表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
189/241

第189話 アステリアの試練

「今日は60階層を目指すぞ!」

俺はそう言って気合いを入れる。俺は準備を整えて迷宮に繰り出した。


迷宮は本当に一層一層が広い。隅から隅までマッピングされているのは5階層までだ。それ以降は次の階層までの最短ルートがマッピングされている。

次の階層までの比較的安全で最短のルートを正規ルートと言う。

俺は60階層にある鉱物を求めて60階層にやってきた。

その鉱物の名前はブラックスティール。

軽く硬い。衝撃も吸収する最高級の鉱物だ。

俺もそろそろいい装備を揃えなければ先には進めない。この装備で小手を作りたい。

一応街でも買えるが、凄まじく高い。

60階層から下は下層だ。

下層の鉱物は街では凄まじい値段で取引される。だから、金のない俺は買うんじゃなくて採りにいかなくちゃいけない。


59階層から60階層にいく時にはボス部屋があり、階層ボスがいる。ちなみにボスはジャイアントカースボーンスネークというBランクモンスターだ。

しかし、階層ボスはクーリッヒの大型クランやチームによって周期ごとに狩られている。だからボス部屋にはだれもいないはずなのだ。



「…誰ですか?」

俺は60階層に行くボス部屋に1人の黒い全身鎧の騎士がいた。

まるで誰かを待っていたかのように。

ソロで下層にいくのは自慢ではないが俺くらいだろう。普通はパーティーを組んで下層にいく。

俺は警戒を露わにしてナイフを構える。


「名前は、レオン…だったか?少し話をしようと思いまして。」

クーリッヒの英雄 ジンさんの純白の鎧とは対極かのような漆黒の黒い鎧の騎士は意外にもとても綺麗な声で女性だったようだ。


「話?俺に?」


「貴方は人間にしては十分強くなりました。それなのになぜまだ冒険を続けていくのですか?」


「なんで俺にそんなことを?」


「わからないからです。貴方のなにが面白いのか。どれだけ努力しようと、どんな苦難を乗り越えようと、大切なものを犠牲にしようと、天と地がひっくりかえったとしても貴方は我々には届かない。なのになぜ迷宮の底を目指す?なにが面白い?理解ができない。それをマスターに伝えたら実際に会えばいいと、挑む者に。だから、私は貴方に会いにきた。」

黒い鎧の騎士はそういうと指をパチンと鳴らす。


バタン!!


「っ!?」

俺の後ろの扉が急に閉まる。


「もし私が貴方に用意した試練をクリアできたなら私が貴方に褒美を差し上げます。もしも貴方が諦めたら…そうですね、冒険なんてもうやめてもらいましょうか。」


「なつ!?そんな勝手に?」


「私はマスターよりこの迷宮の管理を仰せつかっている。つまり、この迷宮の管理者でもある。まぁ、迷宮のトラップにかかったとでも思ってください。では、始めます。サモン!」

黒い鎧の騎士はそういうと巨大な魔法陣を出現させる。


その魔法陣から赤いところどころ腐った龍が現れた。


「そんな、ドラゴンゾンビ!?」


「君のレベルじゃまだAランクは倒せないでしょう?さぁ、始めてください。」



ドラゴンゾンビは俺に向かって巨大な顎で噛みついてくる。


俺は右に転がって避け、ナイフを構える。

ドラゴンゾンビは素体となるドラゴンによってランクが違う。このドラゴンゾンビは巨大な体に赤い龍鱗、見るからにAランクモンスターレッドドラゴン つまりは属性龍が素体のドラゴンゾンビだ。つまり、このドラゴンゾンビはAランクモンスターの力を持っている。


勝てるわけがない。AランクモンスターはS級冒険者のパーティーでやっと勝負ができるくらいの強さだ。

まだBランクモンスターとも戦ったこともない俺が戦っていい相手じゃない。


「試練を降りたい時はいつでも言ってください。」


「親切なトラップだな!!」

俺はドラゴンゾンビの振り上げて叩きつけた爪の攻撃をなんとか避けながらそう言った。


なんとか避けられてはいるがこのままでは体力が尽きてしまう。


「身体強化!!」

俺は身体強化をして素早く駆け出してドラゴンゾンビに駆け出した。


そしてドラゴンゾンビの前足にナイフを突き立てる。


「グゥあー!!!」

ドラゴンゾンビは叫ぶが突き刺した傷はすぐに回復していく。


ドラゴンゾンビの厄介なところはこの異様な再生能力なところだ。


「貴方の力では本来Aランクモンスターに傷さえ与えられませんが、その武器は貴方には勿体ないほどの性能です。全く使いこなせてはいないようですが。」


ドラゴンゾンビは口に炎を溜めてドラゴンブレスの構えをする。


「炎の属性竜のドラゴンブレスなんてくらったら俺は消し炭だ!させない!!」


俺はドラゴンゾンビの腹の下に素早く入り込み、素早く無数に切りつけた。


ドラゴンゾンビはブレス攻撃を中断し、俺に前足で叩きつけてくる。


「戦えてる!俺は、Aランクモンスターと戦えて、っ!!?」

ドラゴンテールが俺の身体に横なぎに叩きつけられて俺は吹き飛ばされる。


「がはっ!!」

俺は迷宮の壁に叩きつけられる。

咄嗟に左腕でドラゴンテールを防いだが、ダメージが凄まじい。

血が込み上げてきて俺は咳き込みながら血を吐き出す。

そして、そのまま力が入らず倒れた。


「もう諦めたらどうですか?貴方の攻撃ではドラゴンゾンビに致命傷を与えられないどころか瞬く間に傷を再生してしまう。対して貴方は一撃を受けただけでその様。このまま戦って本当に勝てると思いますか?」


「俺は!俺は、なにも持っていなかった。強い力も、魔法の才能も、剣の才能も、勇者ルーカスのような特別な力も、何一つとして持っていなかった。それでも、勇者に憧れて強くなりたくて、クーリッヒにやってきた!でも、誰もいない薄暗いダンジョンで誰にも知られずスケルトンに殺されて俺の人生は無意味に終わるはずだった!!諦められるわけがないだろう!!なにも持たなかった俺がまぐれでもなんでも、迷宮の主に生き返らせてもらって、力を与えられてここまできたんだ!!」

俺は震える足を押さえて、また上がってきた血を吐き出してふるふると立ち上がる。


「諦められねぇよ!夢を見ちまうよ!あの英雄 白銀が巨龍に立ち向かう姿を間近で見ちまったら憧れてしまうよ!俺もあぁなりたいって、いや、越えたいって!!」

俺は真っ直ぐに黒い騎士をみてそう言った。


「ふっ、へぇ、こんなにも力の差を叩きつけられてもなおそう言えますか。」

黒い騎士は口元を少し抑えて笑い、俺を見る。


「俺は、諦めない…。」

俺の意思に反応して破邪のナイフが呼応して光り輝く。

俺から生気とも言える力がどんどん破邪のナイフに流れているのがわかる。


長くは持たない。一撃、次の一撃を当てなければ俺はここで終わる。


俺はナイフを強く握りしめて駆け出す。


ドラゴンゾンビは自分に向かってきた愚か者を食ってやろうと口を大きく開けて俺を迎え撃つ。


折れた肋骨が痛い、呼吸が苦しい、

意識が遠のく、血が込み上げてくる。


俺はそれを目を見開き、歯を食いしばり、血を飲み込んでドラゴンゾンビに向かって駆ける。


ドラゴンの強靭な顎が眼前に迫る。


俺は思いっきり飛び上がり一回転してその勢いのままにドラゴンゾンビの目に破邪のナイフを深く突き立てた。


「ギャァ!!」

ドラゴンゾンビは頭を振ってレオンを振り落とそうとする。


「離さ、ない!!!」

俺はナイフを両手で持ち、ありったけの生気をナイフに注ぎ込む。 


ナイフはドラゴンゾンビの頭の中で光り輝き、ドラゴンゾンビを内から浄化する。


「ギャ…アァ…」

ドラゴンゾンビは静かに倒れ、沈黙した。


「勝っ…た?俺は勝ったの、か?Aランクモンスターに?俺が?」

俺は破邪のナイフを引き抜き、よろめきながら立ち上がる。


そして…




「うおぉぉ!勝ったぞ!!!」

俺は喜びのあまり雄叫びを上げた?



「矮小な身でここまでやるとは。やるではありませんか。ジャイアントキリングおめでとうございます。」

黒い騎士はそう言ってゆっくりと拍手をする。



「俺の、勝ちだ!!」

俺は今にも倒れそうになりながら黒い鎧の騎士を見つめる。


「では、次が本番です。サモン!!」


先ほどのドラゴンゾンビクラスのドラゴンゾンビが5体召喚される。


「へ?」

俺は馬鹿みたいな声が出た。


「面白い!」「続き読みたい!」「最後まで見たい!」など思った方は、ぜひブックマーク、下の評価を5つ星よろしくお願いします!一言でも感想お待ちしております!!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ