第225話 久しぶりに縦巻き会いましたわぁ!
「パーティーなんて意味ありますの?」
アリアはパーティーの身支度をしながら憂鬱そうな顔をして父にそう言った。
「大いに意味がある。社交の場であると同時に、政治的な駆け引きや情報交換の場でもある。そして、お前には結婚相手を探す場としてのも良い場所だ。これは立派な仕事だ。」
ハードル伯爵はそう言ってアリアにパーティーの必要性を説明する。
「けっ、結婚相手ですか!?お父様、気が早すぎますわぁ!」
アリアは顔を赤めてそう言った。
「早いことはない。別にもう許嫁がいてもいい。結婚は家と家の繋がりを強くする極めていい手段だ。」
「では、お父様とお母様も?」
アリアは少し聞きづらそうに父に聞いた。
「いや…恋愛結婚だ。」
ハードル伯爵は頬を少し赤めて恥ずかしそうにそう言った。
「じゃあ、口を出さないでくださいまし!」
ちゃんと恋愛結婚だったことにアリアは拍子抜けして父をキッと睨んだ。
「しかし、私たちもこう言う社交場で出会ったのだ。お前もそういういい出会いをしてほしい。」
「余計なお世話ですわぁ!」
アリアはそう言って頬を膨らませて不機嫌になる。
パーティー会場に着いたアリアとハードル伯爵は用意されたドリンクを受け取ってテーブルに向かう。
どうやら立食式のパーティーのようだ。
「はぁ、スケさんも連れて来たかったですわぁ。」
アリアはドリンクを回しながらつまらなそうにそう言った。
父はテーブルにつくとすぐにどこかの有力貴族に話しかけられてどこかに行ってしまった。
「あら、アリアさん。お久しぶりです。」
いつぞやのワイバーンを従えていた縦巻きの女の子がアリアの前にあらわれた。
この子の名前はオラーツ・シャリア。オラーツ公爵家というところの子で、爵位は私の家の伯爵家よりも上だ。
「お久しぶりですわぁ!シャリアさんも来ていたのですわね!」
アリアは久しぶりに会った学友に顔を明るくする。
「当たり前です。私は公爵家の人間ですもの。今回のような緊急事態にはすぐに王都へ駆けつけます。貴方も頑張って駆けつけたのでしょう?うふふ、あのスケルトンを連れて。」
シャリアは意地悪そうに笑ってそう言った。
アリアのハードル伯爵家とオラーツ公爵家は仲が良くない。犬猿の仲とも言えるほどだ。
だから、シャリアはアリアに事あるごとに突っかかっているのだ。
「えぇ!もちろんスケさんはいますよ!ワイバーンを連れてくるよりも心強いですもの!だってワイバーンよりも強いことをあの時に証明致しましたし!」
アリアも少し嫌味を含ませてそう言った。
「うぐっ!あの時のドラコちゃんは少しおかしかったのよ!それに!あの時の私だとは思わないでくださいまし!私はあれからさらに二匹のワイバーンを従えて三匹の亜竜の主となりました。あ・な・たとは才能が違いますの、才能が!」
普通のテイマーならば、Eランクモンスターを2〜3匹従えるので精一杯である。
しかし、シャリアはこの歳でDランクのワイバーンを使役している。
これは本当に凄いことである。
捕まえるのはもちろん家の力を使っただろうが、3匹のワイバーンを従えるには相当なテイマーとしての実力があり、それなりの統率力や魔力を要求される。
ちなみに、アリアは竜王となり数百匹の成龍の主人である。
「それは素直に凄いですわぁ。おめでとうございますわぁ!」
シャリアの天性の才能と凄まじい努力をアリアはすぐに気づきすごいと思い、素直に賞賛を送った。
「えっ?えぇ!私はすごいの!なんて言ったって私はオラーツ公爵家の者ですもの!」
賞賛されるとは思っていなかったシャリアは少し戸惑ったが、胸を張ってそう言った。
「はいはい、わかりましたわぁ。あっ、シャリラちゃんあっちに美味しそうなケーキがありますわぁ!行きましょ!」
アリアはシャリアの後ろに見えたケーキを見てそう言ってシャリアの手を掴みケーキに向かって行った。
「えっ!?ちょ、気安く呼ばないで頂ける!?私と貴方とでは貴族としての格が違いますのよ!格が!」
シャリアはちゃんづけされて呼ばれたのが恥ずかしかったのか、手を引かれているのが恥ずかしいのか、またはその両方か、顔を恥ずかしそうに赤めて慌てたようにそう言った。
「でも、美味しいものは一緒に食べられますわぁ!早くしないと無くなっちゃいますわぁ!」
アリアはシャリアのことを気にする様子はなく、シャリアの手を引いてどんどんケーキに向かっていく。
「ちょ、アリアさん、お皿とフォーク持っていかないと貰えないじゃないの!」
シャリアはケーキに向かっていくアリアにそう言って、アリアの手を振り払ってお皿とフォークを自分の分とアリアの分を持ってきた。
「あははっ!ありがとう、シャリアちゃん!」
アリアは楽しそうにシャリアからお皿とフォークを受け取る。
「ふん!今度私のワイバーンを見てみなさいな!それで私がどれだけ凄いか分かるはずよ!」
シャリアは照れ隠しのようにそう言った。
「うん!なら私の熊さんも見せてあげますわぁ!きっと驚きますわよぉ?」
アリアも意地悪そうに目を細めてそう言った。
「望むところよ!今度私の家にいらっしゃいなさいな!」
「なら、私の家にも今度来て欲しいですわぁ!」
2人は仲良く笑い合ってパーティーを楽しんだ。
思ったよりパーティーも楽しいと思ったアリアであった。
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