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第216話 交渉破談

謁見を許された俺たちはすぐに玉座の間に案内され、玉座に座っている新たな巨人の王ア・ベルゲルの前に跪く。


「俺が巨人の国の王ア・ベルゲルだ。エルフの国の使者 大精霊術師のポッシル殿。」

巨大な玉座に座っている正義の巨人ア・ベルゲルが不敵の笑みを浮かべながらそう言った。

この反乱での激戦のせいか身体のところどころに生傷が見られる。


「この度は反乱の手助けにならばと思い、勇者と共に駆けつけた次第です。間に合わず申し訳ありません。」

ポッシルはそう言って謝罪をした。


「おぉ、こんなに心強い援軍が控えていたとはもったいなかったな。大精霊術師に魔王を討伐した勇者パーティー、まさに救国の顔ぶれだ。」

ア・ベルゲルは嫌味でもなく本当に勿体なさそうにそう言った。


「改めてお詫び申し上げます。」

ポッシルは改めて謝罪をし、頭を下げる。


「仕方ない、エルフの国と我が巨人の国は遠い。むしろ、我らのためにここまで来てくれたことに礼を言おう。」


「ありがとうございます。我らエルフの国は巨人の国と共に戦いたいと思っております。今一度、今の2人の大魔王、二王に対抗するために人類は結束するべきです。我らエルフの国 エルランドと獣王国、そして巨人の国で同盟を結び人類の大連合を発足させましょう!」

ポッシルは早速今回の本題である同盟の話を持ち出した。


「…たしかに、あの2人の大王と戦うためには一つの国では太刀打ちできない。」

ア・ベルゲルは少し考えてポッシルを見てそう言った。


「はい、また三国で同盟を組み対抗しなければいけません。」


「だが!申し訳ないな、ポッシル殿、我らはもう新たな大王との盟約を交わした!」

ア・ベルゲルはそう言い、ポッシルに謝るとニカっと笑った。


「あ、新たな大王!?」

ポッシルは新たな大王という単語に驚いた。


いや、ポッシルだけではない。この場にいる全てのものが驚いた。


「新たなる大王国 エリシュオンと盟約を交わし、我ら巨人の国は大王アリアを盟主とする世界大同盟に加入した!!」

ア・ベルゲルは高らかにそう宣言した。


「大王アリア!?大王国 エリシュオン!?世界大同盟!?なんですか、それは!?どれ一つとして聞いたことがありません。」

ポッシルと勇者たちは動揺する。


そして、クローバーのメンバーはダラダラと汗を流してお互いを見合った。


コツコツとポッシル達が跪いている後ろから1人の美女が歩いてくる。



「大王アリアは王の中の王。全てを治める王となる者、そして大王国 エリシュオンはアリアの国、エリシュオンの戦力はすでに他の大王と対等に戦える。世界の国々はアリアを盟主として一つとなる。全てのものはアリアの一つの民へ。」

ナラはそう言って、ポッシル達の正面、ア・ベルゲルの隣にきてそう言った。


「貴方は?」

ポッシルはそう言って歩いてきたナラに質問した。


「ナ、ナラさん!?」

ナラを見てルーカスが驚いた顔をする。ほかの勇者パーティーも驚いた顔をした。


「げっ、嘘でしょ!?」

ルーファも嫌な顔をした。



「どうやら知らないのは私だけのようですね。」

そう言ってポッシルはマーミヤに誰か尋ねるように目配せした。



「彼女は魔王ナクアの右腕のナラです。凄まじい強さを持つ蜘蛛です。」

マーミヤはポッシルの目配せに答えるようにそう言った。


「えっ?エリシュオンの参謀じゃないの?」

ルーファはそう言って不思議そうな顔をする。


「そう、私は族長に罰せられて追放された。今は大王国の参謀をしている。そして今、我らは巨人の国の窮地を救い、巨人の国は世界大同盟に加盟した!」

ナラは笑みを浮かべてそう宣言した。


「えっ…」

ルーカス達は目を見開く。

あの逃亡の後ナラが罰せられたことを知って。


「これで、帝国と巨人の国が加盟した。そして、魔王アナスタシアは魔王モグを説得し、地下王国もこれから世界同盟に加盟する。」

ナラは笑みを深めてそう言った。


「人類と魔王の混成の同盟!?」

マーミヤが驚いたように言った。


「その同盟では侵略は許されない、奴隷は許されない、お互いにお互いを助け合う。大王アリアの庇護の下にこの世界同盟は成立する。そして、巨人の国がこの同盟に入る意味は大きい。我らは旧魔王アルモルド領も取り込み、これで大陸を縦断するように同盟国が並んだ。」


「そんな大陸を縦断するような同盟…そうか!そう言うことか!!」

ポッシルはハッとしたように言った。


「ふふっ、大陸の全ての国はもう私の糸に囚われた。全ての国はもう動けない。南はルー、北はバーバル、そして大陸の中央には我らの世界同盟加盟国。全ての国はこの三国の緩衝地帯となり、そして、選択を迫られた。三大王のどの国に与するのか。」

ナラは笑ってそう言った。


「もしも、本当に大王アリアが他の大王と並ぶ力があり、加えて2人の魔王の軍事力と経済力、人類の最強の国 巨人の国が加盟している同盟。そして、大王に挟まれている現状、もう普通の国はどこかの大王の庇護下に入るしかない。」

ポッシルがナラの話に続けてそう言った。


「そう言うこと。すごいね、これだけの情報でよくここまでわかるね。」


「それはこちらのセリフですよ。なんなんですか、貴方は。これだけの策略をめぐらせてそれを為せる。化け物、ですね。大王アリア様と言うのはどう言う人なんですか?」


「大王国エリシュオンは、大王アリアの名の下に魔王ブーモル、魔王アルモルド、竜王ダイヤその全てを取り込んだ国家。全てアリアの下に集ったんだ。」


「どんな化け物ですか…ふふっ、しかし、そんな化け物の下にいくら巨人の国が加入したからといって人類の国々がそう簡単に集うでしょうか?我々獣王国、エルランドの同盟が発足した今、こちらにまだ分はあるはずです。」


「ふふっ、それはどうかな?」

ナラはそう言って笑う。



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