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第153話 大魔王と魔王アリア

「ま、まずい!?」

アーガストの凶刃がメロの喉元に迫る。


「ゲコッ、させんよ。アクアドーム、ドラゴンウォーター。」

巨大な水の塊が空に現れて、その水の塊から水の龍の頭が無数に生える。


その水の龍たちは次々と死霊騎士団たちを襲う。


「ふんっ!その首貰うぞ!大魔王ルー・チャルロイド!」

水の龍を切り裂きアーガストはルーに襲いかかる。


「ゲコッ、破壊光線。」

ルーは口を大きく開けると口から全てを破壊する光線を放った。


「なんだと!?グゥアーー!!!」

アーガストは辛うじて自身の大剣で軌道を逸らしたが、右肩を吹き飛ばされ重症を負う。


「ふぉ、ふぉ。儂に勝てるわけなかろうて。むっ!?ドラゴンウォーター!!」

ルーに突如として凄まじい火炎が襲いかかる。咄嗟にルーはドラゴンウォーターを唱え相殺する。


「なんでもう戦っているんですのぉ!?」

空に巨大な赤龍が現れて少女の絶叫が轟いた。






「お主は赤龍アドネス。じゃが、お前が加わったとて儂には勝てんよ。」

ルーは巨大な赤龍を見つめてそう言った。


「我とてただではやられはせぬ。」

アドネスは口から炎をちらつかせながらルーを睨みつける。


「いや、だから戦わないで!」

アドネスの背から1人の少女と一匹のスケルトンが戦場に降り立った。


「ふぉ、なんだお主は?人間の少女?ここは危ないから早く下がりなさい。」

ルーは優しそうな顔を浮かべて少女に避難を呼びかける。


「いいえ、下がりませんわぁ!私はこの者たちの王、魔王アリアですわぁ!三大王ルー・チャルロイド、なぜ軍を率いて来たのですか?」

ビシッとルーを指差してアリアが言った。


「ふぉ!?本当に…本当に人間の少女がこの者たちを従えているのか!?信じられんのぉ。」

ルーは目を見開いて驚いた。


「すごい、ほんとにただの人間の小娘だ。」

メロも疑心を抱いていたのか実際にアリアを目の前にすると信じられないように言った。


「答えてください、なぜ攻めてきたのですか?」

アリアはルーを真っ直ぐに見て言う。


「これから儂はバーバルと大きな戦いを起こす。お前の勢力はわしの計算にはなかった不確定要素だ。必要があったら潰す、そのために来た。」


「そんなことはさせませんわぁ!」

アリアはそう言って膨大な魔力を解放する。

その魔力量はSランクであるルーにすら匹敵する。ただの人間の少女がだ。


「それで、軍を引いて頂けるのですか?」


「ふぉ、いや、これだけの英傑が揃ってしまっているのじゃ。無視できんよ。ここで潰すかね。」


「ならば、私も引けません!!スケさん!マローダーベア!」

アリアはマローダーベアを召喚する。


—いや、このレベルになったらもう俺は無力だよ?—


「私がお護りします。」「我もまだ、戦える!!」

アドネスがそう言ってアリアの前に立ち、アーガストも立ち上がった。


「愚かじゃな。三大王の力は同じ三大王でなければ止められぬ。知るがいい、身の程を。」


















「ア、アリア様…」

アーガストが手を伸ばすが気を失い、伸ばした手は地面へと叩きつけられた。


「儂と戦うにはまだ早すぎたのぉ、せめて万全の状態の龍軍か死霊騎士団は必要じゃて。二軍とも主人を失った戦いで本来の力は全く持って居ない。」


「くっ、負けられない…」


「人間のそれも少女のお主が魔王だなんて身の程を知るべきじゃ。お主はなぜ、魔王になったんじゃ?」


「みんなが…全ての種族が平等に笑い合える、助け合える国を創りたいの!!困っている人が最後に辿り着くようなそんな国を!」


「なんじゃと?」


万全の状態の龍軍と死霊騎士団であったならば、互角に戦えていたかもしれませんね。


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