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第163話 これからの勇者パーティーの方向性

「ついに、この戦争が始まってしまった。」

ルーカスは悲しい顔をしながらエルフの国エルランドを目指す。


「まぁ、私たちが止めるには力不足だったんだよ。仕方ない。」

アリルはそう言ってルーカスを慰める。


「今は人類が団結することに注力するべきだ。まずは私の祖国であるエルフの国を目指そう。我が国は反魔王の有力国家だ、きっとルーカスに力を貸してくれる…はずだ。」

マーミヤはそう言って少し俯いた。



「あぁ、そうだな。まずは大国であるエルフの国エルランドに呼びかけを行い、人類を一つにすることが先決だ。俺たちが一つにならなければ、あの二王の戦いの余波だけで人間の国など滅んでしまう。」

ルーカスはそう言ってマーミヤに答える。


戦いを防ぐことができなかったルーカス一行は今度は生き残るために人類を一つにする大連合を興そうとエルフの国に向かっていた。

なぜエルフの国なのかと言うとルーカス一行のエルフのマーミヤが実は大精霊術師ポッシルの娘であるからだ。

ポッシルはエルランドの中でも世界樹の守り手イムラの次に発言力のある権力者だ。マーミヤが父であるポッシルに頼み、イムラに謁見し、大連合の話を提案しようという算段である。


「父は、私の言葉を聞いてくれるだろうか。私には精霊術師の才能がなかった。だから、魔法を極めようと国を出た。国で最高の精霊術師である偉大な父は出来損ないの私の言葉に耳を貸してくれるのだろうか?精霊との交信を諦めた私に偉大な父は絶望しているのではないだろうか…ルーカス、すまないがあまり期待はしないでくれ。」

そう、精霊達はマーミヤに見向きもしなかった。精霊術師の才能がなかったのだ。その代わり魔力は多くあった。マーミヤは父に黙って精霊術師の道を諦め、魔術師としての道を進むために国を出たのだった。


「ううん、きっとマーミヤのお父さんは貴方のことを心配しているはず。ポッシル様と言えば知性に溢れとても慈悲のあるお方だと有名よ。きっと私たちの話を聞いてくれるわ。それに先の人間大連合ではエルランドは連合の中枢の三つの国の一つだったわ。きっとエルランドはまた大魔王と戦ってくれるはず。」

アリルはそう言ってマーミヤの背中に優しく手を置く。


「そうだぜ!きっと成長した娘を見たら泣いて喜ぶぜ?」

獣人のドルフもそう言って笑う。


「ふっ、そうだといいのだがな。」

マーミヤはそう言って顔を上げる。


「…家族か。」

アベリオは誰にも聞こえない声でボソッとそう言った。


「私も万能と呼ばれる王女殿下のように精霊に愛されるエルフだったら良かったのだかな。」

マーミヤは遠い空を見ながら羨ましそうにそう言った。


「万能?」

ルーカスがマーミヤに聞き返す。


「あぁ、複数の精霊と契約を結び彼女にできないことはないと言われるほど様々な精霊の力を行使することができる世界樹の守り手であるイムラ様の娘、稀代の精霊術師だ。私は会ったことがないが、それほど精霊に愛されているお方ならば、きっと素晴らしいお方なはずだ。今は国を出て各地をお隠れで回って見聞を深めているとのことだ。本当にすばらしい王女様だ。王女様もきっとどこかでこの世界のために尽力しているはずだ。我々も頑張らなくてはな。」


そう、万能の二つ名を持つものとはルーファのことだ。ルーファはただ単に家出しているだけなのだが、それではさすがに国民に示しがつかないので、このような設定になっている。ルーファの実力は本物だが、人間性には難がある。


ちなみにルーファは今、アリと一緒に夜遅くまで酒盛りしていたため二日酔いで寝込んでいる。世界の命運など全く考えていない。




そんな勇者一行は無事エルフの国エルランドに入国したのだった。





勇者達が動き始めましたね。


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