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第192話 ナラVSアドネス

「ここで私に立ち向かうとは良い度胸だ。いや、ただのバカか?」

アドネスはそう言うと連れている兵士たちにナラを囲ませる。

この兵士たちは龍軍の龍達が人化した精鋭の兵士たちだ。


「うっ!?」「カッハ!?」「うぐ、ぐ…」

兵士たちは突然硬直したように固まった。


「私に数は通じない。」

ナラはそう言うと麻痺の魔眼で囲んだ兵士たちを麻痺させて動かなくさせた。


「なるほど、魔眼か。お前たち下がれ。」

アドネスは部下を下がらせる。


「…へぇ、やるね。」

ナラは続けてアドネスに麻痺の魔眼を放つが、アドネスが纏ったオーラによって弾かれた。


もちろん、アドネスの部下の龍軍の精鋭達も龍の力を纏ってはいたが、ナラの強力な魔眼はその力を貫通して麻痺させていた。


「赤龍のオーラ、龍の力を舐めるなよ?」

アドネスは龍の力を全身からオーラのように纏わせて、ナラに近づきドラゴンパンチを放った。


「おっと、危ない。それは痛そう。」

ナラはひらりと避けてかわす。


「ぐっ!?なんだこれは?魔眼は喰らっていないはず…透明な糸?」

アドネスは魔眼をくらってもいないのに動けなくなる。まるでなにかに縛られたように。

目を凝らして身体をみると体に透明な糸が巻き付いていた。


そう、ナラはかわすと同時に蜘蛛の糸をアドネスに放ち、巻きつけていたのだ。


「そうだよ、これはどう?」

ナラはそういって手を引いて蜘蛛の糸を引く。

アドネスに巻きつけた糸は粘着性のある捕縛に適した糸。そして、強く鋭い切り刻む糸も混ざっていたのだ。


「赤龍の纏火!!貴様、蜘蛛か!?であるならば、魔王ナクアの手先!」

アドネスは赤龍の強力な炎を体に纏わせ糸を焼き切る。

糸をたたって炎が延焼してきたので、ナラは糸を切って防いだ。


「私の糸を燃やすなんてすごい。残念、今はもう族長の手先じゃないよ。」

自身の糸が燃やされたことにナラは素直に驚いた。

蜘蛛の糸はもともと本来燃えにくい。どちらかと言うと溶ける性質をもつ。

つまり、アドネスはうまく炎を操り蜘蛛の糸を溶かすことなく蜘蛛の糸を伝わせナラに炎を向かわせたのだ。



「手加減などはしてられないな。お前たち、避難を早く進めろ!」

相手が自分に匹敵する強敵と見做し、アドネスはそういうと人化を解いてドラゴンの姿に変貌していく。


「あちゃー、これ今の私で勝てるかなぁ。」

ナラは巨大な赤龍を見上げながらそう言って冷や汗をかく。


「さぁ、お前も本当の姿を表せ、蜘蛛!!」

アドネスはそう言って吠える。


「んー、それができたらしたいんだけど。一身上の都合でそれはできないの。」


「舐めているのか?ならば、死ぬがいい。」


「舐めてない。本当は本来の姿で相手をしたいけど、それをしたら死んじゃうからね。仕方ないの。」

ナラはそう言って強靭な蜘蛛の糸を束ねて長い鞭を作り出す。


Aランクモンスターの2匹がついに本気でぶつかり合うその時、少女の声が響き渡った。


「ちょっ、ちょ!ストーップ!!なにをしてるの!?なんでアドネスは街で暴れてるのー!?」

スケルトンを連れて急いで走ってきた少女。

魔王アリアがアドネスにそう言った。


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