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第159話 帝国で生まれた殺人鬼

私は魔王アナスタシアの支配する帝国で生まれた魔族だ。 


魔族とはツノがあり、褐色の種族だ。長命で強力な魔力を持つことが特徴だ。

魔族はそのツノの美しさと魔力の多さで美醜が決まる。


しかし、不幸なことに私には生まれつきツノと魔力がなかった。

私への差別は凄惨を極めた。


まだ小さい頃に親に捨てられた。気持ち悪いと言う理由で。


それからは路地裏でゴミを漁りながら生活するようになった。


ツノなし魔力なしの私は路地裏でも時々リンチにあった。

リンチに合った日は動けなかった。

毎日お腹が痛かった。食べられてないし食べるものも腐っている。連日知らないやつに殴られる蹴られる。


私は息を潜めて生活するようになった。


心のどこかで期待していたんだ。きっとだれか助けてくれるんじゃないかって。私を見つけて救い出してくれるんじゃないかって。


でも、そんな奇跡は起こらない。

私もその時、少し成長して女だとわかるくらいになった。そうするとある日、私のことを女性として襲おうとするやつらが現れたのだ。凄まじい恐怖だった。私はなんとか逃げることができたのだが、いつまでも運良く逃げられるとは限らない。


だから、私は息を潜め、闇に紛れるようになった。


そうすると私のことを誰も見つけることはできなくなった。


ある日、たまたまいつも漁っているゴミの中に錆びれた一本のナイフを見つけ、私は自衛のためと思い、そのナイフを拾った。

ナイフを拾った日に前に私を襲おうとした輩が私を探しにうすら笑みを浮かべてやってきたのだ。当然、私は闇に紛れているため私を見つけることはできない。

そして、私の手には錆びれたナイフが握られている。





私は気づいたらそのナイフで後ろからその男の首を掻っ捌き殺していた。怖くてたまらず刺したのではない。極めて私は冷静だった。



あぁ、なんだ。こんな簡単なことだったんだ。



殺せばよかったのか。


罪悪感や恐怖はなかった。いや、むしろ安心している自分がいた。


だってそうだろう?怖いやつが1人いなくなったんだから。



そこで初めて私は気づいた。自分の才能に。


自分の殺しの才能に。



一対一の正面勝負では私は誰にも勝つことはできない。魔力もなければ体も小さく弱い。

しかし、息を殺し闇に紛れた私を誰も見つけることはできはしない、首を掻っ捌かれるその時までは。

私は私を襲いにくる者どもを片っ端から殺した。

そうすると誰も私の路地裏に近づくことは無くなった。


これでやっと安心できたかに思えた。


「お前か?ここで殺しまくっている路地裏の殺人鬼やつというのは?」

私の路地裏に来た1人の女性がそう言って息を潜めて闇に紛れている私の方を見てそう言った。


「っ!?」

気づかれている!?

誰にも気づかれたことなんてなかったのに。


「ふむ、少年よ。」


「…私は女だ。女だとわかると襲ってくるやつもいる。だから、私は男のように髪を短くして胸にサラシを巻いている。」


「なるほどな。私は魔族の王である魔王アナスタシアだ。ところでお前、軍で働かないか?その噂に違わない隠蔽能力、暗殺技術はすばらしい。」


「魔王様??…断ったら?」


「もちろん処断する。」


「なら、私は貴方に従うしかないじゃないか。」


「そうだな。お前名前は?」







「私の名前はアリだ。」

赤髪に褐色の少女アリはこうして帝国の暗殺者として起用された。


彼女の能力は素晴らしくさまざまな情報を盗み出し、たくさんの邪魔者を暗殺した。


路地裏の殺人鬼、帝国でこの名を聞いて恐れ慄かないものなどはいなかった。


アリの素性が明らかになりました。


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