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絆vs頭脳の果て

 ケルベロス社長によって、女の子の応援が封じられた!


 このままでは、チートじゃない俺は負ける……。


 ケルベロス社長が、ゆっくりと口を開く。


 どうすればいい?


 焦る俺に、ケルベロス社長は語りかける。


 「ようやく、私の計画が実る! 君がいなくなるから!」


 「計画だと!?」


 「ああ。このまものタウンに、『地獄の遊園地』を創る! そして、魔物たちを強制労働させる!」


 「またロクでもないものをっ!」


 「いやいや、楽しいぞっ! 『落ちずに乗れるか!? スライムのジェットコースター』とか!」


 「落ちたら、『コンテニュー?』じゃすまされないぞっ!」


 「私、『ケルベロス社長に乗れるメリーゴーランド』!」


 「真っ先に、こき使われた部下たちが乗るだろうな……」


 「熱さに耐えろ! 『熱湯入りコーヒーカップ』!」


 「客に芸人魂を叩きこむ気かっ! やっぱり、ロクでもないじゃん!」


 「なめないでくれるかっ! さらに、『ケルベロス社長を(たた)える塔』を造る!」


 「ムダ労働の集大成だぞっ、それ!」


 「君には、センスがないな?」


 「社名に、『魔物建設(笑)』を採用しようとしたやつに言われたくないっ!」


 俺の発言に怒ったのか、魔物たちは襲いかかろうと踏み出した!


 しかし、ケルベロス社長がそれを制す。


 「待て、彼は私の敵だ。センスのない勇者よっ! 闇の魔法を食らいなさいっ!」


 「なっ、闇の魔法!」


 「ふふふ、私も魔物だ。口から暗黒球くらいは放てる! かぁーっ!」


 「ちっさい……」


 「ふふふっ、連発したらどうだ? 闇に飲まれろっ!」


 うおっ、俺の体は暗黒球に包まれた!


 この中は息苦しい!


 俺は覚悟した。


 その時ーー。


 すさまじい衝撃波(しょうげきは)が起こり、バーがゆれる!


 それと同時に、暗黒球はすべて消し飛んだ!


 一体何が起こった?


 俺が不思議がっていると、となりにランがいる!


 胸と下腹部だけ、布が被さっているという危険な格好で!


 ともかく助かった! 俺はランに礼を言う。


 「ありがとう、ラン!」


 「もはや、私はランではありません! ゼン・ランとお呼びください」


 「呼ぶ度に人の目が気になる!」


 俺がつっこんでいる間に、ランは白ローブ姿に戻っていた!


 どうやら、破れたローブを直したのだろう。


 さすが、手のすばやさ2000!


 感心する俺にランは抱きついて、


 「勇者様。私の愛は、煩悩(エロ)に勝ちました! がんばって下さい!」


 「ありがとう、力がわいてきたっ! さあ、ケルベロス社長! 覚悟しろっ!」


 しかし、ケルベロス社長はまだ笑っている。


 「これで勝ったと思うか? 作戦は、周到でなければいけない」


 ケルベロス社長は、二足歩行になる。そして、無許可でバーの棚からビンを奪った!


 「これは最強アイテム、チートポーション改! チート切れの副作用がないぞ!」


 まずい、社長がチートになってしまう!


 何か、いい方法は……。


 俺が思案している間にも、ケルベロス社長がビンのフタを開けた!


 ど、どうすればいいんだっ!


 俺が冷や汗を垂らしていたその時、スケルトンが社長の前に立った!


 スケルトンが、右手を出して叫んだ! もしや、魔法か?


 「お手!」


 「はいはい……。って、しまった!」


 おおっ、社長がお手をした!


 ビンはスケルトンの手に渡った!


 俺は、光の魔法を発生させようとする。


 だが、それを阻む者がっ!


 「ロ、ロアスよっ!」


 「ガーネット!」


 「ラ、ランが愛などと抜かすから……。余も負けて……。いや、仕方ないから応援してやる!」


 ガーネットは、顔を真っ赤にしながらおどる。


 オーディエンスがたくさんいる、バーで!


 ガーネットは呟く。


 「はううっ。魔王ともあろう者が、皆が見てるのに脚を上げて踊るなど……」


 ガーネットは首をふるふると横にふり、


 「い、いやロアスよ~。が、がんばれっ!」


 ガーネット! 勇気を出してくれて、ありがとうな!


 俺はケルベロス社長に魔法を放った!


 「ケルベロス社長っ! 光の魔法で、汚れた心を浄化しろっ!


 「バッ、バかなっ! 私の作戦は、完璧だったはず……」


 ケルベロス社長は、浄化されて消え失せた!


 これで、悪徳企業『まもけん(株)』は無くなった!


 街にも、平和が戻るだろう!

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