第227話 衝撃の告白
少女が大王国エリシュオンの使節団とグラン王国国王 オーリアとの間に、貴族の間を縫って現れた。
「なんだこの子は!?親は誰だ!?今は王と大王国エリシュオンとの大事な会談の場なのだぞ!!」
「早くその子を摘み出せ!」
「なんてことを!?相手が誰だかわかっているのか!?」
前に出てきたアリアを見てグラン王国の貴族達が慌てふためいた。
もしも、この目の前の怪物達の機嫌を損ねれば国が滅ぶ。
皆一様にそう危惧して冷や汗を吹き出している。
「今は大王国エリシュオンとの会談の最中である。下がりなさい。」
オーリア王は強い口調で出てきたアリアにそう言って睨みつける。
「はい、なのでお話しに参りましたわぁ。オーリア国王。」
アリアはゆっくりと大王国エリシュオンの使節団の前まで行き、使節団を背にしてオーリア王と向き合う。
その瞬間、誰もが自分の目を疑った。
アリアが前に出てくると大王国の使節団が一斉に膝をつき、臣下の礼をする。
オーリア王の前でも膝をつかなかった化け物たちが一斉に前に出てきた少女に向かい膝をつき、頭を深く下げたのだ。
「「大王アリア様、お待ちしておりました。」」
大王国エリシュオンの使節団が一斉にそう言った。
「そ、そなたが、大王アリアじゃと!?」
オーリア王は驚いて目を見開く。
「アリア!?どういうことだ!?!?」
ハードル伯爵が大量の汗を吹き出させ、アリアに大声で困惑の声を出す。
「皆様、初めまして!そして改めてまして、私が大王国エリシュオンの大王アリアですわぁ!!」
アリアは小さな胸を張ってそう言い放った。
ドンッ!
ハードル伯爵はあまりの出来事にふらつき、立っていられなくなり膝をついて放心状態となってしまった。
「あら、お父様大丈夫かしらぁ?」
アリアは口に手を当てて心配そうに父を見つめる。
「其方は、ハードル伯爵の娘なのか?ほ、本当に其方が大王アリアなのか?」
オーリア王は信じることができず、アリアにそう尋ねた。
「そうですわぁ!」
アリアは一瞬の間も置かずに肯定する。
「この方こそ、我らの大王アリア様だ。」
アーガストは顔を上げてそう言った。
「この方こそ、大王であり竜王である。空をも統べる偉大なる王、アリア様だ。」
アドネスも顔を上げてそう言った。
「彼女こそが、真なるこの世界の光。」
ルーカスも強い意志の目を持って顔を上げ、オーリア王を見つめる。
「そして、世界大同盟の盟主。全てを統べる王。」
最後にナラがそう言って締めくくる。
その場が静まり返る。
いまだに誰もが信じられずにいた。
だが、大王国エリシュオンの化け物たちはこの少女に膝をつきひれ伏した。
その事実だけが皆の頭の中を反芻する。
「大王アリア殿、貴殿は…魔王の残党達を従えなにをなすのじゃ?」
あまりの衝撃の事実にしばしの沈黙があったもののオーリア王は恐る恐る口を開き、アリアにそう尋ねた。
「私は全ての者が笑い合い助け合えるそんな世界を作りたいのです!ここにいるもの達は皆、私を信じて私を助けてくださる私の民であり、私の仲間ですわぁ!」
世界に混乱と恐怖と死を振り撒いていた魔王の軍団達を従え、その軍団に崇められる王が救世を求める。
あまりにも歪。この場にいる誰もがそう思う。
「そうか。其方の掲げる世界大同盟の約定に偽りはないか?」
「ありませんわぁ!侵略は許されない、奴隷は許されない、お互いにお互いを助け合う。全ては私の庇護の下にこの世界同盟は成立致します!」
アリアは堂々とそう言い切った。
「我ら世界大同盟はすでに大王バーバル、大王ルーと互角に渡り合える戦力を持った。もう世界は我らを含めた三つの勢力で拮抗しつつある。我らはこの拮抗した間に、更に諸国を吸収し、バーバルやルーよりも大きな戦力となる。」
ナラは補足するようにそう言った。
「なるほど…では我らも世界大同盟に加入するとしよう!」
オーリア王はしばし考えたあとそう決断する。
大王国エリシュオンの今回の目的はグラン王国の吸収である。
グラン王国は交通、貿易の要所だ。さらにラストダンジョンからの豊富なダンジョン資源を有する国だ。早急に吸収することは大王国エリシュオンにとっては急務である。
参謀のナラとしては武力を行使してでも欲しい要所の国。
だから、オーリア王の加入するという言葉を聞いて少し大王国の使節団はほっとした。
さらに交渉はこちらから加入するように強要するのではなく、向こうから加入したいという要請を受け入れる最高の形でグラン王国を吸収できた。この交渉は極めて上手く行ったと言えるだろう。
アリアがグラン王国の加入を了承すれば、正式にグラン王国が世界大同盟に加入することとなる。
「…いえ、まだ貴方達は世界大同盟に加入させることはできませんわぁ!!!」
アリアは高らかにそう言った。
グラン王国の人々も、大王国エリシュオンの面々も驚きに口を開けて固まりどよめきが走った。
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