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第215話 あれ、反乱終わってる?

「な、なんだ?」

荒野を移動していると急に揺れを感じたドルフがそう呟いた。


「運が悪いね。たぶんジャイアントワーム。」

リーナはそう言って剣を持って立ち上がる。


地面から数体の巨大なワームが飛び出してくる。

口は螺旋状の歯が生えており、粘稠度の高い唾液を撒き散らしている、


「きもちわる。」

アベリオはワームを見てそう言った。


皆が戦闘体制に変わる。


「大地の精霊よ 彼の者達を貫け。」

ポッシルは杖を掲げて精霊と交信し精霊術を行使する。


地面から突き出た杭に全てのワームが貫かれて体液を撒き散らしてあっという間に絶命する。


「こ、これが大精霊術師の力…」

ルーカスは地面から飛び出した巨大な杭に貫かれたワームを見てそう呟いた。


誰もがその大精霊術師の力に驚く。


「さすがお父様!!」

マーミヤは目をキラキラとさせてそう言った。


「龍の国に攻め入った時は軍が逃げる時間を稼ぐためにその力を持って、大地を競り上げルーの軍勢を足止めしたと言う。流石は大魔王に挑んだ英傑の1人ということですね。」

アリも驚いたようにそう言った。


「私など大したことありませんよ。我々精霊術師は精霊がいなければただのエルフですから。すごいのは精霊です。さぁ、さっさと荒野は抜けてしまいましょう。」

ポッシルは謙虚にそう言って馬車を走らせる。


「その強力な精霊と契約し、その精霊の力をその精霊以上に使いこなす。それがどれだけ難しいことか。どれだけの修練と精霊と交信を重ねればこれだけの精霊術を即座に使えるのか、私にはわかりません。」

マーミヤは尊敬の眼差しで父であるポッシルを見る。


「はぁ、それをすべて才能でやってしまう人もいますがね。」

ポッシルはワームが出た時に杖すら取らずに白銀の後ろに即座に隠れたルーファを見て、ため息を吐きながらそう言った。


その後はモンスターなどは出てこずに俺たちは無事荒野を抜けて巨人の国の領土についた。





「ここが巨人の国か。」

巨人の国の国境を越えてジンがそう呟いた。


「やっと着きましたね。まずはア・ベルゲルがどこにいるのか調べないとですね。」

アリルはそう言ってジンの呟きに答える。


「まずは首都 ジャイ都を目指しながら街を見つけたらそこに入りましょう。」

ポッシルはそう言って馬車を走らせる。


俺たちはジャイ都を目指しながら馬車を走らせると一つの城塞都市が見えた。


「…これは激戦だったようですね。」

マーミヤは目の前の城塞都市を見て呟く。

巨人によって作られた城壁は人間の作るそれよりもはるかに高く、厚い。

その城壁は無惨にも壊されており、激しい攻城戦があった事を物語っている。


「ねぇ、これ終わってるんじゃない?」

アリルはこの城塞都市を見てそう言った。


「終わっているならばそれはそれで好都合。ア・ベルゲルと同盟交渉に移ります。」

ポッシルはそう答える。


「とりあえず、住民に話を聞いてみよう。」

ルーカスはそう言って城塞都市に入って行った。



「ア・ベルゲル様がやってくれたんだよ!!やっとア・テスの圧政から解放される!巨人の国は生まれ変わるんだ!!」

1人の住民の巨人を呼び止めてなにが起きたのか聞くと、やはり反乱軍が次々と城を攻略しているようだ。

かなり進軍しているらしく、もう首都まで攻め上がっているのではないかと言う話だ。


「すぐに向かいましょうか。」 

ポッシルはそう呟いて馬車に再び乗り込んだ。

ポッシルに続いて他のみんなも乗り込んでいく。


「白銀、これはもう終わっているみたいだな。美味しい依頼だったかもしれない。戦わなくていいのだから。」

ルーファは笑みを浮かべながらジンにそう言った。


「そうですね、ただの旅行でしたね。巨人の国の有名な食べ物ってなんでしたっけ?ジャイアントピッグの丸焼きとかありましたよね?ジャイ都にいったらみんなで食べましょうよ。」

アリも笑みを浮かべてそうルーファに言った。


「お前、あれがどれだけでかいかわかっているのか?巨人数人でも食べきれないらしいぞ?やってやろうじゃないか!」

ルーファとアリは反乱が終わってそうだと思うと急に楽しそうに会話を始めてグルメの話で盛り上がる。


「お父様、この女を殴ったら私は罪に問われますか?」

そんなルーファを見てマーミヤはムカついて杖を振り上げる。


「マ、マーミヤ落ち着け!杖を下ろすんだ!」

ルーカスがマーミヤの後ろから羽交締めにして今にも杖でルーファをぶっ叩きに行こうとするマーミヤを必死に止める。


「ポッシル殿、娘が反逆罪を犯そうとしているぞ?」

ルーファはジンの後ろに隠れてポッシルにそう言った。


「はぁ、ルーファ様、気を引き締めてください。反乱が終わっているわけではありません。いつなにが起きてもおかしくないのです。」

ポッシルはため息を吐いてルーファにそう言った。


「いや、もう正義の巨人の勝ちだろう?」

ルーファはそう返す。


「まだ交渉が残っています。」

ポッシルはそう返す。


「それはお前たちの仕事だ。」

ルーファはそう言ってそっぽむく。そう、ルーファは冒険者として護衛の依頼を受けてここにいる。確かに交渉はルーファ達の仕事ではない。


「お前は何にも仕事してないじゃないか!」

ルーファの態度にたまらずにマーミヤが怒鳴りつける。


「不敬罪って知ってるか?」

ルーファはそう言って細目で答える。


「知ったことか!」


「まさか私の娘とルーファ様がこんなに相性が悪いなんて。」

ポッシルは手で顔を覆って絶望したようにそう言った。



俺たちはそんなことを言いながら首都を目指す。







「これは終わってますね。」

ポッシルは目の前の首都を見てそう言った。

首都はところどころ煙が上がり、城門はこじ開けられ、城壁は崩れ落ちていた。


凄まじい激戦が繰り広げられて攻略されたことはわかる。



とりあえず、ア・ベルゲルに合わなくてはいけない。


俺達はエルフの国の使者としてア・ベルゲルに謁見を申し出てその日のうちに会えることとなった。



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