第223話 ナラと相談しますわぁ!
「えっ、アリアもいくの?」
アリアから相談を受けたナラは顔をかしげる。
「うん、お父様の付き添いで行くことになりましたわぁ。どうしましょう。」
「むぅ…。」
ナラは難しい顔をして考え込む。
「やっぱりだめだった?」
アリアは不安そうな顔をしてナラを上目遣いで見つめる。
「いや…ふふ、案外いいかもしれない。」
ナラはそう言って笑った。
「えっ、どういうこと?」
アリアはそう言って頭をかしげる。
「私たちの世界大同盟に入るにあたりグラン王国にとって一番の懸念点は何だと思う?」
「んー、信用できるかどうかですかぁ?」
アリアは顔を傾げてそう言った。
「その通り。モンスターや魔王の残党を束ね、さらに魔王と同盟を結んでいる大王。聞くだけで信用はできないし怖い。」
「まぁ、そうですわね。」
アリアは頷いた。
「しかし、その大王が自国の有力貴族の娘だったと知ったら?」
「驚きますわね。」
「それは、もちろん驚く。そしてグラン王国はこう考える。もしも信頼できるのなら、大王国の武力を、そして庇護を得られる。他の国より有利に友好的に。なぜならば、その国の王は元は自国に貴族なのだから。」
「確かに!って、待って!正体をバラすということですのぉ!?」
アリアがそう言って目を見開く。
バタンっ!とアリアとナラがいる部屋のドアが開けられた。
「最高のタイミングでやろうぜ。一番面白いタイミングで、一番驚くタイミングで!」
スケさんが扉を開けてそういって入ってきた。
「…盗み聞きしていたの?」
ナラは驚く。こんな低位のモンスターにもかかわらずナラに気配を悟られず盗み聞きしていたのだから。
やはりただのスケルトンではない。
ナラはスケさんに対する警戒をより一層高める。
「いいえ、いいんですわぁ。スケさんはなにを聞いても!」
「あはは!そうだよな!わかったかい参謀君、面白い話は俺も呼んでくれよ?」
ビシッとスケさんは骨の指をナラに向ける。
「貴方を呼ぶ必要はない。」
ナラは冷ややかな目でスケさんを見ながらそう言った。
「そんなぁ。アリア、お前の部下が冷たすぎる。」
スケさんはそう言ってアリアの頭に肘を置く。
「2人とも仲良くしてくださいまし。スケさんは王都に行く時も私の隣にいてもらうので、心配ないですわよ!」
アリアは頭に置かれた肘を両手で退けながらそう言った。
「あははっ、やったね!」
スケさんはニカっと笑ったようにナラを見る。
表情は骸骨だから変わらないが。
「…もしもここで正体をうまく明かすことができればもっと国務に集中できるね。」
ナラはスケさんを無視してボソッとそう呟いた。
「えっ?」
アリアはポカンとする。
「やることは沢山あるんだよ?私が今代わりにたくさんやってあげてるけど、やってあげられないこともたくさんある。アリアにしかできないことや、貴方がこの国の王なのだから本当に大切な判断は貴方が判断しなければならない。」
「そ、そうですわね!」
アリアは後退りながら返事をする。
「これから外交も増えてくる。もちろんアリアがやることは最小限にして私ができることは私がしてあげる。でも、これからおそらくバーバルやルーとも会談もあると思う。流石にその会談に私が代わりに話すことはできない。」
ナラはアリアが後退った分だけアリアに詰め寄る。
「うぅ。」
アリアは俯く。
「だから、ここで正体を明かすのはとても賛成。早くバラそう。」
ナラはそう言ってニコッと笑った。
「なんだか行きたくなくなってきましたわぁ。お父様もあまりいいイメージを持ってはいないでしょうし…驚かせてしまいそうです。」
アリアは冷や汗をかきながらそう言った。
「あっはは!当たり前だろ!娘がいつの間にか大王になっていたらそりゃどんな父親だって驚くさ。」
スケさんはそう言ってカラカラ笑う。
「うん、でも、立場は悪くはならない。もしもアリアが普通の魔王であれば、貴方の父は凄惨な最後を迎えたかもしれないけれど、貴方は力を持ちすぎた。むしろ、国中の貴族が貴方の父親に媚びへつらう。」
「怖いこと言わないでくださいまし。」
アリアは意地悪を言われたとばかりに頬を膨らませる。
「いや、本当に。アリアが大王になる前にバレていたら一族郎党処刑されてたと思うよ。」
ナラは真顔でそう言った。
「えっ、本当に?」
アリアは顔を真っ青にして2人を見る。
「まぁ、そうだろうな。」
スケさんは顔を背けてそう言った。
アリアはさーっと血の気が引いてふらつくのであった。
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