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第170話 蜘蛛の援軍

「ゲ、ゲコッ、まずい!このままでは!」

ルーは退路を確保して撤退していったが蟻の軍勢に凄まじい追撃に苦戦を強いられていた。


「ルー様!前方に凄まじい数のモンスターの群れが布陣して居ます!!あれは…蜘蛛?」

メロはルーに報告すると前方の布陣しているモンスターの軍勢を目を凝らしてみると蜘蛛のモンスターであった。 


「蜘蛛じゃと?だとすると、ナクアか!?くぅ、ここまでか…」


「これは…どうしますかねぇ。」

シャールブはそう言って冷や汗を掻いて蜘蛛の軍勢を見つめる。



「大魔王ルーよ、ここは我ら蜘蛛の一族が引き受けよう。真っ直ぐに進軍せよ。」

ナクアはそういうと美しい黒髪の美女の姿から丸太のように大きな足、鋭く大きな牙。8つの大きな真紅の瞳に、黒檀色の毛で覆われてた凄まじい大きさの化け物に変身する。


「ふぉ!援軍というわけかの?」

ルーはなんとかなったと安堵すると同時にナクアに戦慄する。

このタイミングで助けに来たということはナクアは密偵を飛ばし見ていたのだこの戦いを。

森に閉じこもっているとばかり思っていたが実際にはさまざまなところに眷属を向かわせ、情報を見ているのかもしれない。

そして、儂らを助けにきたように得られた情報を一番良いタイミングで使うこともできる。

ナクアには相当な借りができた。


…こいつは相当な策士じゃのぉ。



「あぁ、蟻の一族と我らは因縁の相手。蟻の一族に好きにはさせない。我らも戦おう。」


「なんと心強い援軍じゃ。では、任せたぞ?」

ルーはそう言って真っ直ぐに進軍していく。


—来たか、蜘蛛の女王よ。神の寵愛を受けるのは我ら蟻の一族だけで十分。蜘蛛よ、滅びろ—

クルアは念話でそう言うと追っ手の蟻たちをナクアに向かわせる。


「神?訳のわからないことを。我らはもう追われぬ。負けぬ!」


蟻の軍勢凄まじい勢いで蜘蛛の軍勢に向かって行くが、最前列の蟻たちの動きがピタリと止まった。

まるでなにかに拘束され身動きが取れないように。


「我らはどんなところにも罠を仕掛ける。たとえ平地だろうと空間だろうと湖だろうと。」


—確かに蜘蛛の罠は強力ですね。しかし、我らは同胞の屍を越えていく。我らの黒き進撃はなにものにも止められないのです。さぁ、進みなさい。—

女王の号令に蟻たちは味方の身体を踏み越えて進軍していく。

進んだ先で、また拘束される者、鋭い蜘蛛の糸にばらばらにされる者、毒に侵されるもの、地面に潜み急に現れた蜘蛛に捕食される者。

罠に囚われてどんどん蟻は数を減らしていく。

しかし、蟻は止まらない。仲間の屍を越えて蜘蛛の軍勢に迫っていく。


「喰らい尽くせ!」


—滅ぼせ!—


蟻と蜘蛛がついにぶつかり合い喰らいあう。


「ゲコッ、バーバルよ、これは想定外であったであろうな。幸か不幸か儂はこの戦いで生き延びてしまった。これは長く辛い戦いの世になるか。これもバーバルを見誤り、生き延びてしまった儂の責任じゃな…。」

一気に全てを終わらし戦いのない世界に管理しようとしたルーの思いとは裏腹に、この戦いを発端に凄まじい血が流れるであろう戦乱の世の幕開けとなってしまったであろう。


ルーは歯を食いしばる。

ここまでたくさんの策を巡らし、考えを巡らせてきた。

こんなはずではなかった。あとはバーバルを刈り取って終わりのはずだった。


「こんなはずでは…」とルーは言葉をこぼした。



バーバル惜しかったですね…あと少しでルーを倒せたのに。もしそうなっていたら、世界は闇の世界になっていたことでしょう。


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