第203話 猛将フェリルの帰還と同盟
「戻ったぞ!!猛将フェリル様が戻ったぞー!!」
「やるぞ!俺はやるぞー!!猛将フェリル様、我らと共に戦場に!!」
「フェリル様ー!お待ちしておりました!!」
「勇者様!ありがとうございます!!」
勇者ルーカス達は無事に猛将フェリルを連れて獣王国に到着した。
猛将フェリル帰還の報はすぐに王国中に知れ渡り、巨大な士気となった。
勇者ルーカス達はまた新たな偉業を成し遂げた。
獣王国全土に勇者ルーカスの功績は届き渡り、勇者ルーカスの名は轟いた。
「我々はエルフの国エルランドより参った!!今もう一度手を取り合いこの世界の覇権を取り戻そう!!獣王国の民たちよ!猛将フェリルは戻った!滾れ、牙を剥け!今こそ大魔王にその鋭い爪を突き立てるのです!」
そして、見計らったようにエルフの国よりポッシルの大使者団が到着したのだった。
ポッシルは城に向かう途中獣王国の民達にそう言って激を飛ばしながら向かった。
獣王国の民達はエルフの国 エルランドの使節団を熱く迎え入れ、その使節団の後ろに何千、何万と獣王国の民たちが着いていき、獣王国は凄まじい熱気に包まれた。
獣王国の城の玉座に獣王国 獣王ライオネスが座り、その前にエルフの国の大使 ポッシル、勇者ルーカスが跪き謁見する。
そして、少し離れたところに猛将フェリルがいた。
獣王ライオネスは頬付きを付き、不機嫌そうに見下ろす。
「ふむ、もう一度大同盟を組めと?」
獣王ライオネスは玉座からポッシルを見下ろしながらそう言った。
「はい、もう一度我ら大国三国が手を組み立ち向かうのです。」
ポッシルは跪きなら冷静にそう言った。
「無駄だな。今同盟を組んだとしてもバーバル、ルーに対抗できるとも思えない。あの時とは状況が違いすぎる。いや、むしろ刺激することになり、その矛先は我らに向く。今は力を蓄えるべきでは?」
ライオネスは冷静だ。鋭い捕食者の眼光でポッシルを見つめながらそう言った。
「どちらにせよ、一国では立ち向かうことは叶いません。ここは猛将フェリルが帰還した国の士気が高いうちに同盟を組むのが得策。」
「そもそも巨人の国は今大内乱状態。同盟を組むどころではない。」
ライオネスは話にならないと一蹴する。
「僕たちが巨人の国に行き、必ず内乱を収めてきます。」
ルーカスは胸な手を当てて力強くライアネスに進言する。
「ほう?勇者殿が行くとな?猛将ファリルを連れて帰ってきてくれたことには感謝をする。お前は我が国の英雄と言ってもいい。しかし、内乱を収めることがどれだけ大変なことかわかっているのか?そもそもどちらの味方をする気だ?王か?それとも反乱を起こした側か?どちらに着いて反乱を収めるのだ?」
獣王ライオネスは玉座を苛立ったように指でトントンと叩きながらルーカスに尋ねた。
「それは…向こうに行ってから見極めます。」
ルーカスは言い淀みそう言った。
「愚か者が!お前は勇者なのだろ?為政者ではない!私から見ればお前はただの剣だ。敵を殺すためのな。お前にどちらが正しい、どちらの味方についた方が良いかの判断できるのか?判断したとしてそれは正しいのか?」
ライオネスは牙を剥き出しにしてルーカスに怒鳴る。
「それは…」
ルーカスは落ち込んだように下を向く。
「他国の内乱に手を出すということはあまりしない方がいい。時にそれは侵略行為と同意となる時もある。」
「そこまででよろしいかと。勇者にそこまで求めるのは酷でございます。それにどちらにせよ介入するおつもりでしょう?」
ポッシルはそう言ってライオネスに向かってニヤリと笑った。
「ふむ、そうであるな。人類にとって巨人の国の協力は必要不可欠。早期の内乱の終結が望ましい。」
「意地悪がすぎるぜ。こいつは恩人だ、あんまりいじめてくれるな。同盟も獣王国は組むつもりだぜ。いや、もう組まざるを得ない。ほんとお前ら策士だよな。俺が帰ってきて国の士気が最高潮のタイミングでこんな大規模な使節団で来て同盟の話を持ってきたら王は組むしかない。国民の士気に応えるためにな。ここで組まなければ民からの王への信頼、信用、そして力を疑われてしまう。もう俺たちはお前たちエルフの手を取るしか無いんだ。」
猛将フェリルはそう言ってルーカスを庇うようにルーカスの前にたち、自らの王にそう言ったあと、ポッシルの方を向いて獰猛な笑顔を浮かべる。
「ふん!そういうことだ。」
ライオネスは不機嫌そうにそう言った。
ポッシルの策略にまんまとハマったのが気に食わないのだ。
「すまないな、ルーカス。王はお前に当たってるだけだ気にしないでくれ。」
猛将フェリルはルーカスにそう言った謝った。
「しかし、ライオネス王の言っていることは正しい。」
謝られたルーカスは俯いてそう答える。
「ふん、それぞれの役割があるということだ。勇者には勇者の、王には王の。ルーカスよ!内乱を鎮めると言ったな?ならば巨人の国に赴き反乱を起こした側に付け!内乱を鎮めるのではない、内乱を逆に激化させて反乱を成功させ巨人の王ア・テスを討ち取るのだ。」
ライオネスは玉座から立ち上がってルーカスにそう命じた。
「えっ!?」
ルーカスはまさかの反乱を起こした側の味方をして反乱を激化させることを命令されるとは思わず驚いた。
「やはりそちら側ですか…」
ポッシルはライアネスの言葉を聞いて考えるようにそう言った。
「今の巨人の王ア・テスはろくでもないやつだ。弱い奴は殺し、自分に従わないものも殺す残虐な王だ。それに対して反乱を起こしている者はその王の弟、正義の巨人と言われるほどの人格者だ。今まで幽閉されていたが先の大敗した大戦後の反乱にて祭り上げられ、本人もやる気らしい。この反乱が成ればその正義の巨人ア・ベルゲルに大きな恩が売れる。そうすれば同盟の話も通しやすいだろう?」
ライオネスはルーカスに自分の命令の意図を説明した。
「なるほど、そういうことでしたか。」
ルーカスは納得したようにそう言った。
「だが、一つ問題がある…」
ライオネス王はすごく言いづらそうにする。
「なんですか?」
ルーカスは不安げに尋ねた。
「軍が、出せませんね…」
ポッシルが残念そうに言った。
「そうだ、ポッシル。巨人の国は龍の国、魔王ミンクの国、魔王ジンジュの国と接し、さらに荒野にも接する。さらにここからはかなり距離があり間には様々な国がある。我が軍やエルフの軍が巨人の国に大挙としていくことは叶わない。先の対戦では凄まじいほど多くの手札を切って進軍することが許されたが、もうそういうわけには行かない。」
「なるほど、では僕たちのパーティーだけでしか行かないと?」
「いや、私も行きましょう。私が行き、正義の巨人と直接交渉します。そして、反乱の助けとなりましょう。」
ポッシルは胸に手を当ててそう言って名乗り出た。
「おぉ、ポッシル殿が行ってくれるか!それならば心強い!わははっ!!」
ライオネスは上機嫌になってポッシルに言う。
「これが狙いだったのでしょう?どうですか?仕返しできてスッキリしましたか?」
ポッシルは目を細めて呆れたようにそう言った。
「スッッキリじゃ!!」
ライオネス王は満面の笑みである。
ルーカスはあぁ、この王様負けず嫌いなんだなぁと場違いにも思ってしまった。
「まぁ、いいですよ。そうなると思ってエルランドのことは守り手に任せてきました。半泣きでしたが…」
「では、勇者ルーカスとポッシル殿は旅の支度を。必要なものはこちらで全て揃えさせよう、其方らに期待する。」
ライオネスは玉座に座り直してルーカス達にそう言った。
「必ずや正義の巨人ア・ベルゲルの協力を得てきます!」
ルーカスは強い意志のある眼光を持ってそう言った。
「やれることだけはやりましょう。」
ポッシルもそう言ってライオネス王に頭を下げる。
「勇者ルーカス、本当は俺も行ってやりたいが俺はこれから色々忙しい。今また国を離れるわけにも行かない。武運を!!」
フェリルはそういうと拳を合わせてルーカスの武運を祈ったのだった。
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