社長室(いぬごや)を探せ!
俺たちは、しつこく蘇るゾンビ部長……。いや、ゴーレム部長を倒した!
目指すは、悪の親玉・ケルベロス社長だっ!
フィールドに俺たちは立つ。
前方には、まだビルが9つも並んでいる。
社長室は、どのビルの何階なんだ?
社長室へ向かう前に、ガーネットがランにせがむ。
「ランよっ! すまんが、破れた黒ローブを直してくれ!」
「いいですよ!」
「ランは10秒で直すからな! 助かるのだっ!」
「フフフ、手のすばやさは2000ですからね!」
「い、いやらしさを感じるのは気のせいか?」
「魔王・ガーネット様。黒ローブが直りましたよ!」
「さすがはランなのだっ!仕事が早い! ありがとうなのだ!」
「でも、忍装束のガーネット様は可愛らしいですよ! 恥ずかしがらず、堂々とされては?」
「そ、そうか? 悪くはないか?」
「ええ、お似合いですよ! 闇の暗殺者って感じで!」
「むっふっふ! そう言われると、なんだか自信がわいてきたのだっ!」
「その意気ですよっ!」
「おどりこから、くのいちに転職する! そして、闇を支配するのだ!」
「ステキです! そんな魔王様にプレゼントがあります!」
「なんだ!? わくわくなのだっ!」
「素晴らしい本ですよっ! 『夜の忍法のすべて』1巻と2巻!」
ランの奴、ガーネットをエロ信者にするつもりだっ!
ガーネットがエロ教祖・ランをあがめ、エロ教が布教されたらヤバい!
エロ教を信じる女性たち。
彼女らが、一日一回ランに礼拝。その後、自らの胸をもむ光景が容易に想像できる……。
いやいや、妄想したら鼻血が出そうだ……。
妄想は止めて、社長室へ向かわねば!
俺はみんなに促す。
「黒ローブは直ったな! よし、社長室へ行くぞ! スケルトン、案内を頼む!」
「すまん、俺も社長室に行ったことはないんだ!」
「マジかっ! 何か手がかりはないのか!?」
「そういえば、前に社長室への地図をもらったんだ! これな」
「なんだよ、白紙じゃないか!」
「どうやら、火であぶり出すやつらしい」
「忍者かっ! 『夜の忍法のすべて』に出てきそうだなっ! よし、俺の火の魔法であぶろう!」
「頼む」
「おおっ、何やら文字が出てきたな!」
「これは、世紀の大発見になるかもしれないですね!」
「考古学者みたいに言わなくていいからっ!」
「すまん」
「おおっ、文字がすべて出た。なになに、女忍者にキスを迫る大名……」
「『夜の忍法のすべて』だな……。すまんっ、ファンなんだ!」
「このムッツリ野郎!」
「悪い、こっちをあぶってくれ!」
「なんか、労働じみてきたな……。『火あぶり! 誰でもできる単純作業!』とか、求人に書いてありそう!」
「いいから、あぶれ!」
「上司かっ、お前はっ! ほら、少しずつ文字が出てきたぞ」
「よし、これで間違いないだろう!」
「あぶり終わった、読むぞ! カレー粉、ジャガイモにニンジン……。おつかいのメモじゃないかっ!」
「すまんすまん、昔、母に頼まれてたやつだ」
「火あぶり方式にする必要あるのかっ!」
「我が家のプライバシーを守るため!」
「たかが晩メシだろっ!」
「残念ながら、俺が持ってる情報はこれだけだ……」
「マジかよ!? あのビルを全部調べるのかよ!?」
ガーネットは顔をしかめて、
「ロアスよっ! 余は魔王であるぞ! ビルを走り回らせるつもりかっ!?」
えっ、くのいちになるんじゃなかったの!?
ランが不安を投げかける。
「私たちが探してる間に……。社長が出張とか行ったら、まずいですよね!」
それもありうるな!
パーティ全員が苦い顔をする。
やはり、すべて探すべきか? いや、社長がいなくなったら……。
うかつに動けない俺たち。
その時、タクシーが現れた。そして、ビルの前に停まる。
その時ーー。
ビルから、ケルベロス社長があらわれた!
チートな俺はタクシーを両手で持ち上げ、
「ケルベロス社長! 年貢の納め時だっ!」
ガーネットとランが、ケルベロス社長を捕まえる!
よし、後は社員の前で土下座させるだけだっ!




