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ドルオタ転生プロデューサーが、潰されかけた原石たちを神育成して異世界初のトップアイドルにする  作者: ペクチン21時


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第3話:泥の中のツインテール

異世界に青年「タクト」として転生してから、早くも数年が経過していた。

タクトは辺境の街『グランツ』の片隅で、小さな看板を掲げていた。【タクト芸能プロモーション】。地味な平服を着た平凡な黒髪の青年が一人で営むその場所に、興味を持つ住人は誰もいない。それもそのはず、今のタクトには、荒くれ者の冒険者を威圧するようなオーラも武力も、1ミリも存在しないからだ。

「そろそろ一期生をスカウトしないと、事務所維持費が払えなくなるな……」

タクトが頭を抱えながら市場の広場を歩いていた、その時だった。

ドカッ、という鈍い肉声とともに、小さな人影が泥水の中へと激しく吹き飛ばされた。

「おいおい! これでも高貴なる『勇者の血筋』の生き残りかよ!? 聖剣は抜けない、攻撃魔法の才能は皆無、ただすばしっこいだけの木偶の坊が!」

罵声を浴びせているのは、いかつい中堅冒険者たち。彼らの足元で、泥に塗れながらじっと痛みに耐えているのは、12歳ほどの少女――アリスだった。

アリスは戦闘の才能がまったく開花せず、先日ついに「勇者育成機関」を戦力外通告クビになり、街へ放り出されたばかりだった。バサバサに傷んだ金髪ツインテールに、サイズが合わないブカブカな革鎧。顔は泥と涙でドロドロだった。

「ひっ、うぅ……ごめんなさい……ごめんなさい……」

「謝るくらいなら、奴隷並みにこき使ってやるからよ。ほら、立て!」

いかつい冒険者がアリスの髪を掴み上げようとした瞬間。

その分厚い手首が、ガシリと掴まれた。

「おい、そこの不当労働極まりないブラック先輩方。うちの『未来のトップスター』に、随分な真似をしてくれるじゃないか」

掴んだのは、鎧も武器も持たない平凡な男――タクトだった。

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