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第198話 追いつかれた。

「まさか、私の逃走経路をここまで読んで、兵を伏していたのか?」

大森林の手前に差し掛かりエバーデールの旗を掲げた兵が俺たちの前に布陣していた。


「み、見ろ、後ろからまたドルジェ将軍が来ているぞ!しつこいな!!」

ルーファが後ろを指差してドルジェ将軍の隊を捉えた。


「森に入れば少数の私たちの方が足が速くなる。追い付かれる前に布陣している敵軍を突破して、森に逃げ込む!」

リーナはそう言って先頭に出て剣を抜いた。


「それしか道はないな。」


「くっ、これも使いたくなかったが…白銀、これは覇者に貰った指輪だ。これでゴーレムを作り出して…私を護らせて!!私もう戦えないの!」

ルーファは情けなくそう言って俺にゴーレムハートを渡してくる。


「えぇ、これ俺が使うの?まぁ、いいけどさ。」

俺はそう言ってルーファからゴーレムハートを受け取って屈強な鎧のゴーレムを5体作り出してルーファに侍らせた。


「おぉ!強そうなゴーレムだ!慣れているな、さては白銀使ったことあるな?」

ルーファは口を押さえてニヤニヤしながらそういった。


「…なんかなぁ。さっきまで凄かったのに。残念さが抜けない奴だな。」

俺はいつものルーファを見てさっき見たかっこいいルーファの像が崩れ落ちた。


「な、なんだそのマジックアイテムは?一瞬でこれほどのゴーレムを作れるのか?」

アナスタシアはジンがマジックアイテムで一瞬で


「いいか、これは荒野の覇者 ハシャ殿より賜ったものだ。もしも、奪おうとすればハシャの怒りを買うことになるからな。」

ルーファはこのアイテムを狙われないようにハシャの名前を出してアナスタシアを牽制した。まさに虎の威を借る狐だ。


「そうなのか、凄まじいアイテムだな。」

アナスタシアは素直にアイテムを褒めた。




「接敵するよ!突風!!」

リーナはそう言うと手を広げて突風を放ち敵の防壁を崩して敵陣に入った。


「一軍ごときで魔王を止められると思うなよ?コール・サンダー!!ツインライトニング!!」

アナスタシアは空より雷を呼び出し、敵軍に落とし、両手に雷の力を宿し放った。




「ふはは!追いついたぞー!魔王アナスタシア!覚悟しろ!」

ドルジェはそう言ってさらにスピードを上げてアナスタシアを追いかける。

そしてついにドルジェ将軍に追いつかれてしまった。


ガキン!!


「雇われたからな、仕事はするさ。」

俺は殿になるために足を止めてドルジェの刃を受け止めた。


「ちぃ!まだこんな奴が残っているのか!皆のもの、奮起せよ!!魔王の首は目の前ぞ!!身体強化、パワースラッシュ!」

ドルジェはさらに自身を強化してパワースラッシュをジンに放つ。


「重い、な!ファイアーボール!おいおい、嘘だろ?ライトニング!ちぃ!!」

俺はドルジェの攻撃を受けるとファイアーボールを5つ放つがドルジェはそのファイアーボールを巧みに切り裂き対処した。

俺は続いてライトニングを放つもドルジェはライトニングをガードもせず受けてもなお、止まることなく俺の方に剣を突き刺した。

俺は魔法の余韻もあり完全には避けることができず左肩を負傷した。ミスリルの鎧のおかげで傷は幸い深くはない。


「いい鎧だな。だが、我が剣 破軍の大剣に敵うものではない。」

そう言って自身の黒い大剣を掲げる。

そしてそのまま俺に振り下ろす。


「流星剣術 流星。」

もちろん、ドルジェの剣筋はアルドのように全くブレがない。この戦場でもブレのない攻撃を放つドルジェは本当に強い。

でも、スケさんではない白銀のステータスならばブレを作り出すことは可能だ。

俺はドルジェの剣に自分の剣を沿わせるように合わせて剣筋を変えて受け流す。

そして、そのまま返しの刃でドルジェの顔に切り掛かった。


「なっ!?」

ドルジェは俺の剣を顔に掠め、切り傷を作りながらもなんとか避けたが、無理な体制で避けたため落馬した。


「強いな。だけど、今はお前と遊んでる場合じゃないんだ。悪いが、アナスタシアはここで潰させない。ふふっ、彼女にはこの先に行ってもらわなければ物語が進まないんでな。ゴーレム達よ、足止めしろ!」

俺はそう言って落馬したドルジェを見下ろしながら笑い、ドルジェの元にルーファを守らせているゴーレム5体のうち三体を向かわせる。


「おい!三体どっか行ったぞ!?」


ルーファがなにか言っているがそれどころじゃない。


俺は再び前を向き馬を駆けさせる。


アナスタシア達のところに戻り振り返るとすでに3体のゴーレムを真っ二つにしていた。


「おいおい、あんなのに追いつかれたやばくないか?」

ルーファは青い顔をして真っ二つに切られたゴーレムを見た。


「うん、やばい。」

俺も苦笑いしながらそう言った。


「抜けた!!」

先頭で敵軍を切り開いていたリーナが敵軍を突き破り声を上げた。


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