方してくれたのにですか?」


「うん、何回考えても勝てるか怪しい。もし、まだ戦わなくていいのならばもっとしっかりと地盤を固めたい。」


「えっ、行くしかないってことですの?」


「うん、私も行くし、アドネスと龍軍を連れていく。それにアナスタシアにモグも行く。2人の魔王も相当な覚悟と護衛を連れていくはず。でも、どちらにせよ、いくしかない。」


「怖いですわぁ!!」

アリアはそう言って叫んだ。


「私も少しバーバルとは話さなくてはいけないこともある。この会談は行くよ。そして、向こうも手を出せないようにこちらも手を打つ。」


「なにか策があるのですの!?」

アリアはバッとナラを向いて期待する。


「大王ルーを連れていく。もうルーには使者を出して出席するという回答をもらっている。バーバルも渋々了承した。ルーが来ればバーバルは身勝手な真似はできない。」

すでにナラは策を講じていた。


「な、なるほど。」


「いい?バーバルは貴方を見極めに来る。怯んではダメ。こいつは侮れないと思われなければ、バーバルはお構いなしに攻めてくる。私たちにはまだ時間が必要。この会談の目的は時間稼ぎだよ。」

ナラはアリアの両肩に両手を置いてアリアに目線を合わせてそう言った。

覚悟を決めろと。


「うぅ、頑張りますわぁ!!」

アリアは重積を感じながらそう返事をしたのだった。


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